2019
The Miracle is this.
The more we share.
The more we have.
アイルランド。
ミホちゃんアイスランド行くんだよね?
いや、アイルランドだよ。
ミホちゃんアイルランドってイギリス?
アイルランドはイギリス島の隣にある島国。でも北アイルランドはイギリス。
???
というやり取りを色んな人としました。
都内の大きな本屋に行っても二冊ほどしかガイドブックがなく、調べたい事があまり出てこない。
アイルランドが日本では割とマイナーなのだと行く事になってから気づく。
この10連休、さぞや混むかと思いきや、格安チケットなので厦門で乗り換え、オランダで乗り換えしてやっと着いたダブリン。
どんどん日本人が減っていき、オランダまで一緒だった人達は皆パリに行くようだ。
ダブリン行きの小さな飛行機にはこの旅の相棒のユキさんと二人だった。
そしてダブリンでさえ、日本人を見かけたのは旅を通して2回ほどだ。
厦門の乗り換えで飛行機が遅れ、オランダ発に乗れない予定が、ダブリン行きも遅れたので乗れる事になった。
オランダのスキポール空港はとても広く、ショッピングモールのようで、快適に過ごせるスペースが沢山あり、ここで数日暮らせるんじゃないかなと思う。
チーズの試食が美味しすぎて止まらない。
お土産を買うのは帰りの乗り継ぎまでお預け。
まあそんな訳で乗るには乗れたが朝ダブリンに着くはずが、夕方着いた。
ユキさんが旅先で知り合った友人、ダブリン在住のピーターと100年前のパブで待ち合わせ。
FAGAN’S
もちろん。
ギネスビール。
なんと最初注ぎたてはちょっと茶色い。
ここで飲んではダメ。
119秒待つ。
真っ黒になる。
あまりゆっくり飲まない。
みるみる苦くなるのだ。
カプチーノの泡のような生クリームの泡のようなクリーミーでビールとは思えないような泡と喉越し。
私はお酒の味はどれも好きなのに、アルコールに弱い。
でもいつもよりテンポ良くのめる。
それでもテンポがだんだん遅くなると、ピーターに、これはもう飲まない方がいいよ。
飲んでみるとなるほど苦い。
というかこの苦味が元々の味だと思っていたからびっくり。
ゆっくり飲むならハーフパイントを頼めばいい。
ふとガイドブックで読んだ、ウイスキーはアイルランドが発祥とは本当か?と聞くと、そうらしい。
一時期下火になったが、今はアイルランドブランドが幾つも復活している。
おススメをお店の人にちょっとだけ味見させてもらう。
ブランデーかと思うような香り。
ギネスビールで煮込んだビーフパイを注文。
トロトロで美味しい。
思わず帰りのスーパーでギネスビールのステーキソースというのを買ってしまった。
ステーキなんて焼いた事ないのに。
あ、一度だけアラスカで現地のネイティブアメリカンの人に自分で狩ったムース(ヘラジカ)の肉をもらってテントの中で焼いて、持ってきていた醤油とバーターとニンニクで食べて、ステーキってこんなに美味いものなのかと思ったな。
ピーターが、私の名前のミホは、アイルランドの元々の原語であるゲール語で聖ミカエルと同じ発音だよと教えてくれた。
国によってミカエルの発音が様々に変化してマイケルとか、マイケルの愛称のミッキーも聖ミカエルと同じと思うと、ミホもあり得る。
それもゲール語とは、なんか嬉しい。
どのくらい滞在するの?と聞かれて一週間というと、オウ!!ノウ!!なんて少ないんだ!!ととっても残念だという顔をされる。
これは旅先の色んな人に言われ、その度にこちらの人のホリデーは徹底的に旅したり休んだりするのだろうなと想像する。
日本では10連休もどうするんだ!!って長すぎて困るという人すらいる。
どこに行くの?と聞かれてドネゴール!というと、オウ!!それは素晴らしい!!
すごくいいところだよ!
でも観光客もいないし、言葉が通じるか分からないよ!
ガソリンに気をつけて!
