馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 たいふうのめ。なぜこれが出来上がったか物語。- 2016/01/27 -

Category : BLOG

巻き込み上手

という異名を与えられつつある私ですが、振り返ると、計画通りに進んでいるわけではなく、故意では無かったといいたい( ̄▽ ̄)

なぜならそもそも計画してなくて、点と点が気づいたら繋がっていたというようなことでした。

結果気づいたら巻き込まれていたのは、巧妙だからではなく、私も一緒なんです。。

自分に巻き込まれていたというより、物語にかなあ。

馬頭琴✖️人形浄瑠璃✖️映像

スーホの白い馬

は、幾つもの偶然からできた産物で、つまり必然だった。

まず、君津市民文化ホールから声をかけかけていただいてた。

好きなことやっていいよ。

まるで天からのお言葉。

なにやろっかな〜

という時にちょっと前に初めて出会っていたのが八王子車人形五代目西川古柳さん。

この人面白いなー。人形と一心同体。

初めて古柳さんの稽古場に行った時に、上がって上がって〜お茶淹れるから〜

って、家元って、かしこまった方を想像していただけに、あれ?みたいな。笑

古柳さんの芝居に音をのせたい。

なんかやりたい。

でもご一緒するだに、すごい人だな。と思うので、そう簡単に声もかけられず、周りをウロウロしていたら、

「美炎さん、その顔はなんか企んでるでしょ!」と言われたので、思わず、はい。

それと同時に、声かけていいんだ!としっかりインプットされた。。(しまった。俺がついうっかりそんなことを言ったからなのか。。←古柳さんの心の声)

なんの物語がいいかな。

スーホの白い馬

いつも朗読に即興で音楽をつけていました。

お芝居には大抵セリフがある。朗読はもちろん言葉が大事です。

音楽はもちろん添えるもの。

しかし馬頭琴という楽器はなかなかに主張する楽器。抑えるのが難しい。

もちろん抑えることはできますが、良さは半減してしまうのが悩みどころ。

弦をはじく楽器だと、さざなみのようにつま弾いて、言葉の後ろの伴奏になれる。

馬頭琴を弾くとき、心は歌っている。だから、この歌で物語を綴れないか。

スーホの白い馬なら、馬頭琴も馬頭琴らしさを、思い切り出せる。

なんせ馬頭琴伝説ですからね^ ^

そして古柳さんはセリフ無しでお芝居する。

伝統芸能では、義太夫さんが三味線と唄で物語を語る訳です。

それを馬頭琴で、ほぼ語り無しでやってみよう。

ほぼ語り無しでやることはできると思っていました。それは古柳さんの芝居が素晴らしいからです。

人形さんが生きているから。

それとスーホの白い馬の朗読に即興で音楽をつける経験から、場面場面での音楽のあり方はもうわかっていて、語りがなくても、その場面を音であらわせるような気がしていました。

