2018
まっすぐ前を向いて歩いていて目の前のものに激突する。
というのを二回見ました。
前田さん。
ナナさんのご両親のお宅からさよならして、離れの建物に荷物を取りに行くときに、目の前の網戸に激突しました。
特注の大きな立派な網戸で、鉄?のかなり頑丈なフレームがぐにゃり。
ちょっと戻してみようと思っても全然動かない。
お詫びして帰り、ナナさんからメールで、あんな頑丈なフレーム曲げるくらい激突して、本当に身体は大丈夫でしたか?
と。
悲しいくらいなんともありません。
という前田さんの返信。
後ろを歩いていた私はものすごく驚きました。
もう一回は山形で。
前を行く私が鉄のフレームを避け、かがんで先を行くと、後ろから来た前田さんがおでこに激突。
あれは相当痛かったはずです。
悲しいくらいなんともなかったようです。
ちなみに先日は植え込みに突っ込んだようです。
大丈夫かいな。
最終日はカセドラルロック再び。
今度こそ日の出に間に合わせる!
ということで最終日ということもあり、暗い中出発。
ツルツルの岩場をよじ登る。
前を行く前田さんがよく滑る。
何回目かで「ちょっと滑るのやめてもらえませんか?」
「もしかして扁平足では?」
前田さん「そうですよ。」
「わらじ履いたほうがいいよ。」
と言って、前田さんのこの衣装にわらじ。
完璧。
と思う。
ガソリンを入れに行ったスタンドで、スタンドのお兄さんに、衣装のままの前田さんは「サムライ!!」と手を合わせてお辞儀されたそうです。
誰もいない。
連休のセドナなので、日中はどこも人に溢れていたが、海外の人はそれほど日の出にこだわりないようだ。
じきにどんどん白んでくる。
あれ、間に合わないんじゃないのと、焦るが、向こうの山があるおかげで日が出るのにまだ時間があるようだ。
朝日の頃のこの新鮮な空気はどこからやってきたんだろうか?
全部新しくなってる。
誰もいなくてそれを一人で味わってる気分。
音を出してみる。
響く。
岩と交信。
風が吹く。
ただそれだけ。
カセドラルロック祈り1
そのうち向こうの山から日があがってくる。
あたたかい。
毎日うまれるおひさま。
さらっと楽器はしまってしまったが、なんとなく興味があるようだ。
そそくさと着替え、景色に見とれていると、
コンニチワ〜
という声。
また二人の欧米の方が上がってきて、私達が日本人と分かったようだ。
日本語と英語と織り交ぜて話していて、日本のどこですか?
ときかれて、千葉です。
という。
前田さんが本八幡です。
という。
すると、私のパートナーは本八幡です。
と。
そんなことあるんだな。
カセドラルロックで本八幡。
秋に日本に来るから再会を約束して、ロバートさんに弾いてほしいと言われて再び「祈り」
身体がすっかり冷えてしまっていたが、もう一度ここで音を出せるのはちょっと嬉しかった。
カセドラルロックの風景も合わせてどうぞ。
前田仁撮影
カセドラルロック祈り2
あの場所で撮るとすごいの撮れるよ。
と教えてもらうが、
わたし!むりです!!
前田さん行きました。
尊敬。
それからちょっと場所を変えて
iPhoneだと、手前の人物に焦点あてても、奥の景色も普通にうつるけど、カメラだと後ろが白飛びするか、手前が暗くなる。
でもこのカメラはそれを解決するモードがあったことに気付いたのは帰国してから!
そして、編集できる知識もないので、沢山撮ったけど、どれが使えるのかいまいち分からない。
でもこの旅の間、投稿し続けていた写真をみて、旅した気分になれたよ〜と喜んでくれた反応があり、それだけでなかなかにハードでしたが報われました。
夕方にはセドナを後にします。
続く
2018
アリゾナにいられるのもあと2日か。
と寂しくなる。
アラスカに三ヶ月旅した時も、全然日本に帰りたいと思わなかったから、Arizonaの旅も、せめて一ヶ月は居たかったなと思っても、どうせ一月経つ頃には三ヶ月あれば。。
とか思うんだろうな。
前田さんは完全に味噌汁、ご飯、納豆、お蕎麦という路線が太いので、何でも食べるわりにきっと恋しく思ってるかもしれないが、私は他の国の食べ物それ一辺倒になっても割と平気だ。
あと2日のわりに、まわってないところをあちこち行くということはしない。
夕方ライブだし、日中はもう暑いのだ。
なのでまたアップタウンセドナの街で、ナナさんが教えてくれた他の店の三分の一で買えるインディアンジュエリーの卸のお店へ。
確かに安い。
そして本当に三分の一。
大きなおばちゃんが一生懸命品物について説明してくれる。
そのうちモニュメントバレーの話になって、おばちゃんが子供の頃に父に連れられてモニュメントバレー行ったのよ。
なんて話から、モニュメントバレーの写真を見せて、馬頭琴が出てきたので、これはなんなの?
