さて、今は瀬戸内の岡山、長船のとある宿におります。
山の中の誰もいない静かなところです。
朝になるとあらゆるセミとあらゆる小鳥のさえずりで目が覚めます。
馬頭琴✖️人形浄瑠璃✖️映像
「スーホの白い馬」
ツアーで岡山に来ているのですが、それはそもそも、去年、今年と共演している津軽三味線奏者の蝦名宇摩ちゃんが毎年福島の親子の保養キャンプを瀬戸内プロジェクトのチームとともに主催していて、保養キャンプ最終日のクルーズライブに出演者として呼んでくれていたのがきっかけでした。
春に岡山で宇摩ちゃんとライブした時に、ある人の、ここにスクリーンあるから、スーホの作った映像見れるよ。という一言に、あ!そうだ!と思ってしまった私。
ライブの時に、こんな演目があるのですが、岡山でやりたいと、つぶやいたら、そこにいらしたお客様に声かけいただいて、今回のツアーの企画が始まりました。
そんな訳で宇摩ちゃんのお陰様で岡山とのご縁ができたわけですが、今日のクルーズライブは、中々ドラマチックな時間でした。
船に乗った直後に土砂降り。
30分時間を遅らせると、一気に雨が止んでから、大きな丸い虹がかかって、あー宇摩ちゃんをはじめ、瀬戸内プロジェクトの皆さん、がんばってきた福島の方々への祝福だなぁと思いました。
夕焼けが綺麗な中、無事出航。
馬頭琴演奏の後はベリーダンスのあさこさん。
その後は福島の子どもたちがフラダンスを踊り、最後は市長が花は咲くを熱唱。子どもたちのフラダンスで幕。
そして、電気を真っ暗にして、船を走らせ、夜光虫が描く緑の光の波を楽しみました。
宇摩ちゃん、瀬戸内プロジェクトの皆さん大変お疲れ様でした!
そして明日から三日間岡山車人形ツアー始まります♪
それから、締めくくりは、2日の夜は美しい星空で有名な岡山の美星町で夜馬頭琴ライブです☆
最近、私、剣のお稽古はじめてます。
以前、和太鼓のサークルに誘われた事があり、とても興味はあったのだけれど、馬頭琴の弓の勘が鈍ると思ったので断念しました。
剣はどうなのかって言ったら、むしろ怪我の可能性を考えたらやらないものだと思います。
剣といえば剣道がありますが、一度も興味を持ったこともなく、時代劇の殺陣のシーンは怖くて見れない。。
前に役所広司主演の映画「13人の刺客」の音楽で馬頭琴を演奏した時、公開されて見に行ったのだけど、初っ端から終わりまでほぼ画面を見ずに終わりました。
自分が弾いたところも、むしろどうでもいいくらい、剣で斬り合ってる音が怖くて、目どころか耳も塞ぐ始末。笑
一度、歌舞伎役者の方が剣を振るうシーンが他の映画であって、殺陣は初めてなんだろうな、という女優さんが微妙に下手だったせいもあったか、ものすごく美しく、見とれてしまったことがありました。
その時に、剣は美しい。となぜか頭にインプット。
そういえば、父に連れられて子供時分に刀の博物館にいってとても心を奪われた事がありましたっけ。
まあ、でもそんなもんでしたが、この数年、何度もここで書いていますが、作家の、あさのあつこさんの描く時代小説が大好きで、特に剣が出てくるシーンがものすごくリアルで、ものすごく美しく、自分は剣の何も知らないはずなのに読んでいて動きや息遣いが完全に見えてくるような気がしました。
あさのあつこさんの表現が素晴らしいからなのですが、これは音楽と同じだなと強く思いました。
音楽の事でよく思っている世界が剣の描写の中に生き生きと描かれている。
そのうちに桜月流の方々にお会いした時に、ホームページで写真を見た時点で、自分の音楽ととても合う気がしていて、何か一つ弾いてください。と言われた時に、パッと思いついたのは、オリジナル曲の「風と空のうた」でした。
あの時に桜月流のお二人が、私が弾きだしたとたんに気配が変わったのが、今でもその感覚が強く残っています。
で、共演させていただいたご縁もあるのですが、むしろ自分の音楽の為に私は桜月流にて剣のお稽古をしたいと思ったのでした。
私は考えると、右か左か全くわからなくなるタイプです。
ある事柄に対して蓋があるのです。
ほんとに!