芝居には音楽だけとは違って、いろいろな設備が必要です。

市民文化ホールが協力してくれるとあれば、せっかくの機会。

ここで実現しなければなんとする。

本番は来年5月という時に、半年前の11月、私はやっとこ古柳さんにお願いする事を決めて、スーホの白い馬をやろうと思ったのでした。

そっからは無いない尽くし。

いろいろ無いのはわかってる。

音楽作るのは自分だからいいのですが、古柳さんに頼んでも、予算の都合上それ以上の出演者を頼めようはずもない。
削って削れないもの、それはスーホと白馬。

ならば必然的に古柳さんはスーホ。

白馬をどうするか。。。

考え巡らす日々。

アニメーションのように白馬が映像であって、そこにスーホが絡んで芝居したらいいなあ。

と想像。というより、妄想。

だけど、そんなことできる知り合いは一人もいない。。し、全く知らない世界。

こういう時、悩むというのでしょうが、こういう時の悩みって全然深刻じゃなくて、どこか、なんとかなる。

っていうのがあります。
だってもう5月には絶対に素晴らしい作品が出来上がっているとわかっているのですから。

なぜそう思うのかわかりませんが、他に選択肢がないからだと思います。

ということは、いまはその出来上がったものから逆算してる。

素晴らしい作品が出来上がっているのは良くわかっているのだけど、古柳さんがスーホやる。私が音楽やる。しか決まってない状況で、岡山へ。

津軽三味線の宇摩ちゃんとのライブです。

瀬戸内の牛窓にある、てれやカフェという古民家が会場。

そう、このブログで紹介した、後日、無理な場所ツアーの筆頭になる会場でした。笑

この、てれやカフェ、ちなみに私の父が足繁く通っていたカフェで、オーナーには大変お世話になっておりました。

定期的にギャラリーもしていて、その日は米本久美子さんという方の絵を展示していました。

てれやカフェに入ってすぐ、その絵に目を奪われるわたし。

だってアラスカが舞台になった絵だったのです。

アラスカ大好きなのです。

どうしても行きたくて学生の時ユーコン河を三ヶ月かけてゴムボートで下った。。

アラスカの雄大な景色でありながら、なんてあたたかくてファンタジックで、物語が見えてくるような絵なんだろう。と。

若い女性が描いたような気がしていました。

ライブの後、その絵描きの米本久美子さんが、絵の片付けをしていました。

ライブに来てくださっていたのです。

お話すると、すごくかわいいおばあさん。

「わたしスーホの白い馬のお話大好きなんですよ!」

という話からはじまり、私はアラスカ大好きなんです!という話から、米本久美子さんが、来年に東京で個展をやろうと思っていて、娘が川崎にいるから、娘に会場を探してもらっているの。美炎さんぜひ、そのオープニングパーティーで、馬頭琴演奏してもらえないかしら?

いいですよ!

ということで、会場決めに一月に東京へ来るというので、その時の再会を約束して別れました。

後で知ったのは、久美子さんの、てれやカフェでの展示は私のライブの前日までの予定で、ほんとうはその日はもう別の方の作品が並ぶ予定がその方の都合で1日伸び、私が久美子さんの作品に出会える事になったのでした。
そして私はというと、私スーホの白い馬のお話大好きなんですよ!

といった久美子さんの言葉をインプットしてました。笑

一月に東京で再会した時、娘さんの中島菫さんにお会いしました。

一緒に話していると同じ馬好き。

私が手帳を取り出すと、菫さんが、私と同じだ!と。お互いの手帳が同じイタリア製のユニコーンの柄だったのです。

話は久美子さんの個展の会場決めが主でしたが、最初に下見した会場は条件が合わずに次の候補に移ることにしましたが、中でスライドショーをしていて、絵が投影されてました。

そして久美子さんが持ってきていたご自分の作品のコピーファイルの中にあった白馬の絵。

久美子さんが白馬描いてくれてスクリーンに投影できたらすごくいいだろうなー!と言ってみた。

菫さんが、私は映像制作したことないけど、ゲームのキャラクターデザインをしていてコンピューターで3Dの画像を作っている。というのでした。

私の胸高鳴る。

そして、新しいことしたいと思っていたから、映像制作勉強してチャレンジしてみたい。

心臓飛び出そう。

もうここで言ってしまえ。

白馬の絵絵を描いていただけないでしょうか?

そしてそれを映像にしてくれませんか?

全く、今考えれば、久美子さんの個展の会場決めに集まった席で。。

掴んだら離さない美炎さん。

とも言われましたが、こういう時の状態を言うのでしょうか。。

探していたパズルのピースはこれだったのか!!

と一人勝手に宝物を探し当てた状態。笑

多分お願いしながら、相手をもう掴んでいるんでしょうか。。

一体どのくらいの絵を描けばいいのか。

どんなシーンのものが必要か。

と聞かれて、咄嗟に、そんな全部でなくても、必要最低限の場面を描いていただければ。。

さて、お二人とお別れした帰りの電車。この興奮状態では逆に脚本を一気に書けるかもしれない。

というか書かずにはおられない。

スマホのメモ書きに、頭のところから、何の映像が入って、どんな音楽が流れ、古柳さんがどう登場して何するのか。

すべてのシーンを新宿から千葉へ行く電車の中で脚本を書き、そのまま菫さんと久美子さんと古柳さんと、私の伴奏をしてくれる竹井さんに脚本を添付してメール。

後は私はこの脚本にそって物語のテーマ曲をかいて、他のところの音楽を作っていけばいい。

これも後からしったことですが、菫さん、連日徹夜に近い状態でパソコンでの映像制作を勉強し、私の書いた脚本どおりではものすごい量の絵が必要だとお母さんをたきつけて、いついつまでにこのシーンを何枚。

