2017
とりよめ
久しぶりに目をつぶってお話を聞いた。
おばあちゃんが語ってると思って聞いてくださいって、作家のあまんきみこさんがおっしゃって、3つの物語を読んでくれた。
頭の中にあまんさんの声と語りが入ってくるといとも簡単に情景が立ち上がってきて、一瞬で物語の中に入る。
あまんさんは、講演なんかできないわ。普通の主婦だもの。と言う。
父がそれを質問したら答えられるでしょう?と引っ張りだしたらしい。
以降文芸研では対談という形で公演されるが、普段は断っているらしい。
父である西郷竹彦を偲ぶ会に出席するために神戸に行ったのだが、あまんきみこさんの語りやお話を聞けて、また帰りは京都まで一緒に帰り、京都の喫茶店で一緒にお茶をしながらいろんな話をしたのが、思わぬ父からのプレゼントのようだった。
あまんさんは、40代50代っていうのは一番いい時よ。
若いうちって朝日に近いでしょ。年老いてくると夕日に近くなるじゃない。
40、50ってどっちも味わえるのよ。
というようなことを、私におっしゃった。
あまんさんの書く物語、多くは子供の時に読んだきりだった。
それを作者自ら3つも語ってくれるのを、客席で目をつぶって聞いた。
ちいちゃんのかげおくり。
この話は悲しい。
対談の中で、あまんさんが最初はおばあちゃん、お母さん、娘というように三代でかげおくりをするお話しだったのに、お母さんの名前がちいちゃんで、ちいちゃんは結婚もして、娘が生まれるはずだったのに、どうしても物語を書いていくと、ちいちゃんが死んでしまうんです。
だから、しばらく置いておきました。
そしてまっさらにして、もう一度初めから書き直す。
なのにやっぱりちいちゃんが死んでしまうんですね。
なのでもう一度置いておく。
そしてやっぱりかきはじめるとちいちゃんが死んでしまう。
とおっしゃっていました。
最初から物語を理論的に構築して立派な物語を書く方もいますけれど、私にはそれができないんですね。
と申し訳なさそうに話す。
とりよめ。
隣で弟の甲矢人が、このお話は本当にいいよ。僕とかみほちゃんの話だよ。
という。
最後の方は涙がとまらなくなり、ああ、私はこうやって死んでいくのかもしれないと思ったほどだった。
なんて終わった後に甲矢人と感想を語り合うと、真顔で、いやいや、まだその前にやれることあるでしょう。と言われた。
こいつ危ないと思ったのかもしれない。笑
神戸から帰る新幹線の中、京都のあまんさんとご一緒した。
新幹線の中、喫茶店の中でいろんな話をした。
お互いの幼い頃や、あまんさんの今の私と同じ年代の頃の話や、いつの間にか、私も話の流れでいろいろ話すと、偶然じゃないみたいね。何もかもが必然的にきこえるわね。とおっしゃった。
父があまんさんは天才だと言っていたのが、物語を語ってくれた時にわかった。聞こえない声を聞き、そこに寄り添う優しさと強さ、自然に持っている感性。あんなに可愛らしいおばあちゃんなのに、計り知れない世界とつながる何かがある。
力のある人、その人の後ろには何かが立ち上がってくる。世界が見える。それに包まれる。
父もそうだったと思う。
実際は研究者であり、学者であり、文芸学という文学を芸術として体系づけることに一生をかけたが、現場の先生達とつながり、自ら小学生相手に星の数ほど授業をして、理論を証明、改善し続け、先生達を指導した。
文芸研に集まる先生達はみんな変わってる。
記憶にない幼い頃から文芸研の集まりにくっついてった私のただの感覚だけれど、まさかあのおじちゃんが校長先生だったとか、夢にも思わなかったし、朝家で目覚めると、床の上にゴロゴロ酔っ払って寝てる文芸研の人達がいることはしょっちゅうだった。奄美や青森から来た人たちだ。
あの先生は変わってる。変わり者だと評判な先生達が熱心に学びにきた。
そして、やっぱりクラスで、学校で問題児とされている子供達を愛し、馬が合うようだった。笑
話がずれてしまったが、父の授業を何度か受けたことがある。
それは以前津軽三味線の高橋竹山の演奏を生で聴いた時に感じた感覚と一緒だった。
子供達にたくさん質問をして、出てきた答えを面白がっていた。
そして物語の深淵を覗いたように感動する仕掛けがあるみたいだった。
あれはライブだった。
もう一度今父の授業を受けたい。
子供達の前でどんな風に立っていたか、今は自分の子供の時の記憶しかない。
人との出会いは不思議だ。
文芸研の方が父の思い出を語る中に、先生と出会ってなかったら、自分の人生がどうなっていたか分からない。とおっしゃる方が多い。
出会う時が、これ以上ないベストなタイミングであるなと思うことがある。
これより前だったら、これほどの感慨はなかったかもしれない。
これより後でもまたしかり。
対談の中であまんさんが、自分でこのことばっかり考えていると、誰かがふと答えを言ってくれることがあるんです。
ストンと腑に落ちるんですよね。
その人は、そんなことさらっと言っていて、忘れてるんですけど。
自分にその準備が出来てるとただうけとれる。
相手には関係ないことなんですけどね。
とおっしゃっていた。
反対に、この人をこうしてやろうとから、ああしてやろうとか思ってると、相手を動かすことができないよなと思う。
さて。
明日はライブだ。
2017
曲のイメージでアニメーション制作しました。
7月31日のライブをお楽しみに!
