2016
Day 5イタリア旅記
まさかのマラソン大会。
ミラノの朝。
カフェテリアで朝のコーヒーをゆっくり飲みながら何気なく外を見ると、お腹の大きな警察官が、小さなパトカーの脇で一生懸命、そこに立ちつくす人に話している。
どう見ても身振り手振りの方がしゃべっているより多い。
縦列駐車がすごいことになっている。
私にはこぶし1個分くらいの隙間しかないように見えるんだけど、パトカー出れないじゃないか!
と言ってるのかと思ったら、五センチくらいの切り返しをすること数回で出て行ったので、素晴らしい。
出て行ったのにすぐ戻ってきて、同じカフェに入ってきて、エスプレッソを飲んで、多分今あったことを大声で話してまた出て行った。
何のことでもめてたのか分からなかったけど、朝からご苦労様ですと思いつつ。
少しのんびりしてから、街をぶらぶら歩く。
どうも時間が経つに連れてバイクに乗った警官がたくさん集まってくる。
そのうちテレビカメラを乗せたバイクも数台来て、なんか様子がおかしいと思ったら、急にものすごいスピードの黒人のマラソンランナーがゼッケンつけて走り去っていった。
マラソン大会。
どうやら結構大きい規模。
先頭集団はみな小柄な黒人選手。
でも、その2分くらい前に、警察官が慌ててて、道に張っていたロープを慌てて外して走っているから、何かと思ったら、市電が二つくらい通るのであった。
その一つ前の大きな交差点では車が数台右往左往していて、警察官が何人もで対応してるんだけど、見ていても、事故でもないし、何を慌ててるのか不思議に思いつつ通り過ぎたのだけど、あ、マラソンランナーが走ってくるから慌ててたのか、と知る。
にしても、その前に調整できてないところが面白い。
ずいぶん間が空いて、ちらほら他の選手も走ってくる。
このスピードはおそらくプロだ。
なんだか面白いのは、どうやら大きな大会のようなのに、市民の皆さんの関心が薄くて、私と同じような、え?なに?あ、マラソンなの?というリアクション。
ホテル前の大通りでは、あっけにとられて、だんだん増えてくるマラソンランナーを見ていたのだが、ちらほら道行く人も、あっけにとられてみているところが面白い。
大通りなので、警察官が何人かで車の流れを止めてるんだけど、先頭の方は様子が分かって待っているけど、後ろの方の大渋滞は、様子がわからないのか、クラクションを鳴らしまくっている。
その辺りもなんかイタリアらしい。
で、道行く私たち、通りを渡りたいんだけど、見てれば見てるほど、走ってくる人が増えてくる。
そのうちあっという間に川の流れのようになってしまって、渡るに渡れない。
一瞬の隙をみて走って横切ろうとするんだけど、躊躇しているうちに、おばあさんがすごく走って渡りきったので、驚いて、隣にいた人と笑ってしまった。
そのうちに、走ってくる人の流れは増える一方で、遠くを見ても、ひっきりなしだ。
ところが、大きなスーツケースをひいた、お父さんとお母さんと、子供2人が、お父さんの号令とともに、なんの躊躇もなく、強引に渡った。
これにはランナーがみんな、慌てて避ける。
そういうのも、ありなんだーー。と見る私。
ほとんど強引に道を渡る人と、車の渋滞の後ろでクラクションを鳴らして怒る人と、ものすごい人数のランナーの流れが、ドリフの喜劇みたいで、一人可笑しかった。
で、いつまでもその流れが止まる気配がないので、私も一瞬の隙をみて、猛烈に走って渡った。
ちょっと調べたらストラ・ミラノというイタリアでは有名な数万人規模の大会らしく、有名な外国人選手も参加してるとか。でもワンコも参加OKらしい。
んーーー。流れが止むのを待ってててもムリであったことが判明。
しかし、クラクション鳴らしてた車の大渋滞はいつまで待つことになったんだろうか。。
通りを無事に渡って地下鉄へ。
鉄道は予想に反して快適で簡単だったが、地下鉄の券売機はものすごく気分屋で、売ってくれたり、売ってくれなかったりした。
自動改札も同じく、通してくれたり、通してくれなかったりした。
駅員も対応に追われることなく、売ってくれない時はあきらめて、別の場所へ。
なんか親切おじさんみたいな人がなぜかウロウロしていて、あっちが大丈夫だよ。
とか、わかんない時は代わりに買ってくれたりする。
自動改札が通してくれない時は、みんな苦笑いしながら、無理やり通るか、前の人のすぐ後をすかさずくっついて通るか、なんかコツが必要です。笑
街ではやたらにおしゃれな犬を連れたおしゃれマダムが、犬と共に普通にデパートに入っていく。不思議。
テロ対策で機関銃を首から下げた警官なのか軍人なのかたくさんいたけど、皆さん道を聞くと丁寧に教えてくれます。
大道芸や音楽家のストリートパフォーマンスも広場ではさかんだ。
一人の男の人がパフォーマンスをはじめた。
あれ?この人はクラシックバレエを踊るのかな。というようなしなやかな動きで、頭の先から足の先までそういう体つき。
透明な球体を静かに、大きなアクションは一つもなくあやつる。
美しさにうっとりと惹きつけられてしまう。
技巧をこらした派手なアクションは沢山練習すればできる。
でもこのような表現で人を惹きつけるのは持っているものをつかう。
それを自分で見つけて磨くことも含めて。
観客も同じくためされる。
何に惹きつけられ、なにを求めるか。
なにをみつけ、何を見逃すのか。
それにしてもイタリアに来てから猫みてない(;_;)
この時はまだまだ余裕で眺めてた。
気づいたら道路いっぱいに川の流れのように人だかりの並。
乳製品と果物は新鮮。