インタビューに限らず、はじめての人と話していても、だいたい質問される内容は決まってくる。(私が馬頭琴奏者という事を相手が知っている場合に)
だいたい答える内容も同じになってくるわけだが、今日のインタビュアーは馬が合ったのかな、ちょっと違った。
特別ユニークな質問が来たわけではなく、聴き方が独特とかそうゆうことでもなく、私も話していて楽しくなってしまって、いつもよりたくさん話したせいでだいぶ時間がオーバーした。
自分の中での当たり前の話が、新鮮なストーリーになって目の前に立ち上がってきた。
大袈裟にいうとそんな感じ。
とても面白がって聞いてくれたからかもしれない。
そんなふうにちょっと感動した時間だった。
色んな質問に答えても載せられる紙面は限られているから、自分で面白いなと思った事の一つをより詳しく今ここで紹介しても大丈夫だと思う。
馬が好きだから馬頭琴やったというなんかもう自分の中では聞かれるたびに話している答えなので、手垢がついてるかのごとく、もはや答えてる分にはなんの感動もないのだが、今日はちょっと違った。
子供時代からの今までの流れも色々話しをしながら、当然私の中では馬が好きという話題にはどこをどうしたってたどり着くのだが、
馬の話も一通りした後で、
美炎さんにとって馬頭琴はどんな存在ですか?
って多分質問だったような気がする。
例えば馬頭琴ってどんな楽器ですか?
魅力はなんですか?
と言う質問は今日もあったし、他の取材でもよくある。
どんな存在か聞かれて、はたとケースの中に置いてある馬頭琴を見た。
馬がついている。
さっきまで馬が好きとか、どうして馬が好きだったかとか色々話をしていた。
楽器に馬が付いてなかったら当然この楽器はやっていない。
馬がついてるからと言う見た目の事だけではなく、
楽器を弾いて一体になっている時、自分は馬と一つになったようなそんなふうに感じて慰められる時がある。
馬が飼いたかった子供時代、恋焦がれても叶わないせつなさが常にあった。
馬に自由に乗れない今の環境では、やはり同じような気持ちもあるのだが、馬頭琴で馬の曲を弾くたびに馬に乗ってる気持ちになって慰められる。
馬に乗ったー!という満足感だと思っていたが、どうやらこの切ない気持ちが慰められているようである。
なぜか馬のことを考えると心の奥がキュッと切なくなるのだ。
だから何よりこの馬頭琴と言う楽器が好きだ。
どんな時でもこの自分が今使っている馬頭琴以外は弾かない。なぜならこの楽器の音色が他のどの楽器より好きだからだ。
多分自分には大好きな馬がいて、どの馬よりも好きで、その馬にしか乗らない。みたいな感覚かもしれない。
この馬だったらどう走るか、どうすれば一番美しいか知っている。
そしてこうしたいと思った方向にいくし、気持ちと音が一つになる。
馬頭琴には馬のスピリットが宿ってるのかもしれない。
宿しているのは私かもしれない。
美炎さんは馬が好きだから馬頭琴に出会ったというよりも、馬頭琴に選ばれて馬が好きになったのかもしれないですね。
と最後に言われた。
そんなふうに思った事は無かったが、どうやらそれくらい私にとって馬頭琴という楽器は因縁があるものだったのかもしれない。
チケット発売は7月30日より
■2022年10月22日(日)
☘️とみうら元気倶楽部さざなみホール☘️
13:30開場
14:00開演
馬頭琴 美炎
キーボード 清瀬祥吾
ドラムパーカッション 前田仁
要予約2500円
千葉県南房総市富浦町原岡88番地2
■2022年12月23日(金)
☘️美浜文化ホールメインホール☘️
18:30開場
19:00開演
馬頭琴 美炎
ピアノキーボード 清瀬祥吾
ドラムパーカッション 前田仁
スペシャルゲスト登場予定
アニメーション作画 米本久美子
アニメーションデザイン製作 中島すみれ
ichikiro
前売り4500円
当日5000円
学生3500円
未就学児の入場はご遠慮ください。
千葉県千葉市美浜区真砂5丁目15-2
🌿10/22さざなみホール🌿
🎫チケット予約
info@miho-batokin.com
070-1274-2688(西郷)
🌿12/23美浜文化ホール🌿
チケット購入方法
🎫e+チケット
■購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/3682010001-P0030001
🎫美浜文化ホール
電話043-270-5619(10:00~18:00)(第3月曜休)
窓口10:00~18:00(第3月曜休)