送るように随時親子で必死に書き上げてくださっていたのでした。

たまたま菫さんの仕事がその時だけ余裕があったことも幸いでした。

そのお二人の血もにじむような作業の結果出来上がったDVDを古柳さんの稽古場で見たとき、

私と古柳さん。

ためいき。。

もう、映像だけでいいね。

そうですね。

なんて幸せなんだろうと思いました。この幻想的な世界に古柳さんがあの芝居をして、私が音楽を思いっきり奏でられるとは!

そう、お二人が必死にすごい量の映像を作っている時、私はあとは、自分の番。

テーマ曲を作るだけだ。

テーマ曲を作ればあとは芋づる式に他のところの音楽もできると思っていたので。

これが私の場合、机に向かって徹夜で作業というわけにいきません。

なるべく普通に心を遊ばせといて普通にしてるしかない。。

で、よく聞かれるのですが、ほとんどの私のオリジナル曲は車を運転してる時、お風呂に入った時、ベットに入った時に浮かびます。

3分の曲なら、ほぼ3分で作り終わります。

ほとんど手を加えないし、あ、なんか曲が出てきそう。

となったら、生理的に我慢できない状況。

最初のフレーズとともに一気に鼻歌を歌っておしまい。

制作期間は3分とも言えますし、こんな感じの曲作ろうと思ってから、出てくるまで数カ月のときもあれば、数日のときもある。

スーホの白い馬のテーマ曲、天との約束は、そんな訳で車の中でできました。

それを竹井さんに送るわけですが、竹井さんは私の鼻歌をききながら、あ、今美炎さん、右折した。あ、車庫入れしてるな。と全部わかる仕組みです。笑

それから古柳さんのところに二回通い。

そう。二回しか通ってない気がする。

古柳さんも?私も練習きらい?

え、うそ。。

とにかく!古柳さんが私の書いた脚本を手直ししながら、いろいろ案を出してくださって、いいようにしてくださるのはわかっているのでお任せ。

私は古柳さんの芝居を見ながら、あここはこんな音楽かな。と

古柳さんの稽古場からの帰り道に残りの音楽を鼻歌って。笑

あと3分の一くらいは即興です。

普通映像とのコラボレーションは、秒数をはかり、映像に音楽をあてはめて制作する。

でも、古柳さんの自由な芝居ができなくなるし、音楽も自由にできない。

というわけで、DVD操作を公演するたびに誰かが担って芝居と音楽と照明とタイミング合わせながらワンシーンずつやる必要がある。

たしかにこれも大変。

でもこの組み合わせから生まれた作品の良さの一つは案外この辺りの自由さにあるかもしれません。

それともう一つ。

白馬ちゃん。

そういえば、ワンシーンにしか登場しないのですが、それも古柳さんの芝居を見に行った時に、龍に乗ってた人形が横向きに空飛んでたのが、正面を向いた時がありました。

わ!かっこいい!あれやってください!←勝手。

古柳さんのお知り合いの方で北海道にいる、とても可愛らしい小さい子のいるママさんが白馬を作ってくれました。

しかも分解できるやつ。

そんな訳でたくさんの制作が込められている作品。

子供達が喜んでくれるのが何よりうれしいのですが、今のところほぼほぼ観客は大人の方ですね。

もちろんどなたにも喜んでいただけるのなら嬉しいのですが、この作品の面白いところは、八王子車人形という日本の伝統芸能と、馬頭琴という民族楽器。そして映像という現代のものが、違和感なく同居して、面白いことしてるところ。

