4日目
この頃になると、あれ?お日様見てないね〜と車中での会話。
この湾、通ったことあるね〜と、何度もいう。
山田町に移動。
今日は龍泉寺。
津波の時に、避難所、そして遺体安置所にもなったお寺。
こちら岩手三陸のお盆はお盆の期間中毎日お墓まいりするらしい。
松の根元の木を夕方になると玄関の前で炊く。
お墓の前にお鍋に入れて炊く場合もある。
お供えの食べ物も、見たことないようなものが並んでいる。
そんな一年でも一番忙しい時期にお寺でご厄介になる。
ひっきりなしに檀家さんが挨拶に来て、本堂で拝んで、その本堂に少し集まった辺りで、私達の出番。
それを午前中と午後と夜の3回。
お昼はここのお母さんが素麺を茹でてくれた。
シソの葉を細かく刻んだら、だめよ〜シソの葉はね、細かい微塵切りにしなきゃ。
叩いていいのよ。
ものすごく細かくなったシソ。
これがミョウガの細かいのと良く合う。
住職が、お盆のいわれを話してくれた。
そういえばお釈迦様のお弟子のお母さんが地獄にいって、というくだりのその話は、以前深川のお不動さんのお護摩の時にやはり聞いたことがあった。
先祖の霊をお迎えするだけじゃなくて、生きとし生けるもの、全ての霊、精霊だとか、魑魅魍魎なものでもなんでもお迎えする精神なのだそうだ。
本日もアテンドしてくださる今橋さん。
あちこちのお寺に顔がきくと思ったら、在家のお坊さんでもあるらしい。
今橋さんの生き字引ぷりは、度を越すので、それも話が(長いけど)うまい、というか、なんか愛情があるので、入ってくる。
(あ、聞き流してる時もあります。小声)
なので、ものすごく好奇心があり、おそらく、今今橋さんが話しているこのことは、本人が知ったその時に感動をもって、知り得た話なのだろうというのが伝わる。
聞きたい時にはずっと聞いてたいし、そんなに知りたい事でもなかった場合には、ストップボタンがあったらいいのにと思う(失礼な)
そして、この日には今橋さんの同級生のご夫婦が合流。
奥さんが同級生で、旦那さんは先頃東京農大で森林生態を教えていて退職した方という。
なんと。
私は東京農大は二年間在籍していて、中退したのだけれども、ほとんど勉強せずに探検部にいた。
たまに、この仕事をしていて、音大を出たのですか?と聞かれることがあり、いえ、農大でした。
というと、え?とびっくりされる。
最近はそこに、前田さんも農学部の林学出身なんですよー。
と、質問した方はダブルで驚く事になっている。
私は本当は森林生態学がやりたかったのだが、当時バイオが主流で、生態学の先生がいないと言われた。
今回合流する中村幸人先生が、私の在学の頃にいたら、話が違っていたかもしれない。
中村先生にお会いして、なんていうか一言でいうとアイヌの長老?のような風貌。
なんかこの方は知ってる気がする。
と何度も思う。
少しお話しすると、私は探検部にいたということと、中村先生は、探検部の顧問だったということが判明。お互い、やっぱりなと思う。笑
時期がずれているので今回が初対面なんですけど。
今回はこの日限りでしたが、また絶対お会いすることがある気がします。
そしてもう一人合流したのが、西美紀さんの友人。
広島の宮島から来ている。
西美紀さんというのは、6月に前田さんも含めて3人で岩手の遠野に旅した彼女だ。
彼女と私の出会いは、彼女の馬の作品をネットで目にして、メッセージ送った事に端を発する。
長崎の彼女が、三鷹のギャラリーでやるから、遊びに来ませんか?と声をかけてくれたので、会いに行った。
小一時間ほどお茶をした。その時、遠野いいよー。馬好きなら遠野おすすめ。と言ったかもしれない。
次の年やはり三鷹での時に会いにいって、お茶したときに、美紀さんが、遠野に行きたい。一緒に行きましょう。
ちょっとお茶したことがあるくらいの仲でしたが、いきなり一緒に遠野へ行くことに。
ガラス絵作家の児玉房子さんを美紀さんに紹介したいと思った。
またあの山の上の荒川高原牧場へ行きたいと思った。
運転疲れるという下心もあり、前田さんを誘うと、やはり前田さんも去年の遠野の旅がとても心に残っていたとみえて、また行きたいと思ってくれたので、決まった旅だった。
本当はもう一人いたんだけど、そもそも、もう一人行くと言った友人が、遠野へ行く夢をみた!というので、なんか分からんけどそれなら行くか!と、あまり仕事がらみでなく旅に出ることが最近では無いので、少し躊躇していたのだけれど、ならば!
