馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 謎の指示・・- 2015/03/12 -

Category : BLOG

4年前のあの時、誰もが自分に何ができるのだろう?と考えていたと思います。
今もそうです。
自分に何ができるのだろう?
そしてその度に、今の自分ができること。そこへ戻ります。
そして、宮城の震災で漁師をやめた元漁師さんの言葉

「忘れないでほしい。ただそれだけです。」

それを胸に刻むのです。
ふとした時に、この言葉を胸に刻もう。と思う時ってあると思います。
その時に、はっきり分かることもあれば、頭では理解できなくても、何かこれは大切な事だと、胸に刻むのです。

子供の頃にもそうして胸に刻んだものが、まだ残っていて、ふとした瞬間に思い出し、自分を救ってくれたり、何かを考えさせてくれたりするのです。
だから、言葉って大事だなと思います。

逆を言えば、相手を知らずにとても傷つけることがあるとやっぱり、自分の中に戒めも必要だなと思いました。
自分が抱えている感情のせいや、何気なく考えなしに言った言葉、
自分で気付かずに相手を悲しませたり、怒らせたりしている、なんだか自分にもあると思います。

もう言ってしまった言葉は後に戻らないかわりに、これから気をつけることはできる。
そしてそういう心遣いが、やはり音楽をやる人間には必要なんだと感じました。

言葉だけじゃなくて、この瞬間を覚えていよう、という感覚もあります。
覚えていよう。とする時と、この瞬間は、きっと忘れないだろうと思う瞬間。

何かの事件だったり、分かりやすい出来事でなくても、なぜそう思ったのか、説明もつかない何かを、きっとずっと覚えているだろうと思うときがあります。
未だに不思議です。
一つその中でも思い出すのが、もうだいぶ前にアラスカに行った時のこと、三ヶ月の川下りの中で、特にハイライトでも、出来事でも何でもない瞬間。
それは川を下る途中のどこかの村で、ゴムボートから下りて、散策し、少し小高い丘に登りました。
一面草原で、確か、ユーコン川の中で唯一北極圏の中を通っている箇所だったかもしれません。だから、草原というより、ツンドラでしょうか。
もう、夏というより、夏の終わり、初秋でしたから、草は少し赤くなっていたし、
夏の間は白夜でいつまでも明るかったのが、ようやく陽が傾いてきて、夕焼け前の黄金色の光が辺りを包んでいました。
少し小高い丘の上で爽やかな風が吹いていて、その瞬間に、ああこの今、この感覚を私はおそらく一生忘れないだろうと思ったのでした。

その感覚ぎ何を意味するのか分かりません。
確かに日本での日常とはかけ離れた世界なので、覚えて当然かもしれません。
でも三ヶ月もアラスカの原野を川下りしていて、他に沢山の光景をみて、もっと雄大な風景や、感動した出来事や、いろんな感情を伴ったいろいろな場面がありました。
天空駆けるオーロラも見たし、何より雄大なユーコンの流れも、エスキモーの人にボートでアザラシ狩りに連れて行ってもらったり、あげたらキリがないいろいろな場面。
もちろんそれは記憶に残っています。
何が一番楽しかったか?とか、聞かれると、別の事を思い出すだろうと思います。
でもその三ヶ月の中では何でもない日常の一瞬が、ほかのどの記憶よりも、わたしの中に残っているのです。
数年に一度ですが、蘇ることがあるのです。

そしてそれは私の場合、自分の音楽の中に生きているのだろうと思います。
そしてそれは例え音楽が残らなくても、その生きたものは永遠にどこかにあるような気がしてならないのです。

だからでしょうか、先日も今制作中の人形浄瑠璃✖️馬頭琴の「スーホの白い馬」のテーマ曲を作曲していて、ドラムの方に、メールで

「白馬テーマ
39の後、40から白馬が矢を受けてスーホの元へ走る感じでドラム入ってきて、56からは、一旦落ち着いて、白馬に羽が生えてきて、79から一気に空へ駆け上がってください。」
「で、110から宇宙空間」・・・
というような謎の指示をしてしまいます。笑

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