と賞賛と心配をされる。
何しろドネゴールは名前の発音が気に入って、北の果てという私の大好物とも重なり、とにかく一番行きたいところ。
は、真っ先に行く。
結局、飛行機遅れてダブリン観光もしないままにいきなりドネゴールへ行く事になった訳で、フリーの旅なので、次の日ダブリン少しまわってからドネゴールへ行くのもありだったが、通り越してドネゴールへ向かう感じがワクワクした。
高速道路M3でドネゴールを目指す。
今回はレンタカーの旅なので撮影で衣装もあるため、スーツケースにした。
前回のイギリスの旅はバスや列車移動なのでバックパック。
スーツケースは随分古くなったので思いきって新しいのを買った。
今はケースがガタガタになっても壊れないチャックで閉めるタイプが主流だそうだ。
軽くてタイヤもスムーズでストレスフリーだ。
イオンで1万円ほど。
今回は演奏旅行ではないので、いつも弾いている馬頭琴ではなく、撮影用?のものを、以前使っていたケースに入れて持っていく。
乗り継ぎが多いので紛失や破損が心配だからだ。
楽器のために席をもう一つ確保できる身分になりたい。
もしくは楽器のためにもう少し飛行機が優しくなってほしい。
レンタカーは飛行場で借りる。返すときは早朝なので、ガソリンを満タンにして返さなくてもいいやつを選ぶ。
頼んでいたのよりグレードの高いもので、日産の聞いたことも無い名前の青い車。
車高が高くてかっこいい。
グレード高くなっても値段は同じだからラッキーだった。1日五千円くらい。
二人で割るとかなりお得。
レンタカーのおじさんが、北アイルランドに行くか?と聞いてきた。
ロンドンデリーにはもしかしたら。と返すと、北アイルランドはイギリスだから、保障が違うから、行くなら事前にその分を支払う事になると言われて、その場で行かないと決める。
なんだか面倒そうだから。
おじさんはその後色々丁寧に教えてくれたが、二度も三度も本当に北アイルランドに行かない?もしも行くならば必ず電話をちょうだいと言うので、分かった。と言いながら、ロンドンデリーの方も興味はあったけど、時間が足りないから行きたくても行けないから、行く事はないと思いながら。
M3の高速道路は、ゲートがあって、1.50€を2.3回支払った。
安いので良かった。
パーキングエリアとかないなーと思いながら1.2時間も行くと、いつのまにか道路が国道に切り替っていて、のどかな牧草地を突っ切る田舎道をひたすら行く。
100という数字の看板があり、100キロで走るらしい。
家のようなものが出てきて、それがすこし多くなると、50という数字になって、みなそれに従う。
グロッサリーやレストランなどもあったりして、街の中で休憩する形だ。
ミシュランの現地の地図を新宿の本屋で買って、ルートの目星はつけていた。
大きな湖が二つあって、その辺を通りたいと思っていた。
Googleナビはその湖を迂回するように言ってきたのでナビを切り、地図で湖を目指す。
特に湖の先端の町、エニスキレンという街の名前が気に入って、(どうやら私は気に入った発音の場所に行きたくなるらしい。)
そこでお昼を食べようよ!と提案。
街に入ると早速教会の塔が目につく。
まずはそこを目指すと無料駐車場が一つ分だけ空いていたので、停める。
公衆トイレもあり、パーキングエリアとかコンビニとかなくて、トイレはレストランなどに入らないとダメかなと思っていたので、良かった。
教会のショップがあり、中に入ると素敵なものが色々あるので見てまわる。
小さなものをいくつかレジに持っていくと、おばあさんが、たどたどしくレジを打ち、なんか計算間違ってる気がしていると、奥から出てきたおじさんが手取り足取り教えている。
教会だから、そういう方でも積極的に雇用しているのだろうと思って、でもレジの打ち間違えは大丈夫なのだろうか?と余計な心配をする。
ふとこの教会の名前をみると、セントミカエルだ。
ミホの教会だー。なんて言いながら、昨晩聞いた話の後だったので偶然がよりワクワクしたものになる。
お腹ぺこぺこだったので教会を出るとすぐに目についたサンドイッチ屋さんの看板目指す。
入るとなかなか賑わっている。
美味しい証拠だ。
ふと座った椅子の壁にこんな言葉があった。
ミラクル。
うん。たしかに。
日本からずっとアイルランドの週間予報は雨だった。
ダブリンだけじゃないかと思っていたらドネゴールも。
ピーターにも雨だし寒くなるよ。
と気の毒な感じで言われて、本当にずっと雨だったら山にも登れないし、写真も撮れないし、どうなるかしらと思った。
車で高速道路を走っているとき、何度か土砂降りになり、二人ですこし暗い気持ちになったりした。
でもどこかでは必ず晴れる。と思いながら。
ユキさんは移動中はじゃんじゃん降って!!