その違和感のなさと、違うものが組み合わさる面白さを子供に感じてもらえたらなーと思います。

スーホの白い馬の作品だけではなく、一部、二部では馬頭琴の紹介、八王子車人形の伝統芸の紹介もたっぷりありますので、見どころはたくさん。

ないない尽くしの会場でも古柳さんはなんとかしてしまう人なので、子供達見てもらう機会をなんとか増やせないだろうかと思います。

君津の初演に続き、岡山、札幌、九州とここまで延べ9公演様々な場所で沢山の方に喜んでいただきました。

ここの子供達に見せたい!というご一報をお待ちしています。

そして君津市民文化ホールでの初演のダイジェスト動画1分強がこのホームページお知らせに昨晩新たにアップしました。

下記タップしてご覧ください。

スーホの白い馬ダイジェスト動画
作画の米本久美子さんと、てれやカフェでの公演を終えて、もう世界中どんなところでもできる自信がついた! 

と言っておられた八王子車人形の西川古柳さんです。 

 白馬は白黒にしても白馬だ- 2016/01/25 -

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ちょっとこれって、早口言葉っぽいじゃないですか。

白馬は白黒にしても白馬だ。

シロウマハシロクロニシテモシロウマダ。

証拠写真です。 

 
今回の九州ツアー最終日、別府にある明治の老舗旅館、冨士屋一也百(はなやもも)ホール、終わった後の怒涛のお片づけ途中に撮りました。

ものすごいものすごい素敵なホールでした。

建物のどこもかしこも。

   
   
こちらは初日に下見した時の。

そしてこれが当日の写真。

  
昨晩からの雪。

当然遠くからお見えになる予定だったお客様よりキャンセルの電話もあったとかで、高速道路も通行止め、電車もストップ。

誰も来なかったらご近所さん呼びましょうね。

と皆で励まし合い。

それでも雪は降り続く。

  
機材を少し解いた後で、ちょっと一服しますか。

  
トイレに行っても、控え室に行っても、階段上り下りしててもいちいちいろいろ素敵な所なので、ついついゆっくりしてしまいます。

  
外を眺めていて、ここに猫が来たらバッチリなのにと思ってたら

   
 
来たのよ。

ニャンさんが。

どこにいるかわかりますか?

三毛さんでした^ ^

  
別府の雪の朝。

そして前日夜のお月様。

  

蓋を開けたらこんな悪条件にもかかわらず、お客様沢山きていただいていて本当に感謝でした。

初日の国東のライブからまた来てくださった方もいました。

そしてこの一也百ホールのオーナーがとても素敵な方で、我々がこの明治の大事な建物に暗幕を張るごとくあれこれてんやわんやしていたのを、嫌な顔一つせず、丁寧に手伝ってくださり、本当にありがとうございました。

こんな風にあれもこれも一からしつらえて、過酷な状況にお客様が集うと、なんだか不思議な一体感が生まれる気がします。

   
    