作画は毎度馬頭琴美炎では大変お世話になっている(CDジャケット、ポラリスステッカー、人形浄瑠璃スーホの白い馬映像)
中島菫さんです^ ^
映像にしてくれたのは市田有紀さん。
東京での自主企画ライブ、今回久しぶり、そして次は未定なので、まだチケットあります!
ぜひお越しください。
普段のコンサートと何が違うんだって?
というと、普段のコンサートは主催の方や、当日いらっしゃるであろうお客様を想像しつつ、組むのですが、自主企画はやりたい放題です。
なので何か違うと思う。
とはいえ、最近オリジナル曲を、どのコンサートでもわりと多めに弾いてるのですが。
アニメーションとコラボしたり、そうそう、ベースの山田章典さん、シンセサイザーのRyuta くんと人数が増えるのもその辺りです。
衣装も銀河夜行をイメージしたものです。
さてさて、夏は次の日8月1日、八街の明朗塾主催の夏まつりの大花火大会にて、花火バックに生演奏します!
いまから初体験にドキドキワクワクです。
そしてお盆はこの6月岩手の旅でお世話になりました、舞踏家の太田直史さんと共にパミールの花というユニット名でパーカッション前田仁さんと共に三陸を巡ります。
まずは11日、田老の海の盆。
岩手のツアーは後日また詳細を書きます。
そして8月20日長野県松本の中山東花園にて、去年に続き、アルプス一望の農園から今度は三人で演奏します^ ^
8月23日は西国分寺の駅前ホールにて子供向けコンサート。
ちなみに9月は29日にて稲毛区役所ロビーコンサート。そしてまだ日程未定ですが、マザー牧場予定です。
とつらつら書いてしまいましたが、31日の渋谷でのライブ前には神戸の文芸教育全国大会で西郷竹彦を偲ぶ会にてちょっくら思い出弾き語ります。
はい。
7月31日ぜひ来てくださいね。
チケットがまだあることもそうなのですが、それよりなにより、聞いて欲しい見て欲しい。ライブです。
一緒に旅に出ましょう⭐️
2017
いつのまにか今年も半年が過ぎた。
駆け足しているつもりはなくて、でも駆け抜けているのかもしれない。
行き当たりばったりはだめだ。テーマを持って生きなさいと父に言われた。
一言で言ったらなんて頭の中でまとまってはいない。
今日、先月訪れた岩手の石雲禅寺さんより7月号パパラギの里が届いた。
手に取って読む。
先日の演奏会のことをこう記してくれていた。
〜〜略
楽器の音色は観る側にとって
まるで宇空から降り注ぐ天上の風であり
〜〜中略
それは己を消した
天の囁き
それらをいのちあるもので感じ
分けあった一夜であった
ーー全てのものは
そう、人ばかりでなく
音も光も色さえも
天に捧げるものでありますように
吉田慈光
「己を消した
天の囁き」
確かにそれは音楽の本質だと思う。
なんというか求めて得るものでもなく、やろうとしてできないことだ。
少しでもそう感じられるものがあったとしたら、それは紛れもなくあの場と集った人と、真っ暗な夜と風とそんなものの中に溶け込んでしまえる瞬間があったからだろうと思う。
久しぶりに自主企画でライブをする。
今まで無我夢中、できることのみしてきた事の、一つの集大成だろうと思う。
いつもの三人に加えて(ピアノの竹井美子さん、ドラムの前田仁さん)
シンセサイザーとベースが入り五人。
銀河夜行という新曲には私のCDジャケットデザイン、またポラリスステッカーなどのデザインを手がける中島菫さん制作のアニメーションが入る予定。
平日の夜ではありますが、7月の終わり、渋谷の松濤、文化村のすぐ隣のビル、サラヴァ東京にて。
銀河夜行〜
心の奥を覗き込むと星屑のまたたきの向こうに幾つもの物語が見える。
今宵、馬頭琴の音楽と遥かなる旅へ。
7月31日
サラヴァ東京@渋谷
馬頭琴 美炎
ピアノ 竹井美子
ドラム・パーカッション 前田仁
シンセサイザー Ryuta
ベース 山田章典
19:00open
19:30start
前売り4000円当日4500円
