2016
東京から車を飛ばして田舎の家に夜戻ってくる。うちの前は砂利道なので、外灯もないし真っ暗。
畑の上にうっすらと薄くかぶる霧。
ベランダからは谷の底に溜まった霧の湖が見える。
家の裏からはカエルの鳴き声。
寝る頃にはフクロウの鳴き声。
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昨日と今日。
大きなホールでの演奏だった。
いずれも新曲のポラリスを弾き、ポラリスのステッカーを売り、少しホッとした。
あれは北極星かな。
新曲披露の前の晩は北極星かな?という星に向かって北極星?って呟いてたらスッと近くを流星が流れた。
今夜はまた北極星かな?という星に向かって、手を合わせる。
最後まで北極星を目指して進んでいけるように。
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こういう瞬間、自分の皮膚と外側の世界が溶けて混じっていくような、そのままどこまでもひろがれるような、音もそうありたい。
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子供の頃、ジプシーに憧れた。
旅が仕事なのかな?と思っていた私の父が常に旅してまわっていたように、私も音楽かダンスなのか、そのあたりははっきり思っていなかったけど、ジプシーに憧れていた記憶はある。
最近、それを思い出して、なんだかそうなってきているような気がする。笑
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出会う人と、出会う場所と出会う物語と、常に自分の体の中に、風が外と内とを巡るように、そんな日常であるように、それはもしかしたら、しんどい事なのかもしれないけれど。
弾いてて思うのは受け取ること。
弾いてるときだけしゃなくて、たぶん作曲も、また日常も。
人との関係も。
それは身体に風を通すということ。
それが本当に常にできるようになれば、もっともっと音楽は変わるだろうな。
一人じゃむりだから、空を見上げる。
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6/4千葉市民会館