 
この別府の前の日は去年と同じ会場のげんきの杜。

今回は3回目ですが、初回から来てくださってる方、前年来てくださった方、段々繋がりが増えていてとても嬉しいなと思います。

毎年暖かく迎えてくださる地域のお客様にも、NPOの主催の方々にも、八王子車人形の西川古柳さんを紹介したかったので、まずはそれが果たせました。

馬頭琴と人形浄瑠璃と映像のコラボレーション、そしてスーホの白い馬の演目ということもあり、早々に満席になってしまい、当日までお断りしていたようです。

このコラボレーション、三位一体といいますか、どれが欠けてももちろんだめだし、どれもが出せるもの全部出す!という熱血?笑

本当に何度やっても、ジーンとしてしまい、感動してしまう。

本当に全国の子供達に届けたい。

スーホの初日は、小学校でした。

   
   一部は馬頭琴。演奏とレクチャー。

二部は八王子車人形。

演目とレクチャー。

車人形の古柳さんは子供の心もつかむのがうまい。

一緒に仕事でまわると、いろんな場面で勉強させていただけるので、ありがたいです。

子供達、感じてくれたらいいんです。

どんなことでも。

古柳さんがレクチャーの時に、お人形の顔をぱかっと割れるものを見せてくれるんですが、みんなきゃー!!!ってこわがるんだけど、笑ってるんですよね。

それが大事だなと思います。

怖いんだけど、笑っちゃう。

そういう感覚ってすごくいい。

毎年、ほんとに悪ガキの子なのよ。でも学校公演の後で、家の人連れて一般公演にも来るって言うんだからびっくりだわ。と教えてくれた先生。

そういう子ってきっと感受性が強いんだろうな。

気に入るものがあってよかった。

わたしが小学生のときに、スーホを勉強した時は、とにかく白馬が死んでしまうのが悲しくて、むしろ嫌いだった物語です。

その思い出があるせいか、この物語を悲しい悲惨なものにしたくない。

それで終わらないように、でも悲しみは、悲しみの音。

怒りは怒りの音、恐怖もある。

子供達が感想で、馬頭琴の音が悲しかったり、怖かったり、美しかったりした。

って二年生の子が言ってくれました。

悲しみや怒りをこえて、何があるのか、

きっと子供達は白馬から受け取っているでしょう。

それがふとした時に支えになってくれたらどんなにいいかなあ。

この作品は、実は演者だけでなく、裏方スタッフも必要。

岡山公演の時は、古柳さんのお弟子さんが一人何役もこなして事なきを得ましたが、ええ。たぶん無いなりになんとかしてしまうひとですから、古柳さんは。

九州では、会場も、必要なものがあったりなかったり、裏方スタッフとして、主催の方々が本当に去年の11月から勉強会を開いたり、事前リハーサルをしたり、わたしが、スーホをやりたいです!と言ったことが、沢山の人を巻き込んだことになりましたが、やりたいです!と言った時というのは、やりたい一心で周りが見えていない。。。

仕方なく、引き受けてくれた方々が、大騒ぎしてしつらえてくださっている状況です。。

でも、流石は小学生の先生方。

オールマイティー。

おそらく普段、いろんな場面で、沢山の目と手を使っているのだと思います。

そしてなにより、練習と本番というのを知っていて、単に作業するのではなく、一緒に創り上げることができてしまうのは、小学校の先生っていろんなイベントでいろんなことしてるからですね。と思いました。

何より楽しんで関わってくださっているのが本当に感謝でした。

九州へ来た初日は馬頭琴ライブでした。

ちょうど前日、千葉で楽器の具合を見ていて、急に思い出した曲がありました。

それは高校時代、山奥の少人数の寮生活をしていて、みんなでよく合唱をしていました。その曲の中に

谷川を求むる鹿のように

というとても美しい曲があります。

メロディーも大好きで、卒業してからも度々口ずさむことはありましたが、馬頭琴で弾いたこともないし、ここ数年思い出したこともなかったのですが、急にやりたくなって、弾いてみましたら、明日やろう!

と思い、ピアニスト竹井さんに、これ、明日やりたい。

といつもの無茶振り。

で、前日だったもので、当然練習する間も無く、また九州について、空港からライブ会場まで直行して、もうちらほらお客様がいる中で、とりあえず一回合わせる。

その時に聞いていた女性の方がちょっと涙ぐんでいるようでした。

  ライブは一部は去年のクリスマスに初演した、音楽を挟みながらの朗読。

青い馬の少年。

朗読している合間にふと、波の音、ざざーざざーと聞こえてきます。

海の目の前の会場。

でもさっきまで、波の音まではしなかった。

今日は穏やかで空と海が繋がってミルク色。

波の音に心を委ねて朗読するのはとても心地がいい体験でした。

後でピアニスト竹井さんに、あの曲ひいてあのあたり朗読してた時に、急に波の音が聞こえたんだけど、不思議じゃなかった?ときいたら、竹井さんも同じところで波の音が急に耳に入ってきて、心地よかったと話していました。

ライブのあとで、少し涙ぐんでいた女性の方が話しかけてこられて、ライアーという小さな竪琴を弾いている方で、実はあの曲、大好きで、昨日久しぶりにあの曲をもう一度弾きたい!って楽譜探したところなんで、まさか今日聞けると思わないのですごく驚きました。と喜んでくださいました。

本当にこの仕事をしていて毎回思うのが、出会う人達と、場所によってたくさんのものをいただき、また経験を得ているなーということです。

今回の大切なもう一人の共演者。

この舞台をしないと再会できない方です。

  
なんだろう。

この愛おしさ。

人形じゃない。

子供達の感想にも、白馬を作ってくれて、ありがとう!とありましたよ。笑

 九州またくるね。白馬と一緒に!

