2016
外が真っ白で雨がざんざん降っていて、木々も揺れていて、そんなのを窓から眺めてただ座ってるか、寝転んでる。
っていうのが好きです。
ふと時間がない場所に行きたいと思う。
人が何キロも住んでないような海岸線の小屋の窓から真っ白に煙る空と海とただ眺めてるだけで、それ以上もそれ以下もおこらず、そのまま。
明日のことも昨日のことも考えず、ただ嵐の様子を眺めてたい。
そんな場所が欲しいから人は別荘を買うのだろうな。
ふと目を閉じたらその場所があって、次に目を閉じるまでそこにいられたらいいな。
湯河原へ行きました。
作家の田口ランディさんからの声かけで、発達障害の子供達とその家族の方々やボランティアスタッフの方々、アーティストの中津川浩章さん、音楽家の巻上公一さん達との濃い2日間。
相変わらず無知の状態でもぐりこんだ人。
でも、子供の時からなぜだか、人に懐かない動物や、人に懐かない人に(⁈)懐かれる事があるのは、同じ匂いがするからなのか。
かわいい女の子に沢山キスされたりと、なんのご褒美だろう?
どちらにしても、自分のできることは限られていて、その場にただ居るようにするっていうのが自分のできることだったりする。
音楽弾く時も。
昼間はTシャツに絵を描く。
中津川浩章さんは、障害を持った子供達との絵を通した活動も沢山されている絵描きの方で、どんな風に絵を描くのかなとか、ただみていたくて、見れて満足でした。
そして流石に、他の人の描いた絵と一線を画しているのでした。
ご本人は、それじゃだめだ!と自分のことをおっしゃっていましたが。
あれは不思議。
思いついてその場で遊ぶように描いているのを見てましたけど、何かがくるくる働いて、ここにはこれ!ってあるみたいで、出来上がったものは作品でしたから。
でもそれは即興演奏も同じかな。
誰でも即興演奏はできる。
でも、きっとここはこれ!っていう瞬間があるかないか。
巻上公一さんはドラえもんみたいに不思議なバックから不思議な楽器や楽器じゃない物をあれこれ取り出して解説してくれて、それだけで面白い人でした。
巻上公一さんとの即興演奏はあー、まだまだもっとやってたいなー。というくらい面白い。
その間、重度の障害を持つ子供達がわらわらと吸い寄せられてきて、私は巻上さんと演奏することに夢中でいながら、一方で、よくこんだけ沢山近くにまとわりついてきてるのに、弓にひっかかったりしないで、邪魔なようでいて邪魔じゃないという不思議な光景を楽しんでもいました。
ランディさんが作ったモンゴル草原が舞台の子馬の物語。
子供達も大人達もめいいっぱいの朗読で、ヒカシューの元メンバーだった、このサマースクールの舞台でもある幼稚園園長の井上誠さんか描いた、モンゴル草原が、本当にモンゴル草原。
ぶっつけ本番の演奏もまた、巻上さんと楽しくやりました。
ランディさんはそれにしても本当にエネルギッシュ。
夜は特別⁈ランディさんの家に泊めてもらい、和室の客間から続く庭からは海が一望でき、蚊帳の中で寝っ転がると、朧月がみえて、波の音と虫の声と、涼しい風で、夢見心地で、さっきまでの濃い楽しい時間と共に、いつのまにかぐっすり寝ました。
そして、普段聞くことのない絵と、演劇にまつわる業界裏話を控え室で夜遅くまで聞けたのが興味深かったのと、ヒカシューってどいう意味ですか?と巻上さんに聞いて、思わぬ面白い話が聞けたのも贅沢な時間でした。
あー巻上さんとアルタイ行ってみたくなっちゃったなー。
そしてランディさんともっとゆっくりお話ししたかったなー。
中津川さんが絵を描いてるところをもっとみていたかったなー。
っていう2日間でもありました。
この2日間で出会ったどの人もなんだか初めてあったような気がしない不思議な出会いでしたが、2日目にご家族の方々に寝っ転がってもらっているところで演奏してたのはまた不思議な経験。
対面しながらの普通のコンサートは、やはりどう持っていくか、何をどうしてどうなるというある程度のコントロールが聞く場所だというのを改めて知る。
いろんな場所や機会やシチュエーションを与えられていることに感謝です。
それにしても子供達のエネルギーとそれに負けない大人のエネルギー。
の渦に巻き込まれる私。
なんとか弾くだけは弾いたという感じでした。
皆様お疲れ様でした!!
ランディさん誘ってくれてありがとうございます。