2015
面白いなと思うのは、八王子車人形の由来です。
先日デザイナーの小林栄子先生といろいろ話していて、デザイナーとは言っても世界各国で日本の伝統を新しいものに魅せる、総合芸術の舞台を手がけているのですが、沢山の出演者やスタッフが必要で、中々予算が無いと呼ばれても難しい場合があるという話でした。
これはよくわかる話で、私も作品を作る時に、これを今後やる為に、どこにどう呼ばれても行けるように、最小限の形は取れるかどうか、そこも考えます。
そこにより着眼するようになったのもある意味古柳さんの影響もあるかもしれません。
八王子車人形の五代目西川古柳さんとご一緒するようになって、本当に沢山の事を学ばさせていただいています。
初代がなぜ車人形というのを作ったか。
それは人形浄瑠璃は元々一つのお人形さんを三人で遣う。 それをなんとか一人で遣えないか。 そこからはじまっている。
そうして辿り着いたのが、小さな箱に車輪をつけて腰掛け、自分のそれぞれの足でお人形さんの足を親指の股の所で挟み、遣うやり方です。
結果としてお人形さんの足が舞台の床に着くので、人形浄瑠璃のように宙に浮かぶ事がなく、人間の俳優とお人形さんと同じ地の上で芝居が可能であり、車にまたがり足でこぐことで、動きがはやく、立ち回りも舞も自由に早く動ける。
これしか素材が無い、使えない、という中で工夫する事で思いもかけない面白いことがおこる事がある。 そんな話でした。