美浜文化ホール
■購入ページ
コンサートに関するお問い合わせ
info@miho-batokin.com
070-1274-2688(西郷)
2011年の2月に旅したセドナで出会った物語。
それはホワイトバッファローの伝説というお話でした。
この旅の初めにお土産屋さんに入って何気なく色々なポストカードを見ていました。
ネイティブアメリカンの世界は昔から好きだったので、どの絵も素敵だし、何か買いたいなという気持ちで見ていました。
ふと気になる絵を見つけてこれはなんだろう?とじーっとポストカードを持ったまま見ていると、ガイドのナナさんが後ろから、それはホワイトバッファローの伝説というのよ。
スウェットロッジを旅の最後にやるけれど
その時に語られるお話だよ。
と教えてくれました。
その偶然にちょっと惹かれるものを感じながらそのポストカードを買いました。
旅の最後でスウェットロッジをやる前にティピの中で聞いた物語は体の中に染み込んでくるような感じがあって、日本に帰ったら、ホワイトバッファローという曲を作ろうとその時思いました。
日本に帰ると間もなく東北の震災がおこり、曲を作ることは棚上げしていました。
震災のチャリティーCDを製作したりと忙しくなり、どんどん後回しに。
それでもずっと心には残っていました。
ふと物語をもう一度よく知りたいとセドナのナナさんに頼んでナナさんが翻訳したものを送ってもらって読みました。
あのティピで聞いた時よりも震災の後に聞いた物語はリアルに自分の中に入ってきて、これはいま作らなくてはと思いました。
おそらく2ヶ月くらいでストーリーに沿って7曲作ったのですが、その間、自分は何をどう生活していたのか面白いくらい記憶がありません。
ぼんやりして曲のイメージを掴もうとしていたりと、製作過程は思い浮かぶのですが、自分がご飯を作ったり、何かの家事をしたりという覚えがなく、一緒にいた家族と何か会話した記憶もなく、ただならぬ気配に家族も近寄らなかったのではないかと思うのですが、そのくらい没頭していました。
ホワイトバッファローの作品はバンドで演奏したいというイメージが最初からあったので、いつも曲を作る時のように馬頭琴のメロディーだけ作ってという訳にもいかず、
どんな楽器がどんな風に入ってどんな背景になるかということも珍しく突き詰めて考えることになったので時間がかかりました。
もちろん毎回編曲に携わってくれている竹井美子さんに相談しながら、ここはこんな感じにしたい。
このメロディーは馬頭琴じゃなくてエレキギターがいいなどと言いながら、竹井さんに何度も楽譜を書き直してもらうというやり取りがありました。
あの頃はお互いアナログだったので、やりとりそのものが手探りでした(笑)
普段はふとした時にメロディーが湧いてきて、それを一気に歌い上げて一曲完成してしまうのですが、ホワイトバッファローの伝説の作品に関してはその手法で作ったのは最後の7曲目の「祈り」だけでした。
馬頭琴、ピアノ、ギター、ドラムの編成でライブで初演したものをCD製作の時には、より自分のイメージに近づける為、シンセサイザーを使って色々な音色もプラスして更に拡がりましたが、逆にライブの時にCDの内容のものと違ってしまうという事もあって、なかなか全曲演奏が難しく、そうこうしているうちに今になりました。
コロナ禍
戦争
そんなことがある度に、ホワイトバッファローの伝説の話を思い出しました。
やっぱり今の世の中に必要な物語なんだと思います。
せっかく作ったこの音楽作品をどうしたらもっとよりいい形で皆さんにお届けできるか。
初演から11年、色々な素晴らしい出会いがありました。
その中の一つは中島すみれさん、米本久美子さん親子です。
岡山の牛窓、照れ屋カフェという小さなカフェに、当時今は亡き父がお世話になっていたご縁からライブをする事になり、お店に行ったところ、前日まで展示会をする事になっていた米本久美子さんがいました。
馬頭琴聴いてみたかったという事であったか、1日撤収を待ってくれたおかげで、私は久美子さんの絵に出会いました。
ネイティブの世界を描く久美子さんの絵はカラフルで暖かく、ユーモアや愛嬌も感じられ、それでいて一枚の絵に物語を感じるような素敵なものでした。
思わず、ホワイトバッファローの話をしたのを覚えています。
久美子さんが、私は岡山だから美炎さんとは遠いけど、娘のすみれが関東にすんでるから、是非会わせたい。
という事で、久美子さんは東京で展示会をするから店の場所を探すのにすみれとあちこち見るの。美炎さんにも展示会で演奏してほしいわ。
