実は4回目の台湾。
一回目はもう随分と前に内モンゴルの馬頭琴アンサンブル野馬で台北の国家歌劇院で演奏した時。
故宮博物館に行ったくらいかな。
あと台北の街を一人でぶらぶらした。
それからダイヤモンドプリンセスの豪華客船の旅に講師として乗船して、台湾の花蓮へ二回。
いずれも日帰りでした。
その花蓮の日帰りで、タクシーにのって、山間の湖へ行った時に、更に奥の山へ繋がる道路をみて、いつかこの山の奥へ行きたい。と思った。
その山奥へ繋がる道に訳もなく入り込んでみたい。
今日じゃないんだなと思い、船に戻る。
さて前田さんと二人、成田からバニラエアで台湾の桃園空港に着いて、とにかくお昼を食べよう!
一階のフードコートへ行くとお昼時ということもあり、混んでいて空いてる机がないし、通路も人と荷物で溢れてる。
日本だとすぐに諦めるのだけど。
なんとか空いた二つの席に荷物と前田さんをねじこんで、通路の端にカートを置く。
前田さんはしきりと、ここ置いちゃまずくない?大丈夫かな。と気にしていたが、中華圏にくると図々しくなる私。
大丈夫、大丈夫〜!
とりあえず先に見てくるよ!とフードコートをまわる。
よく見ると韓国料理だったり、日本料理だったり、東南アジアの料理だったり、台湾のお店を探すとあった。
あれは花蓮で食べたるーろーふぁん。
ゲットして席に戻る。
一目見て前田さん、僕もそれにします!
多分何も言わないと、東南アジア料理あたりを買ってくるだろうなと危惧して、それはそれでいいんだけど、最初のご飯はやっぱり現地の味がいいよね。
色んな種類あるから、写真みて番号で言えば大丈夫。
というと、結局全く同じものを持ってきた。
空芯菜にもるーろーふぁんと同じ肉味噌がかけてあって美味しい。
桃園空港の中。
そこから花蓮まで飛ぶ。
松山空港にて。
きゃわいい。
前田さんが、これはガンダム立ちだと自分でお気に入りの写真です。
何を言っているのか分かりませんが。
太田さんと他に三人の台湾の方がお迎えに来てくれている。
楊さんとリュウさん夫妻。
田舎の町だから夜8時にはお店が閉まる。
ちょっと車で探したところにあった小さなご飯やさんで、歓迎会。
隣の白い帽子が奥さんのリュウさん。
左が島から来たマコさん。
歯ごたえしっかりしているけれどぬるっとしていて美味しい。
日本では食べたことない。
麻婆豆腐なんだけど、小さな牡蠣がゴロゴロ入っていて美味しい。
タケノコの季節。
と思ったら、なんとこれ、イカの皮。
確かにナマコではない。
右の大きな魚の切り身が甘くて美味しい。
お魚のすり身のスープ。
マコさんと太田さん。
そうそう、前田さんの隣にいるのは阿宝さん。
阿宝さんとリュウさんは二人とも絵描きであり、それぞれに劇団を主宰している。
リュウさんは劇団は今はしてないが、旦那さんの楊さんはテレビ局でドキュメンタリーを撮っていた人。
今は大学の先生らしい。
そんな事も旅の途中で徐々に分かるのだが。
楊さん夫妻は40年前に日本に三年留学していて日本語が上手。
あと皆さん英語が達者なので、中国語と英語と日本語が入り乱れ、酔うと余計に。笑
前田さんは私に向かって一生懸命英語で話すし、私も徐々に中国語を思い出し、楽しい食事会はあっという間。
明日の夜の公演の場所を見に行こうと言う事で寄る。
琴というお店。
琴はここのおばちゃんの名前が元々、月琴なので。
でも月琴の音色は悲しすぎるから琴にしたらしい。
確かに月琴の音色は悲しすぎる。
花蓮は大理石の産地らしいが、お店の床は大理石で、カウンターも大理石だった。
靴を外で脱いではいる。
石の床が素足に気持ちいい。
懐かしのレコードが沢山置いてある。
みんながお茶を飲みに来るお店だ。
この店の周りもその頃はとても賑わっていたそうだ。
ここのおばちゃんも日本語が話せた。
ホテルに戻る。
玄関前に野良ちゃんなのか、飼われているのか犬が二三匹寝ている。
おやすみなさい。
そのお店に着くと、入ったすぐ横に台湾のこの海のほとりで、おばあさんの顔が海辺のフジツボや虹色の海藻になっている絵があった。
すごくどきっとして見入る。
ちょっと怖いような、でもファンタジーを感じるその優しい色使いとタッチにゆだねたくなるような。
ふと部屋の向こうに海へと通じるデッキがあるのが見える。
他の絵や素敵な雑貨の前を通り越してすいよせられるようにデッキへ。
小さな浜辺と太平洋。
そして緑島がうっすらと見える。
強い悲しい感情が湧き上がり、泣きたくなるのをこらえる。
ふーと軽い涙が流れるようなというより、もし自由に泣いたら嗚咽するんじゃないかと思ったからだ。
店に着く直前に向こうに見える島は何?と聞くと、この台湾ツアーを引率してくれている楊さん夫婦が、昔は政治犯の牢屋があった島だよ。と話してくれた。
その時悲しい気持ちになったので、それが影響してるのかもしれないとも思った。
自分でも知らない何かが心の奥から飛び出してしまった感じだ。
泣いてる意味がわからないのにないてる。
と思いながら海を眺める。
泣かないようにしてるので顔がにらんでる。笑
前田さんは、僕は台湾に来てからすごく楽なの。
この楽なのは何だろう?と思うと、祖先はこっから来たんじゃないのかって思ったの。
と言っていた。
台湾に来て4日目の午後。
この辺りは幾つかある台湾原住民のアミ族の人達が多くいるところ。