となり、夜明けの「祈り」の動画を見せると、涙ぐんでこの動画が欲しい。
どうしたらいいかしら?
と言われて、Wi-FiなかったのでYouTubeに投稿もできず、残念。
セドナでは他にお客さんいないと、こんな風にお店の人と色々話す場面があった。
そういうといかにも英語ペラペラそうだが、私も前田さんもいい勝負の、おそらく一般より話せない。
なのに、勘が働くのでだいたいこんな事言ってるのかな、というのと、ほとんどジェスチャーで通じている。
この前80歳のおばちゃんが、60歳から英語勉強はじめてペラペラになったというのを聞いて、ちょっとは勉強しようという気になった。
ナナさんのご両親の家へ。
お父さんのオーディオルーム兼書斎。
ナナさんが、今日って何曜日?と聞くので、分からない。とこたえる。
あーそうか。私達の仕事ってサンデー毎日だからね。
とナナさん。
サンデー毎日。
初めて聞いた。
仕事も遊びも境目がないから、確かにサンデー毎日だ。
ナナさんのご両親とナナさんのパートナーのケニーと、セドナ在住の日本の方々にナナさんの友人、そしてフェニックス在住の太鼓奏者のKenさん。
セドナに移住した理由や、日本では聞けない色んな話を聞くことができ、またこのセドナに知っている人ができてまたライブができるなと思うととても嬉しかった。
ナナさんに感謝。
仙台から移住された藪内さんからとても美味しいベルロッククッキーを頂いた。
グルテンフリーでサクサクしていて日本に持って帰ったらあっという間に食べられてしまった。
藪内さんは私達が日本に戻る同じ日に仙台に戻って田植えをして、その後アラスカを旅して再びセドナへ。
ライブの曲の舞台がアリゾナだったり日本だったり北極だったりして、藪内さんのこの後の旅模様にぴったりだったと喜ばれていた。
太鼓奏者のKenさんとギターリストで日本でDJの仕事もしていたケニーさんと四人でセッション。
Ken さんは現地のホピ族の人達と興味深いコラボレーションをしていて、ネイティヴの人達の話などもしてくれた。
モニュメントバレーでクリスマスの早朝にふんどし一つで和太鼓を叩く動画など見せてもらい、どれだけ冷えたかという話を聞く。笑
私たちの鼻に砂とか暑かったことなんて何でもないな。
そして、明日の夕方セドナを発つのだが、明日は満月ということで、夜はカセドラルロックで初日に撮影した舞台のような所でドラムサークルをやると聞いて、とても前田さんが残念がった。
皆が、次に来るときは必ず満月の夜を入れて、ということでまた面白い経験ができそうだ。
今回もう一つ諦めたのはスウェットロッジ。
2回ほど経験しているのだが、馬に乗ることと、スウェットロッジをしなかったのは、必ず次また来るようにする為だ。
そこにもう一つ満月の夜を加える。
なんかあれですか?