そうとしか思えない。自分のバカさ加減。。
だから、型を覚えたり、無理だろうと思うのです。
そして、右か左か理解してやるのもたぶん時間の無駄なのです。。私の場合。
ですが、気配や殺気や気配を消すとか、ここで斬るとか、ここで緩むとか、ここで委ねるとか、なんかすごく音楽と同じだと思うのです。
音楽だけでやってりゃいいわけですが、なぜだかどうしても身体を使ってやりたいと思いました。
ただ、諸刃の剣だなと思います。
下手すると生かすところよりも、立ってしまって消されてしまう部分が強くなるかもしれない。
でも、そうなったことに気づければ、戻ることはできる。
というより、短い時間の中でそのやりくりを付けていかないと、音楽の本番は常にあるわけですから、でも、そうやって何かをつかんで、その掴んだものとは、音楽の舞台の上で気づくのです。
そして、失ったものも。
それを次の舞台に修正していく。
そんなやりとりのバランスを今探りながらやっています。
ただ一つ初めて剣を握って、何度か握るようになってから、
馬頭琴の弓を持った時に、涙が出そうになりました。
あー私は今、弓で音楽を奏でられる。なんて幸せなんだろうと。
剣を持つとき、すべての所作はやはり、相手を斬ること。そこが基本です。
この循環がどうなるか、しばらく見ていこうと思います。
でも写真の中で1人全く違う動きをしてるのは私です。。。(-。-;
さて、先日、都の教職員の方々向けに馬頭琴講座を東京音大の関係でしました。
二回続けてあったので、二回目はやり方を変えて、グループで体験してもらい、最初に体験した方に教えて、あとは皆さんで教えあってください。と、ほぼその時間みなさん自身でやってもらいました。
見ていると、流石先生方。褒めるのも教えるのも慣れてるので、私が言ったポイントをはずさずに、次の方に教えて、私は本当に必要ありませんでした。笑
そして、昨日は千葉市美術館のさや堂ホールで、モンゴルのお琴のヤトガ奏者の中西史子さんと初共演。
せりあがる舞台に、響きがあるホール。雰囲気が良く、お客様もたくさんで、楽しいコンサートになりました。
昨日は新橋の内幸町ホールへ
ナレーターやラジオパーソナリティーとして活躍する小川もこさんの朗読をする、けやき会の公演で、去年は同じ公演に馬頭琴演奏で参加させていただきました。
今年はもこさんの語る佐江衆一の「昇天の刺青」に私のオリジナル曲の「龍は嵐を呼んで天に昇る」がぴったりなので、CD音源を使わせて欲しいと連絡をいただき、当日、どんな風になるのか、とても楽しみに出かけました。
江戸の刺青師の話。
女刺青師おたえは、父 彫辰の遺言で、鳶の吉五郎の肌に九紋龍の刺青を完成させていく。「あっしは火事場のあの紅蓮の焔の中で、天に昇る龍になりてえんでさ」吉五郎の本心を聴いた おたえは・・・
もこさんの女刺青師の色っぽい艶声と、吉五郎の江戸っ子のキップのいい語り口、最後に火事場で吉五郎が望んだとおりになる下りには、あーここでこれが登場するかな。と自分の曲が浮かんでくるようで、それがまさにその通りに。。
二人の色事の場面には、ちょうど私がこの龍の曲のこの部分はできるだけ色っぽく弾きたいと、実は思っているところを使っていたりして、流石もこさんだな。
もこさんが、「美炎さんの曲は、この物語の為に書いたのか、この物語は、美炎さんの曲の為に書いたのか、と思うくらいぴったりだった。」