旅の途中でアミ族の人やタロコ族の人や何人かに出会ったり同行してもらったりしていた。
今夜はこの旅の最後の公演。
ヨガスタジオでやる。
どんなところか、どんな人たちがいるのか、いつも知らないままにこの4日間小さなものも含めると7公演。
舞踏家の太田直史さんと巡っ達去年の夏の岩手三陸お盆ツアーを思い出す。
あのツアーも1日に何箇所かを移動しながら、次は一体どんな場所でどんな人たちと出会うのだろう?と思いながらだった。
岩手の時は、今橋さんが、台湾では楊さん夫婦が、アテンドしてくれていたので、太田さんも分かってる部分と知らない部分とあり、私達も知らなくてもそれはそれで面白いじゃない。という感覚でまわっていた。
モンゴル、中国で何度か公演している経験から、色々な事が想定外だったり、予定が決まるのが間際だったりは慣れている。
今回の台湾ツアーも、当初は去年から別の日程を長めにおさえていたのだが、今年の早春に別の日程に変わったために、長くは参加できず、なんとか5日間確保ができた。
太田さんを筆頭に、馬頭琴の私、パーカッションの前田さんと三人のパミールの花。
そもそもパミールの花というのも、去年の三陸お盆ツアーの初日に田老でのイベントで、団体名を付けてくれと書類上の話だった。
太田さんが2つの名前を考えて送ってくれた。
一つは忘れてしまったが、ちょっといかつい感じがして、それはそれで雰囲気あるような気もしたけれど、そもそも私がその漢字が読めなかったので(笑)
誰もがすぐわかるパミールの花を選んだ。
それがこうした台湾でパミールの花として迎えられているのが不思議なような、どこかで当然の流れのような気もしていたりして、それも不思議。
不思議ばっかり。
いいんだよね。
不思議で。不思議って思うことで何かがふわっと大事にされる感じがする。
これは黒か白か、何であるという結論つけてしまうより、不思議。と言って丸く包んでしまうのが好き。
だからいい加減大将なんだけど。
さて台湾1日目に戻りましょう。
先に行っている太田さんを追いかける形で前田さんと二人、成田から飛び立つ。
その朝にどうしても会いたいと、最近懇意にしている方が駆けつけてくれた。
これからおおきな手術をする前にどうしても会いたかったし、自分も入院する前に3日くらい旅に出ようかと思う。
と成田にスーツケースを持ってきていた。
北海道にもいけるし、沖縄にもいけるし。
沖縄がいいんじゃない?とか話しながら、それでは行ってきます!と。
また会おうね!
と言って。
人が出会うタイミングって何でこんなにパーフェクトなんだろうと思う。
おおきな意図が働いているとしか思えないことが次々にあると、もう焦ったり不安になるのは馬鹿げた事だと思うようになる。
私には私の今の課題というのが幾つかあるが、課題が見つかると、解決しようとやっきになるが、いつか解けていくんだと、ゆるりとしている方がこんがらかった糸の目が逆にきつく縛られたり、余計にあっちに転がり、こっちに転がりして大きくなってしまう事がない。
ゆるりと構えた方がいつのまにか緩んで解けていくんだろう。
そううまくいくときと、やっぱりやっきになってしまう時ってあるんだけどね。
そういう時は一時停止だ。
台湾に来てから何度か海は見ているけれど、この浜辺から見る海は、あれだ。
もう8年くらい前に沖縄の島へ行った時にずっと頭に流れていたメロディー。
それで作った「海をめぐる第1章」
それが再び流れ出す。
今度の神楽坂での自主企画ライブに(だいたい一年に夏と冬の二回くらい自主企画ライブしてます。何が違うかというと、オリジナル曲をたくさん弾くので単純に曲数が多いのと、演奏メンバーが増えるのと、映像なんかも色々使ってやりたいことやってる感じです。)
この曲をやろう。
続く。
7月27日金曜日夜
夏の銀河夜行💫
今年に入り、アリゾナ、台湾と旅して7月8日は南相馬市と旅が続きます。
どこも自分の感覚を心地よくおしひろげ、想い出や感動を音に繋げたくなります。
音楽はシェアだなと最近思います。
私という個人が、大きな歴史を持つ土地や、沢山の物語を持つ人たちに出会うことでそこから伝えてもらったものを音や話を通して同じ空間の中でシェアする。
まるで共にトリップするような感覚がうまれたとしたらすごく素敵な事だと思います。
いつものピアノ竹井美子、ドラム・パーカッションの前田仁と、そして銀河夜行ライブでは欠かせない存在になっているベースの山田章典が今回はウッドベースも持って参加。
選曲も楽しみながら、銀河夜行ライブでしか聞けないプログラムでたっぷりお届けします。
夏の盛りの宵に、銀河夜行へご一緒に。
今回は神楽坂にあるクラシックのライブでもよく使われている、音の美しいTHE GLEE にて。
立ち見なしの定員55名。
お酒やお食事とともにゆっくりお楽しみいただけます。
要予約です。
お早めに♪
予約電話03-5261-3124(平日10:00〜18:00)
東京都新宿区神楽坂3-4
AYビルB1F
THE GLEE
18:30開場19:30開演
ミュージックチャージ予約4000円 当日4500円
飲食代別途/予約制/先着順自由席
馬頭琴 美炎
ピアノ 竹井美子
ドラム・パーカッション 前田仁
ベース・ウッドベース 山田章典