そのうち美炎と前田とArizonaへ行こう!みたいなツアー組んだら参加したい人とかいるんじゃないかしら?笑
あ、でも計画性ないし行き当たりばったりだからだめだ。
そのあとはお父さんの手作り本格中華料理。
お父さんの上海時代の話や、発明家の時の話、引退して小説家になった話、いろいろすごい。
美炎の作るメロディーは本当にいいから、日本に帰ったらバンド作ること、そして次回はバンドでおいで。
ちゃんとしたコンサートやろう。
と何度もケニーさんに念をおされ、セドナはまた来れるとは思ってなかったのに今回来れただけでもラッキーだったが、そういう風に応援の気持ちを持ってくれる人がいるとなると、また来れるかもしれない。
というかまた来よう。
とまさか次に繋がると思ってなかったので、有難い。
本当に物事は人から繋がる。
この夏の神楽坂のライブハウスは私は初めての場所だが、前田さんは何度か出演していて、アコースティックな音環境で、とても楽しみ。
スクリーンもあるので旅の話も交えつつ、お楽しみに。
ベースの山田章典さんは今回ウッドベースも持ってきてくれるので、弓対弓でも面白い事になりそうです。
次回の自主企画はまだまだ未定なので、夏の銀河夜行、たっぷり聞きにいらしてください。
立ち見なしの55名定員なので、迷ってる方、もう少し先に予約しようと思う方は早めに予約をよろしくお願いします。
明日は最後のセドナ。
山の上へ。
続く。
&ベース・ウッドベース 山田章典
2018
暗いうちに起き出して、移動する。
学生の頃山に登る時を思い出すな〜。
嬉しいような緊張するような。
天の川が見える。
道の両脇になぜか野うさぎがいる。
目撃したのは一度や二度ではなく、10回以上。
この半分砂漠のような土地でこんなに沢山うさぎがいるのだな〜
日中には気づかなかった別のモニュメントバレー
やはりゲートは時間に関係なく、開けっ放しだ。
まだ暗いせいか、朝日を狙って起きてる人はいない。
よかった。
昨日途中から移動した場所へ。
三脚を立てる。
特にどんな絵面が撮れるのかわからないけれど、演奏したところは記録しておこうという気持ち。
まだまだ暗くて、向こうの平原のほんの数センチの所だけうっすらした線が上がってきたところ。
涼しい風の中に時折暖かい風が吹く。
セドナでもそうだった。
朝早くは夜のうちに冷えた空気と、どこかに日中とても暑くなった空気が潜んでいたのか、時折ホッとする暖かい風が吹く。
今回、どこへ行っても弾く時は「祈り」
(オリジナル曲。2011年のセドナに初めて来た時に出会ったホワイトバッファローの伝説から作った7曲のうちの最終曲)
ホワイトバッファローを弾く機会がこの所無かったのだが、久しぶりに絵本「青い馬の少年」を演ったので、祈りを弾いた。
青い馬の少年の物語では同じネイティヴアメリカンの世界繋がりで、ホワイトバッファローの伝説の曲集から三曲弾いている。
それで改めてホワイトバッファローの物語やArizonaの事を色々思い出す機会となり、ああ、またあそこへ行けるんだなという実感が湧いた。
アリゾナに行く前に、この物語を再演できて良かったと思った。
それも含めてタイミングなんだな。
日中の暑いモニュメントバレーは岩の表情もよく見えるし、どんなところか一目瞭然だけれど、岩の影しか見えないモニュメントバレーは大地全体が大きな生き物みたいに、存在していて、その懐にひっそりと立って、闇に包まれている気持ち。
そして祈りを弾きながらちょっとずつ開けていく夜をこの大きな生き物と一緒に眺め、祝いたい気持ち。
奇妙な安心感。
できることならこの土地で毛布にくるまって夜を明かしてみたかった。
こちら↓
.
前田さんの顔色が赤い岩肌と同じ色すぎて、撮ったのを確認して笑ってしまった。
帰国してからFacebookやTwitterやInstagramで投稿していた写真を見て、前田さんの衣装と髪型と、この土地への馴染み具合がすごいという評判です。
完全にこの朝焼けの写真が岩に対して前田さんの肌が保護色すぎて、せっかく絵になるのにどこか可笑しくて、立つ位置をチェンジしても、うーーーんとなる。
笑う私に対して、仕方ないでしょ。日に焼けたんだからという前田さん。
写真って難しい。
そもそも知識もないのだし、撮ったものの編集なんてできない。
たまたま撮れたもの勝負だ。
少し明るくなってくると、サンライズツアーのジープ一便が通り過ぎる。
やっぱり7時オープンは書いてあるだけか。
せっかくだから、朝のモニュメントバレーをまたのんびりまわろうよ。
と観光気分で。
ここはジョンフォードポイントという、西部劇でジョンフォードが馬に乗って立ってるシーンで有名なところ。