となったわけです。
そしたら、美紀さんが、三鷹のギャラリーのオーナーの知り合いで、最近花巻に移住したご夫婦がいて、その方たちが、泊まってもいいと言ってくださってるらしい。と、
え?三人もいいのかしら?
よく聞くと、舞踏家の方らしい。
どんな踊りの人?ときくと、美紀さんもよく知らないらしく、白塗りでふんどしで踊る人らしい。。
???のまま、3人で岩手への旅に。
このくだりは、6月まで遡っていただきますと、ブログに書いてあります。
ざっというと、荒川高原牧場で、太田さんと初セッション。
それから盛岡の石雲禅寺さんにより、宮沢賢治記念館などまわった旅でした。
奇しくも、五月に亡くなった、遠野在住のガラス絵作家の児玉房子さんと、6月に亡くなった、最後まで宮沢賢治の銀河鉄道の夜の研究を続けていた父の慰霊の旅でもあったように思うけれど、それがこの夏のお盆のツアーに繋がっていたわけです。
長くなっちゃった。
で、美紀さんの友人は、そもそも宮島で画家をしている方の奥様。
とても若くて、いわきが実家ということで、こちらへも足を伸ばしたということでした。
夜には皆さんでワイワイと。
このお寺のお母さんが若い頃に井上靖に会った話など、話が面白く多岐にわたり、今橋さんの柴犬の話などまた面白く、書くと書ききれないので断念。
そういえば、夕方にお寺の境内でひとり電話をしていた時に、坂の下のお寺の門の前にやけにデカイバイクから、デカイ男の人が降りてきて、旅の人かな?とぼんやり見ていると上に上がってきて、あちこち見て回った末に、馬頭琴コンサートの看板を眺めている。
外国の方で、なんとなくロシアの人かなと思った。
電話をしながら、電話が長引いていたので、やっと終わると、とても流暢な日本語で、馬頭琴のコンサートがあるのですか?
この舞踊は暗黒舞踊ですか?
と私も知らないことを聞いてきたので、とにかく夜のライブにお誘いする。
後で太田さんがロシア語でこの方と話していたと聞き、太田さん何者?となりましたが、セルゲイさんというロシアの方も夕飯を一緒に。
東京で仕事をしているという事だったので、またライブなどでお会いできるかなと思いました。
楽しい夜はあっという間に更け
その夜はお寺に泊まらせていただきました。
田野畑村。
今橋さんという田野畑村役場に勤めてる方が、この日1日山地酪農や、役場訪問、午後の2公演とアテンドして下さった。
この今橋さん。
何を聞いても答えてくれる。
生き字引。
そして終わらない。
質問をやめなければ、たぶん次の日の夜まで話してくれるだろうと思います。
話は分かりやすいし、何でも知っているし、本当に聞きたければ、本当にずっと質問して聞いていたい。
ただしうっかり聞くと、そんなに聞きたいことじゃなかったなと思うわけです。
田野畑村の役場では今橋さんと村長さんが田野畑村の歴史などいろいろ話をしてくださる。
一揆の話はもうちょっと詳しく聞きたいところでした。
おいしい田野畑村の飲むヨーグルトをいただいて、次は今橋さん超オススメ!!!
