2016
Day3イタリア旅記
ヴェネチア二日目。
朝四時には目覚めて、少し明るくなるのを待つ。
それからすぐ近くのサンマルコ大聖堂へ行くと、ほとんど誰もいない。
ガランとした海辺と大聖堂の広場。
海辺で朝日が昇るのをしばらくみて、大聖堂の広場でぼーとっとしてから、冷えてきたので朝ご飯を食べに、ホテルへ戻る。
カプチーノとカフェラテの違いがイタリアにきてようやくわかった。
エスプレッソをふわふわに泡立てたミルクで半々に割ったのが、カプチーノ。
エスプレッソをミルクで半々に割ったのが、カフェラテ。
カフェマキアートはエスプレッソに泡立てたミルクを少し入れたもの。
ラテマキアートは、泡立てたミルクにエスプレッソを少し注いだもの。
と、まあこんな具合に好みが細かく別れるのもこのイタリアのコーヒー文化なのね。
ホテルで朝ご飯を軽く食べたのに、少し歩くと美味しそうなドルチェが並んでいて、カウンターで軽くエスプレッソが飲める場所があったので、入る。
通勤前に駆け込んでここで朝ご飯代わりに甘いブリオッシュとエスプレッソをお腹に入れる人が多いみたい。
注文した小さなタルトは甘く、エスプレッソは苦い。交互に平らげると、このバランスがはまりそうなことを確認。
ちなみに、やはり立食の居酒屋、バカリに入ると、チッケッティという、スライスしたバケットに、アンチョビやタラやいろんなヴェネチアのお惣菜が載っているつまみが、色鮮やかで、美味しい。
これが、美味しいけどちょっと塩気が強め。
隣のおじちゃんが、ガラスのコップにオリーブの実が入っている、オレンジ色のお酒を飲みながら、このチッケッティをつまんでいたけど、このバランスもやみつきになるやつだろうな。
でも今昼だよね。笑
コーヒータイムも、一杯ひっかける時も、ここは思い立ったときなんだね。
残念ながら私はお酒に弱いので、ここで調子にのって、飲むと、その後歩けなくなるのは言うまでもないので、あー、この塩気をお酒でスッキリさせたい。とは思いつつ、ガス入りのミネラルウォーターでがまんする。
よし!今日は迷子を気にしないで思いっきり行きたい方向に行くぞ!
と、足の向くまま、気の向くままに歩き回る。
ウィンドショッピングが楽しい。
ウィンドショッピングとは、よく言ったもので、店に入らなくても、どのお店もショーウィンドウの飾り方が楽しくて、ゴージャスで、むしろ店の中よりいい。
だいぶ歩いて、昼は手打ちのパスタ。
魚介はやはり新鮮で柔らかく、美味しい。
ティラミスが美味しいらしいので注文。
意外な形。
パスタの量が多かったので、たべれるか心配だったが、ご無用でした。
ティラミスは美味しくて、ぺろり。
そのうえに歩いて暑くなったので、ピスタチオのジェラートをぺろり。
いくらでも食べられそうで危険な食べ物。
もはやどこだかさっぱり分からず、あまり人も見かけなくなったころ、とある教会の前に出る。
あちこちの教会を素通りしてきたのに、たまたま扉が半開きになっていて、中がちらりと見えた。
ここに入らなくちゃ。という気になって入る。
博物館や美術館に入るよりは、むしろ丸ごと感じられるのが教会かもしれない。
彫刻もあきらかに時代が違うものが並んでいる。
ヴェネチアの街並みも、一見素敵だけれど、どこをどう見ても、鉄壁な守り。
そもそも海の上に街を作ったこと自体がそうな訳だけど、この鉄壁な守りがあってようやく富の繁栄があり、文化を謳歌することができたのかな。
そういえばイタリアの古代や中世を描く塩野七生の小説を一時期読み漁ったときがあった。
帰ったらまた読んでみよう。
そのあと、そろそろホテルへ戻ろうという気になって、さて、運河に出ないと、戻れないかな。
と思った時に、そういえば、サンマルコ大聖堂へは、町のあちこちに案内が出てる。
というのをふと思い出して、気にしてみると、街角のあちこちに、サンマルコ大聖堂あっち、サンマルコ大聖堂こっち、サンマルコ大聖堂向こう。
みたく、あるではないか、全ての道はサンマルコ大聖堂に通ずだ。
ホテル、サンマルコ大聖堂のすぐ裏にして正解だった。
戻りながらも、ウィンドショッピングは忘れない。
いろんなデザインを見るのが好き。
素敵なものをたくさん見ておくと、何が素敵かわかる気がする。
カメオがそういえば子供の頃から気になっていた。
ずいぶんまえに、たまたまテレビでカメオ職人のことをやっていて、とても面白かった。
職人さんのドキュメンタリーがあると、必ず見てしまう。
物作りって、自分ではできないけど、職人さんの手さばきを見てるのが好きだし、職人さんの心意気にふれると感動する。
どんなものでも、ベストを尽くす。
その心意気が次につながるのだろうな。
でも、カメオって、ほとんど女の人の横顔だから、それが自分にはそんなに欲しいと思えず、あーもしカメオに馬のがあったらなー。
ペガサスとか、欲は言わないから、馬のがあったらなー、
と思いながら、カメオあるとのぞいていたら、
あったの。もう何軒目か分からないくらいだけど、
馬どころか、ペガサスの。
ペガサスどころか、ユニコーンの角まであるの。
これって、出会いだよね。
これって運命じゃない?
ドキドキして、お店に入って、店員さんに見せてもらう。
すごい素敵。
値段、案の定高い。
周りに置いてあった値札が見えてたやつは、さほどでもなくて、これくらいなら買えるかなと思ったんだけど。
店員さんが、これ、高いの訳があるんだよ。
アーティストのオリジナルなんだよ。だから他よりちょっと高いの。
ほら、ここにサインも彫ってあるでしょ?
と、なんか気の毒そうに説明してくれる。
よっぽど店員さんも、私がこれ気に入ったのが分かって、なおかつ葛藤してるのが分かっているようだ。
そうなんだね。
それは分かるの。
でも予定外。
やっぱりあきらめよう。だってここに来れただけでいいじゃん。
見れただけで。
で、サンマルコ大聖堂あっち、こっち、向こう、と看板に案内されながらなんとかホテルに戻る。
戻って泥のように寝る。
ふと目が覚めて、カメオを思いだす。
あのカメオ、自分にとっては少し高いけど、宝物だったら高くない。(高いもの買うのに慣れてないのが完全に分かる思考。笑)
大事にして、ちゃんと使えばいいんじゃない?
って思ったら、やっぱり、買おう。
と思ったんだけど、さっきのお店、どこ?
道なんてまるで覚えてない。
迷路のような侵入者を完全に拒んでいる街並みをめちゃくちゃに歩き回ったんだもの。
でもいける気がする。
よし、たどり着いたら買おう。たどり着かなかったらご縁がなかったとあきらめよう。
で、いとも簡単にたどり着きました。
そっか。
ありがとう^ ^
カメオ、実は古代エジプトが発祥で、女性のアクセサリーではなく、神職者のお守りとしてが起源らしい。
あながち女性の横顔じゃないのが欲しい。できれば馬。
ペガサスとか欲は言わないから。
って思ったのも、自分にとっては完全にお守りだから、筋は通っていたのかもしれない。笑
しかも操作はケツ。
ブレない。
神技。
ブローチもネックレスにもできるすぐれもの。