この景色に馬。
うーんいつかこの地で思いっきり馬に乗りたい。
あとは撮影忘れてまだ涼しい空気の中、人も少なく、ゆっくりあちこちまわる。
すごいねしか口から出てこない、語彙に乏しい私達。
さて、ホテルに戻って仮眠しますか。
ホテルに戻ると朝ごはんにつられて、思いっきり寝てやる!と思っていたのに思いっきり食べる。
疲れと眠気よりら食欲が勝り、ナチュラルハイな状態。
写真参照。
その後は思いっきり寝て、11時のチェックアウトで街を後にする。
昨日の夜モニュメントバレーからカエンタの街に戻ってガソリンスタンドに寄ると、目つきの悪いフードを被った若者が車の周りをウロウロしていて、睨んでくる。
鍵をかけてお店の方へ。
こっちでは一度店の中で何番の機械で給油するか伝えて支払ってから給油。
車に戻ると、さっきのいかにも怪しい若者が車を覗き込んでいて、私たちを確認するとスッといなくなるのだが、遠巻きに見ている。
こういう感じのシチュエーション、今までアメリカに来るときには多かれ少なかれあるのだけれど、そういえばセドナでは全然ないので、アメリカにはそういう事もあったし、スーパーや雑貨屋ではどきつい色の食べ物しかない。
みたいな光景もセドナではないので、あ、こっちの光景の方が多かったかもと。思い出す。
前田さんはアメリカ初なので、最初からセドナだったので、カエンタの街やセドナへ帰る前で通り過ぎた街の印象のあまりの違いに驚いていた。
セドナではどのお店でも例外なく、ニコニコとした笑顔で親切に対応してくれ、とてもフレンドリーだ。
帰りのロスの空港で買い物をしたとき、思い切り冷たくされて、そういえばこっちのが主流だったかもなんて思うのだった。
この日ホテルをチェックアウトして、セドナに戻る時私は爆睡してしまい、前田さんが変わらぬ景色の一本道をどのように耐えて運転していたか知る由もなく、申し訳ない限りなのですが、ちょうど着く頃目が覚めまして、はじめて2011年の2月にきたときに、ナナさんに連れてきてもらったネイティヴアメリカンの様々なものが置いてあるお店、(ほとんど博物館)にほど近かったので、寄る。
アンティークの民芸品は本当に美しく、壁に飾られた一枚皮に馬に乗ったネイティヴの人たちの様子がビーズで刺繍してあり、馬の乗り手も馬も見事な装飾で、カメラに撮るのも忘れてしまうほど。
入り組んだ小部屋にはいろんなものがそこいら中にあって、見るのも大変だし、面白い。
そこに前田さんお得意の楽器がありました。
そうシャーマンが雨乞いに使った。
サボテンのアレです。
ずっとそれを試してるので、買うの?と聞くと、迷ってる。
どれが一番いいか聞くと、一番長く鳴ったのが、これだと言ってやってもらうと、本当に綺麗な音。
他の数本と聴き比べても
これが一番いいね!!となると、買おうよ!
となりますよね。
以前にブログで書いたように、私はここでホワイトバッファローの絵のポストカードに見入ってしまい、買ったのちに曲まで作ってしまったのですが、そのポストカードはもう探してもありませんでした。
あと小さなシャーマンが使う道具(楽器でもある)も、前田さんは購入してました。
なんとサボテン楽器の中身にもセドナのハイキングで遭遇する訳ですが、ナナさんに詳しく聞いたので、その辺も前田さんの楽器紹介コーナーをお楽しみに〜♪
明日はセドナでのホームコンサート♪
続く
2018
モニュメントバレーのサンセットは7時過ぎ。
夕日の頃を狙うなら
3時のジープツアーで二時間半まわり、休憩して6時くらいに出ればいいかなんて言っていて、実際には撮る場所によって岩山がそびえてるので、早めに日が陰ってしまい、顔に日が当たらないという事になるのでした。
岩山が夕陽で一番赤く燃えて輝く時には顔色も赤く燃えるという事になるのでした。
何しろ人目を気にする小心者の二人は、撮ってるところをできれば見られたくない。
車で巡るのが基本のこのモニュメントバレーのコースは、名所やビューポイント以外はほとんど車が素通りしていく。
素通りポイントであり、でも車が車道にはみ出ないように少しだけ停める所があり、なおかつ入り組んでいたりして、人目につかないという場所を探す。
普通は絵になるポイント探すのにね。
まず見つけたのがここ。
でも撮ってる前田さんが、なんかイマイチ。と言って、上に上がれと言う。
だめだこれ。場所変えよう!と岩山の向こう目指す。
もう二人してつかれてしまい、前田さんも僕はもういいよと言うし、私も撮る!と言っておきながら何が撮れてるかよくわかってない。
で車で引き返す。
そして駐車場の外れで、え、まって。ここが一番良くない?