の山地酪農さんへ
まずは道の駅で山地酪農のソフトクリーム。
今橋さんはこの道を通りかかる度に、必ず!必ず寄って売店のおばちゃんと話しながらここのソフトクリーム食べるのだそうです。
美味しすぎました。
自然の甘さ。
ふんわりしていて、自然の甘さとコクがある。
でも爽やかで軽くて、なんていうのかな。
新鮮で優しい味のミルクを食べてるみたい。
ストップしなければエンドレスで食べ続けられると思います。
自然の山の地形をそのまま生かして、日本芝を植え、牛は自然のままに放し飼い。
夕方になると自ら乳を絞られに牛舎へ戻ってくるのだそう。
幸せは自然の美味しい味になるんだなあ。
雨の中少しだけ牧場とお宅に訪問して、時間も無いのでおいとまする。
高校時代の畜産部だった経験と、修学旅行で行った北海道の酪農実習とか色々思い出して、もっといろいろお話聞きたかった。
し、久しぶりに搾乳とかしたくなってしまった。
公民館での公演は、山地酪農のご家族も来てくださり、ツイッターで知り合った方がなんと3時間かけて山越え来てくださったり、あっという間の楽しい時間でした。
太田さんの友人のカメラマンが同行してこの公民館での公演は撮影してくれました。
そちらの写真は今回うまく取り込めなかったので、また何かのおりにご紹介できればと思います。
さて夜。
島越駅にて公演。
津波で流されてしまった駅舎は新しいもの。
駅長さん、村長さん、子供達も来て、
夜は今橋さんがホテルの温泉とお食事に招待してくださり、三陸の味を堪能しました。
そして夜は田野畑村の宝福寺さんにてお泊まりさせていただきました。
こちらの若い住職さんには16日の送り盆でまたお会いする訳ですが、今橋さんより、お寺の歴史を数年分聞きまして、ありがたい気分になり就寝。。
あら、10日以上居ないのに、咲いちゃったのかと思ったのは束の間、咲いて送り出してくれたのかと嬉しくなる。
というか、これ植えた覚えないのだけれど。。
単に忘れてただけならごめんね。
期待に反して二日目の三陸も雨の音から。
それも止む気配なしのダーダー降り。
ま、どうなるか分からないけれど向かいましょう。
焼きおにぎり。
お腹あったかくなって出発。
新しくオープンした大船渡の商業施設スペースで行われる大船渡国際芸術祭。
私達は、舞踏枠のフリンジ枠で、外の通路や芝生の広場をなんとなく自由に使う感じ。
あいにくの雨なので、お店の軒下の通路で。
それから
それから若いダンスグループ
タップは中山貴踏さん。
若いダンスグループは東京舞踊団。
赤いドレスは愛和気さん。
この湿気で電源もなくマイクなしだったので、果たして馬頭琴は鳴ってたか不明ですが、いろんな踊りを見ながら半分お客さんで弾いてた感じの一時でした。
この方はタップの中山さんと息ぴったりでした。
いいなー。
音が響かないので、早々に半ば諦めて楽しく見ながら、最終的に全員踊ったところで、やみくもに弾いて遊びました。
イクラが美味しすぎでした。。
元々田老の子。
訳あってこちらのお宅に引き取られ、前田の仁(ジン)さんと気が合ったもよう。
いつまでもいつまでも遊んでましたよ。
美炎-miho-馬頭琴コンサート | |
日時 |
2017年9月29日(金) 開演 12:10~12:50 |
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会場 |
稲毛区役所1階市民ロビー 千葉市稲毛区穴川4-12-1 ℡043-284-6111 |
出演 |
馬頭琴 美炎 キーボード 竹井美子 ドラム・パーカッション 前田仁 |
チケット |
無料 |
チケット販売 お問い合わせ |
稲毛区役所地域振興会 ℡043-284-6105 chiikishinko.INA@city.chiba.lg.jp |
