2016
ちょっとこれって、早口言葉っぽいじゃないですか。
白馬は白黒にしても白馬だ。
シロウマハシロクロニシテモシロウマダ。
証拠写真です。
今回の九州ツアー最終日、別府にある明治の老舗旅館、冨士屋一也百(はなやもも)ホール、終わった後の怒涛のお片づけ途中に撮りました。
ものすごいものすごい素敵なホールでした。
建物のどこもかしこも。
そしてこれが当日の写真。
当然遠くからお見えになる予定だったお客様よりキャンセルの電話もあったとかで、高速道路も通行止め、電車もストップ。
誰も来なかったらご近所さん呼びましょうね。
と皆で励まし合い。
それでも雪は降り続く。
トイレに行っても、控え室に行っても、階段上り下りしててもいちいちいろいろ素敵な所なので、ついついゆっくりしてしまいます。
ニャンさんが。
どこにいるかわかりますか?
三毛さんでした^ ^
そして前日夜のお月様。
蓋を開けたらこんな悪条件にもかかわらず、お客様沢山きていただいていて本当に感謝でした。
初日の国東のライブからまた来てくださった方もいました。
そしてこの一也百ホールのオーナーがとても素敵な方で、我々がこの明治の大事な建物に暗幕を張るごとくあれこれてんやわんやしていたのを、嫌な顔一つせず、丁寧に手伝ってくださり、本当にありがとうございました。
こんな風にあれもこれも一からしつらえて、過酷な状況にお客様が集うと、なんだか不思議な一体感が生まれる気がします。
今回は3回目ですが、初回から来てくださってる方、前年来てくださった方、段々繋がりが増えていてとても嬉しいなと思います。
毎年暖かく迎えてくださる地域のお客様にも、NPOの主催の方々にも、八王子車人形の西川古柳さんを紹介したかったので、まずはそれが果たせました。
馬頭琴と人形浄瑠璃と映像のコラボレーション、そしてスーホの白い馬の演目ということもあり、早々に満席になってしまい、当日までお断りしていたようです。
このコラボレーション、三位一体といいますか、どれが欠けてももちろんだめだし、どれもが出せるもの全部出す!という熱血?笑
本当に何度やっても、ジーンとしてしまい、感動してしまう。
本当に全国の子供達に届けたい。
スーホの初日は、小学校でした。
二部は八王子車人形。
演目とレクチャー。
車人形の古柳さんは子供の心もつかむのがうまい。
一緒に仕事でまわると、いろんな場面で勉強させていただけるので、ありがたいです。
子供達、感じてくれたらいいんです。
どんなことでも。
古柳さんがレクチャーの時に、お人形の顔をぱかっと割れるものを見せてくれるんですが、みんなきゃー!!!ってこわがるんだけど、笑ってるんですよね。
それが大事だなと思います。
怖いんだけど、笑っちゃう。
そういう感覚ってすごくいい。
毎年、ほんとに悪ガキの子なのよ。でも学校公演の後で、家の人連れて一般公演にも来るって言うんだからびっくりだわ。と教えてくれた先生。
そういう子ってきっと感受性が強いんだろうな。
気に入るものがあってよかった。
わたしが小学生のときに、スーホを勉強した時は、とにかく白馬が死んでしまうのが悲しくて、むしろ嫌いだった物語です。
その思い出があるせいか、この物語を悲しい悲惨なものにしたくない。
それで終わらないように、でも悲しみは、悲しみの音。
怒りは怒りの音、恐怖もある。
子供達が感想で、馬頭琴の音が悲しかったり、怖かったり、美しかったりした。
って二年生の子が言ってくれました。
悲しみや怒りをこえて、何があるのか、
きっと子供達は白馬から受け取っているでしょう。
それがふとした時に支えになってくれたらどんなにいいかなあ。
この作品は、実は演者だけでなく、裏方スタッフも必要。
岡山公演の時は、古柳さんのお弟子さんが一人何役もこなして事なきを得ましたが、ええ。たぶん無いなりになんとかしてしまうひとですから、古柳さんは。
九州では、会場も、必要なものがあったりなかったり、裏方スタッフとして、主催の方々が本当に去年の11月から勉強会を開いたり、事前リハーサルをしたり、わたしが、スーホをやりたいです!と言ったことが、沢山の人を巻き込んだことになりましたが、やりたいです!と言った時というのは、やりたい一心で周りが見えていない。。。
仕方なく、引き受けてくれた方々が、大騒ぎしてしつらえてくださっている状況です。。
でも、流石は小学生の先生方。
オールマイティー。
おそらく普段、いろんな場面で、沢山の目と手を使っているのだと思います。
そしてなにより、練習と本番というのを知っていて、単に作業するのではなく、一緒に創り上げることができてしまうのは、小学校の先生っていろんなイベントでいろんなことしてるからですね。と思いました。
何より楽しんで関わってくださっているのが本当に感謝でした。
九州へ来た初日は馬頭琴ライブでした。
ちょうど前日、千葉で楽器の具合を見ていて、急に思い出した曲がありました。
それは高校時代、山奥の少人数の寮生活をしていて、みんなでよく合唱をしていました。その曲の中に
谷川を求むる鹿のように
というとても美しい曲があります。
メロディーも大好きで、卒業してからも度々口ずさむことはありましたが、馬頭琴で弾いたこともないし、ここ数年思い出したこともなかったのですが、急にやりたくなって、弾いてみましたら、明日やろう!
と思い、ピアニスト竹井さんに、これ、明日やりたい。
といつもの無茶振り。
で、前日だったもので、当然練習する間も無く、また九州について、空港からライブ会場まで直行して、もうちらほらお客様がいる中で、とりあえず一回合わせる。
その時に聞いていた女性の方がちょっと涙ぐんでいるようでした。
ライブは一部は去年のクリスマスに初演した、音楽を挟みながらの朗読。
青い馬の少年。
朗読している合間にふと、波の音、ざざーざざーと聞こえてきます。
海の目の前の会場。
でもさっきまで、波の音まではしなかった。
今日は穏やかで空と海が繋がってミルク色。
波の音に心を委ねて朗読するのはとても心地がいい体験でした。
後でピアニスト竹井さんに、あの曲ひいてあのあたり朗読してた時に、急に波の音が聞こえたんだけど、不思議じゃなかった?ときいたら、竹井さんも同じところで波の音が急に耳に入ってきて、心地よかったと話していました。
ライブのあとで、少し涙ぐんでいた女性の方が話しかけてこられて、ライアーという小さな竪琴を弾いている方で、実はあの曲、大好きで、昨日久しぶりにあの曲をもう一度弾きたい!って楽譜探したところなんで、まさか今日聞けると思わないのですごく驚きました。と喜んでくださいました。
本当にこの仕事をしていて毎回思うのが、出会う人達と、場所によってたくさんのものをいただき、また経験を得ているなーということです。
今回の大切なもう一人の共演者。
この舞台をしないと再会できない方です。
この愛おしさ。
人形じゃない。
子供達の感想にも、白馬を作ってくれて、ありがとう!とありましたよ。笑
九州またくるね。白馬と一緒に!