と撮ったの。
その道すがら
夕日のピンク色の下に地平線に沿って紺色になっている部分は地球の影だって、先日ナナさんが教えてくれた。
この日の夕食はなかなかにハードでした。
それまでがとても美味しかったので、要するにセドナのようにジャンクフードではないレストランやスーパーがある環境ではなく、ホテルのレストランは閉まってしまい、外に出るとファーストフードかどきついいろの食べ物しか置いてないコンビニ。
タコベルのドライブスルーへ。
疲れと、割に遅くに沢山食べた昼食のせいで、私は食欲なし。
前田さんはロール状のものと、アイスティーを頼みましたが、このアイスティーが全部飲んだら死ねるんじゃないかというくらい甘かったです。
もうさっさと寝てしまうに限る。
次の日はこうなったら3時頃起きて出て、撮ってからホテルに戻って仮眠して昼に出ようということに。
モニュメントバレーのパンフレットにも、開けっ放しの門の前の立て看板にも、この季節は7時にクローズ、朝は7時にオープンとある。
そうすると日の出も日の入りもその時間外なので、美味しいところみれないじゃんと思うのだけど、真っ暗だと危ないからという配慮なのか。
果たして本当にクローズしてしまうのかわからないが、とにかく来てみようと。
この旅はギュと体力勝負の部分と、かなりのろんとグータラな時間とが日替わりである感じ。
旅先で何もしないでのんびりするという時間があるとことのほか贅沢に感じる。
ほんとは海外に出たら一カ月くらいはほしいな。
ツアー旅行に参加するとなんでもかんでも合わせなければいけないのがつまらない。
今はネットで簡単に予約も調べることもできるから、やってみたことない人もやってみると案外簡単に、自分にベストな旅を組めるんじゃないだろうか。
場合によっては現地の日本の人を1日でも半日でもガイドを頼むと、途端にその人から見えてくるその場所が近くなるし、知っている人がいるという場所が見知らぬ土地から、次にその人のいる土地へになる。
これはかなりおすすめ。
カリキュラムに従って、プログラムに従って、合わせていく。
ほんとは演奏でもプログラムお願いします。
と事前に言われるの困る。
その日の朝にどういう気持ちか分からないし、その場の雰囲気やお客さんにもよる。
まあ大抵の場合、多少の変更はありなので、あまり気にしないようにはしているが。
急に動きをとめて、どれだけ寝るんだモードになったり、2.3日動き続けたり、
これ私の日常もそうだわ。
たとえたら
って考えてみて最終的に思いついたのは猫。
中年期の。
気づくとずっと寝てるんだけど、はしゃぐ時や、本能が目覚めると獣になる。
でもそれがおさまるとまた同じ姿勢でずっと動かない。
それより、この旅で一番の目的はモニュメントバレーの誰もいない荒野で音出す。
というもの。
あしたはそのために早起きだ。
2018
5月ってアメリカには何か国民的連休がなかったっけ?
とぼんやり思ったのは冬頃。
航空券は1月には取り、行くと決めたのなら、宿なんかも混むかもしれないからそれだけおさえようと思った。
それですっかり忘れていたけれど、
火曜に日本を出て、水曜に日本に戻る旅の真ん中の金土日月。
月曜がメモリアルデーで祝日なため、気づけば金曜からなんとなくセドナの街もアップタウンの一部は車が混雑していた。
それでか、モニュメントバレーでは唯一眺めを一望できるホテルが満室で、小一時間ほど走ったカエンタという街までいかないと宿が取れなかった。
モニュメントバレーは私も初めてなので、そもそもネットで見かけたモニュメントバレーの写真に心を奪われてしまい、ここへいく!
と思ったのがはじまり。
当初は以前のブログに書いた通り、別の方々と行く予定で、彼らはセドナは行ったことがなく、モニュメントバレー界隈に詳しかったので、全く別の旅を想定していたのだが、取り残された私と前田さんは、行き慣れたセドナを拠点にしようという事になり、図らずも、またセドナに来れることに。
結果セドナに来れて良かったなー。
やっぱり、年数置くと、また違ったものが見え、新鮮なのだとわかる。
モニュメントバレー一望の宿がとれたなら、問題はなかったのだが、アメリカというのは土地が広いせいでどこも大きな青空駐車場。
屋根付きの二階建てとか無い。
つまり車の中はこの日差しでとても暑くなる。
楽器を置いておけない。
とまあこうなるわけですね。
夕方の撮影ポイントが決まるまで、レンタカーで下見するか、ジープツアーかホースツアーに参加するか。
でも参加するなら、楽器をどうするか?