ということでご一緒することに。
すみれさんは会ってすぐにお互いの手帳がイタリア製の馬の絵柄の全く同じもので、思わず運命の出会いじゃん。と思ったのでした。
今描きながらそういえばそうだった!と思い出したのですが、久美子さんのこの時の展示会でホワイトバッファローの伝説を演奏したのでした。
すみれさんは3Dゲームのデザインをしていて、私のCDジャケットやチラシのデザインなど毎回お世話になっているのですが、八王子車人形とのコラボレーションのスーホの白い馬でも、久美子さんに白馬の絵を描いてもらってすみれさんにアニメーションデザインしてもらい、その白馬の映像に合わせる形で車人形さん演じるスーホと、馬頭琴の演奏で物語を上演したのでした。
ホワイトバッファローの伝説をアニメーションにする。
久美子さんに描いてもらってすみれさんにデザインしてもらい、それを巨大なスクリーンに投影してその前でバンドで演奏したい。
という妄想がとまらず、あれやこれやと画策。
今回大切なお知らせがあります。
と題したのは、ようやくそれを上演できる手筈が整ったのです。
久美子さんすみれさん親子の他にも出会いは沢山ありました。
この6年ほど関わってもらっているドラムパーカッションの前田仁さん。
どんな曲の世界観にも欲しい音と盛り上がりを作ってくれるので言う事なしです。
ライブでお目にかかる客さんにも至って好評で、前田さんのファンなのと私に言ってくる人がけっこういます。
みなさん、美炎さんはもちろんなんだけどね、前田さんの演奏が好きなのよー。と。
そして曲に関してももっとこうしたいんだけど、どうしたらそれに近づけるか?というところの汲み取りが早く的確で、あ、そうそう。そうなの!!
という回答をくれるので本当にありがたく、またそれを他の共演者に伝えて曲をより良いものにしてくれるのでもはや編曲者とも言える。
そして前田さんが紹介してくれる形で出会ったのがピアノの清瀬祥吾くん。
ものすごい器用で、まあなんでも知ってるなんでもできる。ってこんな人のことを言うんだね。という人材です。
私がありがたかったのが、竹井さんが編曲してくれたピアノ伴奏のものを、こちらのあーしてこーしてという注文をシンセサイザーでプログラミングして壮大な世界観を音にしてくれるので、あーこんな感じの背景にしたかったというのを体現してくれ、それをライブでも演奏可能な形にしてくれるので、ホワイトバッファローの伝説の作品も、CDより更に壮大なオケが出来上がっているのと、ちゃんと再現できるという所では、これらのどの出会いが無くても今回は不足だったなと思うのです。
そのような意味では再演に時間がかかったのは当然であり、今まさに。という時を迎えているのだろうと思います。
年末に、このホワイトバッファローの伝説を初演した美浜文化ホールメインホールでやります。
どうしても巨大なスクリーンでアニメーションを投影したかった。
そしてこのメインホールは真っ黒なデザインのホールなので、まさにうってつけなのです。
ただ、ここでやりたい。を優先してしまった為、350席あります。
どうしたらそんなに人が来てくれるのか、もはや神頼みなんですが、これを読んでくれた方が、10人の人にならチラシ配れるよ!なんてありがたい申し出を待っています。(もちろん100枚、200枚、300枚でも)
チラシのデザインもすみれさんのもので、すてきなんです。
美浜文化ホールでの本公演の前に前哨戦で10月に南房総市のさざなみホールでもやります。
この時はコンサートのプログラムの中でホワイトバッファローの伝説から第一曲目のみ、映像とお届けします。
今回のホワイトバッファローの伝説の作品は、作品をあらためて見直し、編曲もアレンジしなおしている為、7曲から5曲になっています。
プログラムの前半は馬頭琴コンサート。
後半にアニメーションとバンドの生演奏でホワイトバッファローの伝説をお届けします。
年末の美浜文化ホールでのコンサートは「風と空のうた」「ドネゴールの夕陽」のPV(YouTubeの美炎馬頭琴チャンネルに公開中)を製作した時に出会ったプロのヘアメイクさんと、今年出会ったフランス在住のデザイナーさんの衣装とで見た目も豪華にお届けします。
たぶん1番わくわくしているのは間違いなく私なのですが、年末のたぶんちょっと遠いこの場所に来るのは幾つかのハードルがあると思いますが、来ていただければ、まずぜったいに来て良かったと思ってもらえるコンサートです。
そこは自信あり。
でもこんなに沢山の集客には自信なし!