 舞台の頂点⁉︎- 2016/01/10 -

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あんな所で出来たんだから、もう世界中どんな所でもできる!

と五代目家元西川古柳さんがいいました。

この一月に九州へ馬頭琴✖️人形浄瑠璃✖️映像「スーホの白い馬」を演りに行くメンバーで稽古。

映像と音楽と芝居と、映像操作する人とのタイミングが難しいところなのですが、毎回やる箱によって、タイミングや芝居が変わらざるを得ない。

そんなこんなで、去年5月に君津で初演してから岡山、札幌と行ったわけですが、岡山でやった3公演の最終日が、私がここでやりたい。。

と言い出した、古民家カフェ。

ええ。

古民家カフェ。

おしゃれな感じありますよね。

古民家なので、土間もあるし畳もあるし、よくそこの土間でライブさせていただいたご縁でしたが、人形浄瑠璃と映像と音楽の、ホールでやる様に作られた作品でしたから、古民家カフェというのは、本当はそこでやろうとは思わないものです。

でも古柳さんの世界中まわった話をいろいろ聞いていると、この人はどんな所でもなんとかしてしまう人なんだな。と私の頭にはインプットされてしまったのでしょうね。

確かに、考えなくても、白馬さんがそもそもあの古民家カフェに入ったら、それで部屋いっぱいになるでしょ。

古民家に馬。の図。

厩。

  
問題はそれだけでなく、私はてっきりスクリーンのある土間が舞台になるのかな、と想像していて、古柳さんに、土間がでこぼこしてますけど、車人形大丈夫ですかね?

と聞いたんですよ。

もちろん、事前に確認していたわけです。

大丈夫だよ。

いつものことですが、古柳さんは軽くそう言いました。

なのに、当日現場入りしたら、えー!土間なの?ここはむりだなー。うーん。仕方ない。客席の一部でやろう。

そこは畳一枚くらいの舞台。。

そして、夏の暑い日。あ、ここクーラー無いんでした。。

白馬が登場したら、

白馬動くスペースありませんでした。。

  
写真で綴る古民家で人形浄瑠璃。

   
 

ところがお客様には大変な評判でした。

   
 それはそう。古柳さんの汗もかかるようなものすごい至近距離で芝居がみれるのですから。

その距離感と舞台の狭さがあり得ない感じだったと、古柳さんは振り返って、出来ると思わなかった。

あれを経験したからもう世界中どんな所でもできる!

と。

私はそれを聞いて、まさか古柳さんの長い世界中の膨大な舞台経験の頂点にきたのが、私がやろうと言い出した古民家だったとは。。。!!

と大変恐縮した次第でした。

懐かしく振り返った所で、

今月の九州公演に想いを馳せています。

さてどんな場所でどんな雰囲気が生まれるのか。

楽しみです。

 甘い話- 2016/01/07 -

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優しくしてくださいね。

昨日のレッスンで去り際に生徒さんに言われた言葉。

おはようございます。

もう昼ですが。

体験レッスンの方が来るんですよと、いつもの生徒さんに話すと、「入ってくれるといいですね。優しくしてくださいね。」

私、怒ったことないはず。。たぶん。。

レッスンというと私は小さな頃より随分いろんな習い事してました。

一番はじめにした習い事は、バイオリン。

割と長く続いたのもバイオリン。

母が言うにはお友達の息子さんのバイオリンの発表会に二歳の頃連れて行ったら、大興奮して舞台に上がりそうになったので、好きなのかもと思って習わせたそう。

はじめに習った先生は、「美炎子ちゃん、あのねぇ。」と困ってるか少し怒ってるか笑ってるか、たぶんそんな先生の雰囲気しか覚えていない。

少し大きくなって久しぶりに先生に会って言われたのは、美炎子ちゃんはよくバイオリンやら弓やら忘れてきてお母さんに怒られてたね、というのと、バイオリンは左手で持つの。というと、右でも持てるよ!と言ってたと言われて、冷や汗。