考えても分からないので現地判断。
時間が沢山あるようなら、カエンタのホテルに一度楽器を置くのもいいかなと思ったけれど、片道一時間はやっぱり長いので無し。
セドナからモニュメントバレーはざっくりこの距離。
前田さんは半分砂漠のような荒野の中を続くどこまでもどこまでも真っ直ぐな道と景色に感嘆を通り越してほとんど呆れてました。
ちょっと、この景色にグラスランド合うんじゃないの?とか言って(去年できたオリジナル曲)かけてみる。
グラスランド
合うねー!
これはどう?
って次々思い浮かぶオリジナル曲をかけてみるとぴったり。
私の故郷はここなのか?笑
お昼頃モニュメントバレーに到着。
予約が取れなかったホテルに隣接したビジターセンターでお昼ご飯。
眺めがすごすぎて食べたらいいのか眺めたらいいのか分からない。
あまりすごい眺めだと、カメラ撮るのを諦めるようだ。
メキシコ料理とタイ料理の量を思い出し、2人前はムリだと分かっていても、一人前をシェアする勇気もなく、よく見ると、可愛いサイズがあるので、これなら!
とナバホの料理を頼む。
これで小さいサイズなのね。
今日はこれからモニュメントバレーをまわるので、この炎天下の中、お持ち帰りはできない。
でもこれ全部食べたら体調おかしくなりそうだし。
半分くらいはごめんなさいして、腹に詰め込む。
割とのんびり出て、のんびり来てしまったせいか、お昼を食べ終わる頃には3時に近づいていて、ふと前田さんが、美炎さん。
ジープツアーの最終は3時だよ!
というではないか。
大変じゃ。
急いでジープツアーのカウンターを探すのだ!
この時点でホースツアーは諦める。
なんだか炎天下の中たくさんの人を乗せてる馬自体が嬉しくないだろうなとか思うと、もちろん夢の赤い大地を馬で走るとか無理だし、ここではないどこかでその夢は叶えることにする。
何より、楽器をレンタカーに置きっ放しにする訳にはいかないし、この人のたくさんいる施設に預かってくれるところは無さそうだし、ジープにならなんとか積んだらいいか。という頭。
モニュメントバレーの中のいくつかある象徴的なモニュメントの岩を縫うように砂利道のコースが幾つかあり、手前の方をまわるコースはレンタカーや自家用車で周れるが、奥の遺跡の方は、ナバホ族の経営するジープツアーでないと行けないようになっている。
これが1人90ドルということなので、はじめは、ジープツアーじゃ撮影もできないし、レンタカーで自分達でまわろう。
と思っていたが、セドナでナナさんに、絶対、ナバホ族のジープツアー参加しなくちゃだめよ。
あれをまわらなかったら意味ないと言われ、素直にそうする。
ネットで調べると、ホテルのロビーでジープツアーは集まるような事が書いてあるので、ホテルのロビーをウロウロ。
カウンターの人に聞くと、ビジターセンターの方だと言うのでまた戻る。
ビジターセンターをウロウロしてもそのようなところはなく、ふと赤ちゃん連れの日本人の家族。
赤ちゃん連れてるからジープツアーは行かないだろうなと思った頃には前田さんがもう尋ねていて、彼らは、分かりませんが多分ホテルのロビーの、というわけで振り出し。
でもやっぱりない。
間に合わなかったら笑うしかないと思いつつ、最後にお土産屋さんのお姉さんに聞くと、外の駐車場の向こうだという。
なんと!
小走りで行ってみると、駐車場の外れに小さな小屋があり、ジープツアー、ホースツアーのカウンターがある。
一瞬ホースツアーを迷うが、楽器優先ということで、ジープツアーへ。
とても大きな身体のおばちゃんとおじちゃんが、予約してるの?と交互に聞いてくる。
してないと言うと、あ、それなら私ね。
とおばちゃん。
ついてきて!