雨の中巡った岩手三陸ツアー。
普段一台の車には運転席に主にドラムの前田さん。
助手席では気づいたら裸足で足を自由にしている私と、その後ろの席で荷物に埋まるギリギリのところで、でも落ち着くのと、ほとんど寝てる気がするピアノの竹井さん。
本当に、全部ここに入るの?とどこへ行っても目を丸くされ、今まで何人かの方に、金持ちだったら大きな車プレゼントしてあげたいと言われるほど、沢山の楽器たちと共に三人でどこへでも。
今回はその竹井さんが都合つかず、前田さんと二人。
それでもこのツアーの最終地点、長野では竹井さんと合流するので、岩手で使わないドラムもキーボードも積み込んだまま、相変わらずぎゅーぎゅーでの移動。
今回の旅を企画してくれた舞踏家の太田直史さんの住む花巻を目指す。
といっても、前日の夜まで新橋でレッスンのある前田さんを私が夜に拾って、そこから、ほぼ前田さんの運転で花巻まで。
朝着いて、しばし太田さんのお宅で仮眠。
ほとんど車の中で寝ていた私は大分復活。
海の盆の会場田老までの道のり途中、少し寝たから大丈夫と前田さんが運転を始めるも、程なく大あくび。
運転チェンジで前田さんは早速大いびき。
いびきを聞いてるうちにやはりこちらも眠くなってきたので、思いつくかぎりに歌を歌いながら運転。
だんだん思いつかなくなってくると、いつの間にか賛美歌。
高校時代毎日朝夕の礼拝で歌っていたので、ふと出てくることが多い。
歌ってるうちになぜか涙が溢れてきて、すっかり泣いた頃に田老についた。
海の盆も幾つかのステージは終了しており、段取りを確認すると出番までは軽くお昼を食べようと、会場をウロウロ。
ワカメのてんぷらやら、魚のベーグルバーガーやら、珍しいものをつまむ。
そして会場の外で小さく開いているお店でお蕎麦にメカブトッピング380円。
これがうまい。
メカブってこんなに美味しいものか。蕎麦と合う。
春先に柔らかいメカブを収穫、冷凍しておいて使うのだとおじさんが教えてくれる。
冷凍とは思えないトロトロできゅっきゅしていてツルツル入ってしまう。
この後このツアーの中で、田老を通りかかるたびに、トイレに行きたいです。と前を走る太田さんの車に乗っている奥さんの美有さんに電話して、止まってもらい、トイレついでにメカブ蕎麦をすする。
はい。
このツアー、次の目的地まで三時間。ということが割とあって、つまり、地図の上下に行ったり来たりした訳で、岩手の大きさと、三陸の長さを身をもって知るのでした。
海の盆田老。
風がよく吹いていた。
ステージの上は風が吹きわたる。
雨は止んだ。
こんな現場がとっても多いので、やっぱり楽譜はない方がいい。
ピアノの竹井さんはそうはいかないのでいつも風と悪戦苦闘だ。
前田さんも遂に暗譜して楽譜要らず。
太田さんはというと、
津波の時に田老という地名は沢山のニュースで幾度となく聞いた。
三人でのマグノリアの願いの曲の後で、津波のあった時刻に合わせて、献花、黙祷。
終わって、車に乗り会場を出た時に、海沿いの通りは携帯ナビでは真っ赤な渋滞。
え?なんで?海沿いの通りは車一台いない。
何度見てもきっちり海沿いの通りは渋滞表示で真っ赤なまま。
田老を出る。渋滞表示もなくなった。
ニュースを思い出す。津波から逃げる車は海沿いで渋滞になったまま、波が押し寄せてくる。
今夜の宿泊は三陸駒舎。
南部曲がり屋でお馬さんが二頭いる。
子供達の笑顔のためにお馬さんセラピーをしているのが三陸駒舎。
なんと奥さんと娘さんは去年の遠野での馬頭琴ライブに来てくれていたという。
馬と暮らすまち遠野代表の伊勢崎さんとは、あちこちで共通の知り合いがいたりして不思議。
川の音と雨の音を聞きながらぐっすり寝る。