その少し大きくなった時に習った別の先生は、声を荒げることは絶対ない先生でしたが、にっこりして「へたくそ。」と言ったり、レッスン始まって少ししか弾いてないのに、「練習やってないでしょ。

またやり直してきてね。」とすぐ終わったり、

細かく指示はしないのに、あの全身で聴いてる感じで、どう弾くべきなのか、何が悪いのかわかった気がする。

優しい初老の男の先生だった。大人になっているお弟子さんも子供の私達も一緒のアンサンブルを指揮して、一緒にヨーロッパ旅行も行った。

アンサンブルの名前はドルチェ(イタリア語で甘いという意味)

何しろ甘い響きが得意な先生で、優しく甘く、でも芯がある。

今になって自分の馬頭琴の演奏もわりとこの辺りを目指していることに気ずく。

お稽古にまつわる話はまだいろいろあるなー

先月の岐阜での本番の写真。

なかなか本番の写真が無い。

そりゃ自分は弾いてるのだから仕方ない。

   
   

 ニャーンといったのはだーれ- 2015/12/30 -

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今回の岡山路の寄り道はお伊勢さんと伊賀上野。

ずいぶん古風^ ^

忍者の里だけあって城下町が迷路のよう。

泊まった部屋の窓からは伊賀上野城の天守閣がすぐそこに。

古い町並みを散策していたら、昔ながらの小店の窓からチラッと火鉢が見えて、店構えも中の様子もなんか一回り小さく可愛い。

思わず入って、古いもの達に見入る。

そうしていたら急にニャーンと可愛い声、

いつの間にか足元になんとも真っ黒な毛の塊。

青緑のキラッとした丸い目がついてる。

またにゃーんと可愛い声で鳴いて、頭を撫でてとすり寄ってくる。

イイコイイコしてやると今度は急に狭い店内の棚を高く飛んで天井すれすれの棚の上へ。

そこでまたにゃーん。

忍者猫。

お店のおばあさんが、この猫ね、家のもんには懐かないのにお客さんにはちゃんと愛想よくするのよ。と苦笑い。

しばし立ち話。

この辺りにこんなに古い建物が多いのは、戦火がなかったからだそう。

伊賀上野に落ち着く前には急に思い立ってお伊勢さんへ。

友人が内宮より外宮がおすすめだよ。というので、外宮へ行ってみる。

冷たい空気と境内のしんとした気配がいっしょくたになってる。手を合わせていると白い布がびょうびょう風にあおられて気持ちがいい。

大きなクスノキがいる。

先日は四ツ谷でのライブ。

馬頭琴でどこまでできるかコーナー!

が二部にあり、弾いていてとても楽しかった。またこのメンバーでいろいろ弾きたいな。

オリジナル曲も編成が変わると雰囲気がかわってまた面白い。

宮地楽器渋谷センターと、神田センターの講師という繋がり。

それぞれ活動している内容は全然違うのですが、得意分野を持ち寄っていい具合に合ったという感じ。

今日のブログタイトル

ニャーンといったのはだーれ

という絵本がありまして、もう半世紀以上も昔に父が翻訳したものです。

私にはこの絵本に出てくる子犬の気持ちが痛いほどわかりました。

なぜって私の幼い頃、家にはミミという三毛猫のおばあちゃんがいて、私は彼女に躾けられて育ったからです^ ^

他の猫は私の子分みたいなもんでしたが、このミミにだけは頭が上がらなかった私。

なんであんなに気高かったのだろう。

あれには絶対、乳母かなんかのなんかがとりついてたに違いない。笑

   
 

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