2015
昨日は新橋の内幸町ホールへ
ナレーターやラジオパーソナリティーとして活躍する小川もこさんの朗読をする、けやき会の公演で、去年は同じ公演に馬頭琴演奏で参加させていただきました。
今年はもこさんの語る佐江衆一の「昇天の刺青」に私のオリジナル曲の「龍は嵐を呼んで天に昇る」がぴったりなので、CD音源を使わせて欲しいと連絡をいただき、当日、どんな風になるのか、とても楽しみに出かけました。
江戸の刺青師の話。
女刺青師おたえは、父 彫辰の遺言で、鳶の吉五郎の肌に九紋龍の刺青を完成させていく。「あっしは火事場のあの紅蓮の焔の中で、天に昇る龍になりてえんでさ」吉五郎の本心を聴いた おたえは・・・
もこさんの女刺青師の色っぽい艶声と、吉五郎の江戸っ子のキップのいい語り口、最後に火事場で吉五郎が望んだとおりになる下りには、あーここでこれが登場するかな。と自分の曲が浮かんでくるようで、それがまさにその通りに。。
二人の色事の場面には、ちょうど私がこの龍の曲のこの部分はできるだけ色っぽく弾きたいと、実は思っているところを使っていたりして、流石もこさんだな。
もこさんが、「美炎さんの曲は、この物語の為に書いたのか、この物語は、美炎さんの曲の為に書いたのか、と思うくらいぴったりだった。」
作家の佐江衆一さんは、昼の回にいらしていたそうで、どんな感想を持たれたのでしょう。
私が不思議だったのは、この曲を作ろうと思ったのは、神戸の街を一望できる所に白龍さんを祀っている山があり、偶然そこへ行ったのですが、そこから神戸の街を眺めているうちに、あの地震で倒壊した瓦礫の下で大火事があり、亡くなった人たちもろとも、嵐とともに天に昇ったのかなぁなどと、想い、そう思っているうちに、そんな曲を作りたいと思ったのでした。
初めの嵐のシーンから龍が住む山のシーン。そしてその山で龍がゆっくりと輪を書きながらいるシーンは、なるべく色っぽく。最後は嵐とともに天に昇り、
その後天界で悠々と飛んでいる様を音楽で描きました。
いちいちそう思った部分が、切り取られて、その通りのシーンのところに生きていたので、最後におたえと一心同体の天女が天界に上がるシーンは、またまさにそれで、なんだか鳥肌が立って涙が出ました。
もこさんが、私のライブに来てくださり、この曲を初めて聞いたときに、この曲は、いつか語りたいと思っていたこの物語の曲にぴったりだ!と涙してくれたことを、不思議な巡り合わせだなと思いました。
11月8日九州の大分でけやき会の今回の演目が再演されるそうです。
向田邦子作の「幸福」を語るフリーアナウンサーとしてご活躍の深野弘子さん、
宮部みゆき作の「地下街の雨」を語るのは宮崎在住のアナウンサーの薗田潤子さん、
お二人とも熟練の語りで物語を綴ります。
九州の皆様この機会にぜひ。
もこさんの語る江戸の町。去年ももこさんは「江戸の化粧師」という江戸物語。
もこさんは江戸にぴったりです。
今回の話でも浅草の浅草寺が出ていましたが、先日の七夕は浅草寺を浴衣で歩きました。