2018
「はいもしもし。
あ、どちらさまですか?
ふむふむ。そんな感じの方でしたか。
えーとなんか悲しげですね。
もうちょい明るくしていきません?
えーとどちら様って言ってましたっけ?
あ、そちら様でしたか。
なるほどね。
へーーー。
それで?
ふーん。
あ、こうなるんですね。
はいはい。
あ!!そこはそう行きますよね!そうっすよね!そうしましょう!!!
いえーい!!
あ、じゃあそろそろ時間なもんで。
はい。
ではさようなら〜〜
あ、まだ切れない。
はい。
今度こそさようなら〜〜〜。」
駅を降りて夜。
どうしても歩きたくて歩く。
寒さも緩んで、桜の並木の下。
サクサク歩いて行くと突然携帯の着信が。
あわてて携帯をオンにして画面をタップする。
はいはいもしもし〜
耳にあてて、声を出してるんだけど、たまに脇を通る車の音がなかなかにうるさくて、ちゃんと声が届いてるかな?
はて。
途中でいったい私は誰と話してるんだろう。
どこに向かって話してるのか。
向こうに誰がいるんだろうと不思議になる。
メロディーが湧いたのだ。歩いていて。
いつも通りに携帯のボイスレコーダーをオンにするが、たまに通りかかる人や、車に変に思われないように、電話してるふりして鼻歌を録音する。
録音しながら、ふと、一体誰からかかってきて、誰に向かって電話してるのかと自分で何度も不思議に思った。
でもまさに私の場合の曲作りは上の会話そのもの。
きっといつも突然誰かから電話がかかってくるかのようだ。
そのメロディーを辿るうちに、何が言いたいのか、言ってる人は誰なのか、おぼろげに浮かんでくるのだ。
そんなわけだから、いつも電源はオンにしていなきゃならないのだ。
仕事と遊びと何もないことも日常も境目がない。
そういえば幼い頃よく鼻歌をおじいちゃまの部屋のカセットレコーダーで録音していた。
あの歌たちはどこへいったのかな。
歌といえば思い出すのが、仲の良かった1人のお友達が、私にどうしても歌ってくれと言う、恥ずかしいからいつも内緒話するみたいに彼女の片耳に向かって両手を口元にあててスピーカーのようにして歌った。
彼女はとても褒めてくれる。
あれでもスピーカー効果で良く聞こえたんじゃないかと思う。
たまにくすぐったいと彼女は笑ったが、なぜかいつも二人きりになると催促された。
おじいちゃまがそもそも良く自分で作った歌をテープレコーダーに録音してた。歌はあんまりうまくないと思ってたけど、曲はなんだか面白かったな。
つい先日、暮れのFM東京の最上階にあるジェットストリームの会場で宮野寛子さんのラジオ番組のゲスト出演者を集めたパーティーがあったのだが、ちょうど同じテーブルでお向かいに座ったあべみちこさんという方と再会した。
その時なんとなく、お向かいに座ったこの方とどんなご縁なんだろうと思った。
別に普段はそんなこと思わないのだが、わざわざ思ったということは、何か予感したんだろう。
あべみちこさんはその後、福島県酒造組合の日本酒試飲会でのミニライブを聞きに来てくれた。
そして子供の習いごとネットというサイトでインタビュアーとして様々なゲストの方との記事を書いている。
その記事にしてくださることになった。
今までのゲストがそうそうたる面々で、しかも業種が様々すぎる。
子供がいる若いお母さん向けなのかなと思い、普段このブログでもプライベートな事はあまり書かないのだが、どうしてもそれだと話せない部分が多くなるので、今回はほぼ話した。
もちろん全部ではないけれど、あべみちこさんも、記事にする際に気を使ってくれて必要な部分だけ取り出してくれたと思う。
そんな訳で久しぶりに質問されるままに子供時代の事を思い出したのだ。
習いごとといえばバイオリン。
弾くのは嫌いじゃなかったが、呆れるほど練習が嫌いで、いかにサボるかばかり考えていたので遊びながらやってるうちに弓を二本、本体を一つ壊した思い出。。
父がいた牛窓のカフェてれやのオーナーに教えてもらったもの。
ん?
あ、そういえば先日見た夢。
招待客リストの一番上にあった児玉房子さんに電話をかける。
向こうはこちらの話があまり通じなくて、一生懸命自己紹介しているわたし。
そのうちふと、あれ?児玉房子さん亡くなったんじゃないかと気づく。
じゃあ電話の向こうは時間がずれてるのか。
私と児玉房子さんが出会う前までさかのぼってるんだと思いながら話していた。