ご入場時ドリンク代別600円
2017年5月7日2枚同時発売した馬頭琴美炎の新しいアルバムのレコ発ライブです。
「The Great Jorny vol1 GRASS LAND」
「The Great Jorny vol2 銀河夜行」
グレートジャーニーとは
「アフリカ大陸で誕生した人類が陸づたいにアラスカ経由でアメリカ大陸へと移住した旅のこと」
皆様のお越しをお待ちしています。
美炎
動画は新作CD録音メイキング映像と、新曲グラスランドの音楽です。
途中一瞬入る馬のーーグラスランド
2017
7月8日までのお知らせです。
去年に続き、棚田コンサートの演奏のシーンを作品に、肖像画家の益子さんが描き、東京都美術館に展示してます。
もちろん演奏会の後です。
ちなみに一昨年のものがこちら。
8日の日曜日は益子さん会場にいらっしゃるそうなので、背の高いこの方見かけたらぜひ話しかけてみてください。
いろんな裏話が聞けるかも。しれません。。
今写真を探していて見つけたものがありました。
こちら。
先月の岡山行きで、最終日に2年前に行った美星町を再び訪れ、コンサートしたのですが、2年前の写真です!
残ってたのこれだけでした。
中世夢が原という場所にある、能舞台のある建物の中の控え室にて。
この時は打ち上げで、このお面を作ってる方が、髭に使うんだと、馬の尻尾の毛を見せてくれました。
今年はこの中世夢が原の武家屋敷のお庭にてコンサートでした。
面白いものがいろいろあるので、あれもこれもいろいろやってみた結果、隣にある竹筒を叩いて音を出すのを曲に組み込んだのが、結構好評でした。
最初は単に遊んでいたのですが。
やっぱり遊ぶって大事。
弓のおもちゃがあったので、三人でやってみると、私はまず、矢の後ろに糸をかけずに、何度もやっていてもちろん飛ばず。
竹井さんは、なぜか矢を落っことす。
それをニタニタ笑っていた前田さんはというと、意外と上手でしたけどね。
美星町との面白いご縁は前回訪れた時のブログに書いてあるのですが、探せません(≧∇≦)
またいずれどこかで。
暮れ行く山の上の林の広場で、全くの闇でした。
美星町。
星で有名なところです。
前回もなんと満天の星を見れていない。
また来るしかないですね。
でも闇の中というのが面白かったです。
お客様からはもちろん私たちがよく見えていますが、私たちからは最前列の方々以降が完全な闇です。
いくら目を凝らしても慣れて薄ぼんやり見えてこない。
時折吹く風がなんとも意味ありげで、両隣ではぜている火の粉と、ここはいつの時代かと錯覚してました。
ここに呼んでくれている方々が地域を想い、楽しく生き生きしている素敵な方々なのですが、コンサート後の打ち上げで、ここの豊かさを本当に感じます。
あ、ちなみにパンは千葉県君津市からいらっしゃった方の手作りでした。
全然繋がりのなかったはずの企画や主催に携わった方、もしくはお客様が、そのうち足を伸ばして、馬頭琴という一つの繋がりを元に繋がったりする事があると、この仕事をやっていて幸せだと感じる瞬間です。
今回は、美星町に行きますとTwitterでつぶやいたことから繋がった方が聞きにきてくれて、実際お会いできたのも、嬉しかったです。
出会えて繋がったことは不思議なのですが、全然違和感なく、知り合う運命だったでしょ。と思える。
旅に出て誰かと出会うことでその場所が特別な場所になるんだなと思います。
月みちる
↑美星町でのコンサート動画。
先日岩手の最後に訪れたお寺の事もまた書きたいので後日改めます。
さて7月8日は千葉県八街市にあります、特養老人ホーム、喫茶アルルカンで夜コンサートです。
今月はいよいよ、31日に渋谷松濤のサラヴァ東京で、レコード発売記念ライブもあります。
久しぶりの自主企画なのでドキドキワクワクです。
両方ともチケットまだあります!
お待ちしています。
森のなまえ
↑美星町での動画
リベルタンゴ
↑美星町での動画