と大きな荷台はオープンで幌がついてるジープへ。
何人か他にお客さんいるかと思ったら乗客は2人。
まあ特に、三時とか無さそうだ。
それなら楽器積めるし良かったと思い、ジープへ。
陽気なナバホ族の大きな身体のおばちゃんがガイドって大丈夫かな?と思ったけど、考えてみればジープツアーだから運転だからいいのか。
このガイドのおばちゃんはついにトイレに二回寄った以外はジープを降りずにガイド。
私たちは単語を拾ってざっくり意味を理解すると、五分撮影タイムよ。
と言われる間に身軽に飛び回る。
2人だし、陽気なおばちゃんだし、もしかして、ちょっと楽器出して撮影も、ありかもしれないと思えてきて、他のツアー客がいない時には、そうやって撮ってみたりもした。
ガイドのおばちゃんは楽器の馬に興味を示す。
スリーピングドラゴン
わかります?
左が寝てるドラゴンの横向きの顔。
もともとはおばあちゃんがいて、羊の毛をすいて、紡いで機織りという工程をやってみせてくれ、観光客はチップを箱に入れるのだけど、おばあちゃん亡くなり、お母さんは赤ちゃんがいて今手が離せない。
孫娘が困ったなどうしようという感じにしばらくウロウロしながらも、とうとう座って毛をすきながら、私はこれしかできないんだけどね、おばあちゃんがね。とか多分いいながら一生懸命説明してくれる。
天上には穴が開いてるもんなんだ。
って普通に思えてしまうほど、半円のホール状の洞窟の上には穴があいてる。
人の小ささ。
いちよう私うつってます。↓
まさにサンアイズ。
ちょっとドキっとした。
見られてる。
ここにはアンテロープの壁画もある。
太古の人が感じたこの目と私が感じたこの目は同じものかもしれないな。
さてこの後、もう一つビックホーガンという洞窟へ。
ガイドのおばちゃんが、ここで楽器弾いてみたらいいよ!
って気軽に言うので、いいんだ♪と思って、ちょうど誰もいなかったので、楽器持って前田さんとGO。
ガイドのおばちゃんはかなり手前の所でジープで待機。笑
ちょうど天上の穴の下に腰掛けるのにベリーグッドな岩があるし。
弾いてみると頭がポカーンとする。
何も考えなくても手が動く。
音を聞くよりも、その自分の自動運転ぶりにポカーンとする感じだ。
風が時折こたえるように吹く。
改めて今写真を見返してすごい絵面だなとポカーンとする。笑
ある意味奇跡でしたよ。ここに誰かいたら、弾くのを諦めていたし、そもそもおばちゃんが弾いたら!って言わなかったら私は弾かない。
そうこうするうちに、他のツアーの人達がゾロゾロ来たので急いで楽器をしまって帰ろうとすると、そのうちの1人の人が、それ、弾いて、お願い。ってジェスチャーで。
オッケー、じゃあ少しだけって、楽器をまた取り出して岩の腰掛に向かう。
こういう時は弾けってことだろ。
またポカーンとする。
見ている人たちがスマホをかざして撮ってるのがわかる。
そんなことどうでもいいくらい、さっきみたいな自動運転。
風が吹く。
ビックホーガンでの演奏
この音。
カメラの音でもこれだけの音が撮れたのだから、やっぱりすごいな。
風の音も入ってしまっているけれど。
この動画は前田さんが咄嗟に撮ってくれた。
本当に感謝。
それからジープツアーを終えて再びビジターセンターへ。
炎天下の中、ジープが巻き上げた砂埃と、とにかく疲れた。
前田さんと、夕方の撮影前に一休みと、アイスチャイを。
スパイスが効いてほんのりした甘みの冷たいチャイは疲れが取れた。
お土産屋にいると、1人の欧米のひとがやって来て、さっきは演奏ありがとう!
本当に素晴らしかったよ!あの楽器はなんだい?
みたいな会話を。
さっきジープツアーで、幾つかこのポイントなら、人少なそうだし撮影できるかなというところを確認していたのでレンタカーのなかでボサボサの髪の毛をやり直し、汗と砂埃を被ったまま化粧して、再びモニュメントバレーの中へ向かう。
続く
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7月27日金曜日
18:30open 19:30start
神楽坂 The GLEE
馬頭琴 美炎
ピアノ 竹井美子
ドラム・パーカッション 前田仁
ベース 山田章典
定員55名
要予約。
03-5261-3124(平日10時〜18時)