着いたら晴れて!!
と言うとまさにその通りになった。
エニスキレンについた頃には青空だったからだ。
イギリスもそうだったが、アイルランドの天気はくるくる変わる。 それなのに天気予報ができるのだろうか?と思う。
ミホはゲール語で聖ミカエルのことで、寄った街の教会が聖ミカエル教会で、雨予報が晴れたからもう充分ミラクルな気持ちが二人で高まって、この言葉を見つけたときは、本当だね!
今回の旅はこれだね!
なんて盛り上がった。
しかも、お店に入った時に混んでいて座る席が乏しかったので空いていた通りの近くの席にミカエル教会でもらったパンフレットを二つ置いておいた。
でも列に並んでいる間に気づくと別の人が座っていて、席が埋まっており、見まわすと奥の方にお皿は下げてなかったが空いた席があったので移動した、その席の真横にこの言葉があったのだから、より二人でその偶然を喜んだ。
女子はこんな小さな印を見つけては盛り上がる。
小さな頃に庭で木の実や虫や小さな発見に胸がワクワクしたのに似てる気もする。
好きな惣菜を選んでお皿に盛ってもらい、会計をする時に、レジのおばさんが、あら、これなの?と紙幣を受け取って困った顔をした。
この街には何か独自の通貨でもあるのか?とちらりと思う。
その後、雑貨店でポストカードを買ってお会計をした時また同じ反応だったのでたずねると、なんとここは北アイルランドだった。
教会のおばさんはぼけているのでもなんでもなく、アイルランドの€紙幣を北アイルランドのイギリスポンドが流通している街で使おうとしたからだったのだ。
まさか。
北アイルランドはもっと北のはずだと思い込んでいて、通ってみようと思っていた湖が北アイルランドであることに気づかなかった。
そういえば道の標識も若干変わった感じがしたし、街の車のプレートも白から黄色になっている。
あんなにレンタカーのおじさんに北アイルランドに行くなら電話するようにと言われ、行かない?
行かない!とやり取りしたというのに。
国境もなんにもないのでここからイギリスとも書いてないのでまったく分からなかった。
まあ電話すればオッケーという事だったので、入ってしまったものは仕方ないが、ここまで何事もなく幸い。
国境といえば、内モンゴルとモンゴル国の国境をやはり、車で越える時に、何時間も平原で待たされ、トイレに行きたくなり、茂みを探して歩いていたら、勝手に国境を越えていて、戻ってきてまた国境を越えたという事で逮捕されそうになったことを思い出した。
あの時とはまただいぶ事情が違うが、海外に出ると日本では経験できないことがやはりある。
また地図でナビしながら、ここはなんか良さそう!というところに寄り道することにする。
お城の廃墟なんかで写真が撮れたらいいなと思ったのだが、人が居るところだとできないし、誰もいないような所がないかなと思って地図をみていると、ここはそうなんじゃないかという気がした。
そして人の牧草地の小さな小道のようなところを通って誰もいない小さなお城の廃墟に辿り着く。
長閑で鼻歌が出てしまいそうなところだった。
廃墟だが、暗い感じがしなくて、晴れていたこともあり、誰もいない事もあり、写真を撮りながら楽しく過ごす。
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そろそろ4時頃だったので、あーいい1日だった。そろそろ宿のあるドネゴールのスリーヴリーグへ向かおうなんて、再び出発。
ほどなくドネゴールに入り、宿を目指す。
この宿はbooking dot comで見つけた。
スリーヴリーグは欧州一の高さを誇る断崖絶壁だ。
アイルランドではモハーの断崖が映画のロケ地としても有名だが、こちらは観光客がたくさんいるらしいのでやめた。
そのスリーヴリーグから一番近い、つまり街からは一番遠い崖の中腹のどこかにあるだろう宿だ。
夕飯を頼んでいないので、その最寄りの街も宿からどの程度離れていて、レストランなど何時まで営業しているかも未知だったので、途中グロッサリーを見つけてパン、チーズ、サラミ、野菜、ワインなど買っていく。
Googleナビさんに宿の名前を入れて向かう。
日没が何時か調べてなくて、なんとなく遅いのかな。というくらいの認識だった。
でも名所のスリーヴリーグまで行ってしまって、帰り真っ暗だと車の運転も崖から落ちたら嫌なので宿についたら、スリーヴリーグは明日の朝にするか、そのまますぐ行くか陽の傾き加減で決めようと思っていた。
続く。