馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 旅にでることで融合されるもの- 2014/11/16 -

Category : BLOG

スーホの白い馬
この物語をもっと掘り下げて、子供にどう伝えるのか。
実は父はこういうことを一生かけて研究し、あまたの小学校で子供相手に実践してきた。
なぜたか最近になって自分のやりたいことがこのへんにかぶってきているのが不思議だ。
私には自分がみて感じて体験してきたモンゴルと、馬頭琴という楽器について以外には
そもそも私が小学校二年生の時に白馬がかわいそうで授業を耳をふさいでうけた記憶しかない。
そして今回再認識したのは、馬頭琴やスーホの白い馬だけでなく、子供に音楽そのもの、音楽の楽しさを感じてほしいな。
という前からの希望。
小学校へは、モンゴル文化やスーホの白い馬を勉強しているからこそ、実際の馬頭琴の音や形を見せてくれたらそれでオッケーなのだが、
私は馬頭琴という楽器は、とても音色に幅があり、実はいろんな表現が可能なまだまだ可能性のある楽器だとおもっているので、
いろんな楽器とのコラボやいろんな曲。
そして私という人間があなたの前にたち、表現するもの。ということでのオリジナル曲。
そういうものを通してお互いに何かを感じあうということをとてもとてもやりたいのだと。

小学校公演の後で山口京子さんという中津に住む素敵な女性に宇佐神宮を案内してもらいました。
彼女はギターの成川さんとのご縁でつながり、沢山のミュージシャンの演奏する場や機会を作ってくれている方です。
こういう方の草の根とも言える個人の活動は非常に大変だと思うのに、私達にとってはとてもありがたい存在です。
日の落ちる少し手前に宇佐神宮につき、灯篭の灯る木立の中、まるで雪が一晩で降り積もった後の朝の空気のように清らかでシーンとしていました。
広い境内の中を歩いていて、いつの間にか無駄な思いがそぎ落とされたようなスッキリした感覚がありました。

次の日の一般公演。
最近新しいオリジナル曲が増えたので、前回には弾かなかったもの全部やりたいし、バイオリンがいるのでそれを生かした曲も全部やりたいし、この曲をやったらお客様が喜ぶかな、というのもやりたいし、と詰め込んだらプログラム案が多すぎるし、
なんか曲順がまとまらない。

ふと昨日の宇佐神宮での空気を思い出し、
本当に私が今弾きたいものは何か、この曲の次に何を弾きたいか、それを感じてみてプログラムをたてたらスッキリと決まり、
実際に本番弾いていてもとても納得できるものでした。
弾くたびに会場の空気がますます集中してきてその集中がまた更に奏者を集中させ、といういい循環があったように思います。

ほんとに生の音楽をあまり聴く機会のないおじいちゃんおばあちゃん、子供達、そんな方々も多い会場でファイブエレメントのような長い楽曲を聞いていただけたことは感謝でした。
でも不思議とこの三日間眺めた面白い形の山並み、宇佐神宮の空気、中津の歴史、お会いした方々やその話からいろんな想像が膨らみそれが全部曲の中に生きるだろうという予感と弾いていてもその実感がありました。

旅に出て演奏できる機会が与えられるのはなんと素晴らしいことなのだろうとおもいます。

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