ということで、どうぞ今後とも宣伝にお付き合いください。
そしてどうか人を誘ってチケットを是非ゲットしてください。
チケット販売は7月30日より。
■2022年10月22日(日)
☘️とみうら元気倶楽部さざなみホール☘️
13:30開場
14:00開演
馬頭琴 美炎
キーボード 清瀬祥吾
ドラムパーカッション 前田仁
要予約2500円
千葉県南房総市富浦町原岡88番地2
※この公演ではアニメーションとのコラボ演奏は一曲のみとなります。
■2022年12月23日(金)
☘️美浜文化ホールメインホール☘️
18:30開場
19:00開演
馬頭琴 美炎
ピアノキーボード 清瀬祥吾
ドラムパーカッション 前田仁
スペシャルゲスト登場予定
アニメーション作画 米本久美子
アニメーションデザイン製作 中島すみれ
ichikiro
前売り4500円
当日5000円
学生3500円
未就学児の入場はご遠慮ください。
千葉県千葉市美浜区真砂5丁目15-2
🌿10/22さざなみホール🌿
🎫チケット予約
info@miho-batokin.com
070-1274-2688(西郷)
🌿12/23美浜文化ホール🌿
チケット購入方法
🎫e+チケット
■購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/3682010001-P0030001
🎫美浜文化ホール
電話043-270-5619(10:00~18:00)(第3月曜休)
窓口10:00~18:00(第3月曜休)
美浜文化ホール
■購入ページURL
コンサートに関するお問い合わせ
info@miho-batokin.com
070-1274-2688(西郷)
ちょっとドキッとしますよね。
でも大切なお知らせがあるのです。
それは来月8月にはちゃんとお知らせしますが、まずはそこに至るまでの物語です。
よくアーティスト活動をしていて何周年記念とかありますよね。
つまりデビューした年というのがあるのが前提です。
私はこれがいまいち分からない。
自分が一体いつデビューしたのか。
そもそもそこに興味がないというのが正解かもしれません。
単に数字に弱いので、節目の年とか、何周年とか全く関心が湧かない。
自分にとって大切な作品というのがあります。
これは2011年の2月にアメリカのアリゾナ州セドナを旅して出会った物語なのですが、このめずらしく2011年の2月という数字を覚えているのは、3月に東北の大震災があったからなのです。
わたしにはセドナへ行って出会った物語とこの大震災は切っても切り離せない関係としてあるので、何年に行ったというのが明確に覚えている訳です。
自分が今まで歩んできた道筋は全然あっちフラフラこっちふらふらなんですけれど、なんていうか、誰かがサイコロをふってたまたま出た面にセドナと書いてあって、それをある時ふと偶然目にした瞬間に、そこへ行きたい!!となんの脈絡もなく思うわけです。
自分では行きたい気持ちがマックスなのを知ってるのだけれども、なんで行きたいのか自分で分かってない。
でも行きたいから行く。
行ってさあ何か正解が得られるのかというと別にそんな事もなく、でもただ夢中にはなっている。そして何年か経ってから、ちょっと自分であれは必然だったのかもしれないと辻褄が合う感じがする。
そんな繰り返しです。
馬頭琴に出会ったのも、モンゴルへ行きたい!から始まった事だったし、更にそれ以前に幼い頃に馬を飼いたい!という何故なのか分からない気持ちにずっと突き動かされていたのが始まりなのかもしれない。
物語に出会ってすぐに、これを曲にしたいと思った。
帰ってすぐに震災があって、曲を作るどころではなくなった。
でも悶々としている時にもう一度物語をよく読んでみて、今作らなきゃいけないと感じた。
そして7曲出来上がり、その年の夏に美浜文化ホールで初演しました。
CDにしてほしいと幾つかの声があったので、その冬にCD制作、そして再びセドナを訪れて撮影。
撮影した写真を元にスライドショーにして美浜文化ホールで再びコンサート。
7曲をあらすじの解説をしながら演奏するのはなかなか簡単ではなく、それ以来ちゃんとこの物語をやる機会がないまま数年経ちました。
思えば、この物語をなぜ曲にしようと思ったのか、何故今必要だと思ったのか、本当はよく分かっていなかった。
今もよく分かっていないんです。
今必要だと思ったのも、突き動かされて一気に7曲作ったのも、本当の気持ちだけど、何故なのかは今だに分からず、物語の大切な部分がこの言葉というのは分かっていても、その言葉をどう生きるか、どう生きたらいいか分かっていない。
だから私は未だにこの物語をまだやろうとするのかもしれません。
答えを探したくて。