作家の佐江衆一さんは、昼の回にいらしていたそうで、どんな感想を持たれたのでしょう。
私が不思議だったのは、この曲を作ろうと思ったのは、神戸の街を一望できる所に白龍さんを祀っている山があり、偶然そこへ行ったのですが、そこから神戸の街を眺めているうちに、あの地震で倒壊した瓦礫の下で大火事があり、亡くなった人たちもろとも、嵐とともに天に昇ったのかなぁなどと、想い、そう思っているうちに、そんな曲を作りたいと思ったのでした。
初めの嵐のシーンから龍が住む山のシーン。そしてその山で龍がゆっくりと輪を書きながらいるシーンは、なるべく色っぽく。最後は嵐とともに天に昇り、
その後天界で悠々と飛んでいる様を音楽で描きました。
いちいちそう思った部分が、切り取られて、その通りのシーンのところに生きていたので、最後におたえと一心同体の天女が天界に上がるシーンは、またまさにそれで、なんだか鳥肌が立って涙が出ました。
もこさんが、私のライブに来てくださり、この曲を初めて聞いたときに、この曲は、いつか語りたいと思っていたこの物語の曲にぴったりだ!と涙してくれたことを、不思議な巡り合わせだなと思いました。
11月8日九州の大分でけやき会の今回の演目が再演されるそうです。
向田邦子作の「幸福」を語るフリーアナウンサーとしてご活躍の深野弘子さん、
宮部みゆき作の「地下街の雨」を語るのは宮崎在住のアナウンサーの薗田潤子さん、
お二人とも熟練の語りで物語を綴ります。
九州の皆様この機会にぜひ。
もこさんの語る江戸の町。去年ももこさんは「江戸の化粧師」という江戸物語。
もこさんは江戸にぴったりです。
今回の話でも浅草の浅草寺が出ていましたが、先日の七夕は浅草寺を浴衣で歩きました。
八王子へ行ってきました。
八王子といえば、八王子車人形。
ここ最近、散々お世話になっています、五代目西川古柳さんの八王子車人形公演を見に、いちょうホールへ。
「葛の葉」
「釣女」
「東海道中膝栗毛」卵塔場の段
このところやはり大変お世話になっているCGデザイナーの中島菫さんと連れ立って。
で、私達の女子トーク感想。
「葛の葉」古柳さん渋い・・!母の苦悩が涙を誘う。。狐かっこいい!
「釣女」酷いよねーー!!
この話、大名が恵比寿さんに嫁が欲しいとお参りしてお告げを受けて、釣竿を持ち、釣りをして美女を釣り上げめでたく結婚。それを見て、自分もと太郎冠者が釣り上げたのが醜女。で、自分で釣っておいて散々お払い箱にしようとする訳です。笑
「東海道中膝栗毛」卵塔場の段
これは、ずっと笑って見てました。笑
弥次さん喜多さんの滑稽なやり取りのお芝居は、古柳さんの弟さんの西川柳時さんが喜多八。古柳さんが弥次兵衛。
新内浄瑠璃の太夫は人間国宝の鶴賀若狭掾さん。
この方のクルクル回る回る語りと人物の使い分けと、車人形との芝居の掛け合いが絶妙で、思わず見入ってしまいました。
江戸の人達はこんな楽しい芸能を生で観て、掛け合いして、舞台と客席が一つになるような粋な遊びをしていたんだなぁと思いました。
で、そんな素敵な八王子車人形五代目西川古柳さんと、この夏休み、岡山へ行きます!
岡山近辺の皆様よろしくお願いします。
7月29日備前市民センター
7月30日岡山シティーミュージアム
7月31日牛窓町てれやカフェ