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 アイルランドの旅4- 2019/05/21 -

Category : BLOG

天窓がガタガタ音を立てる音で目覚めた。

ダブリンを朝出てから3日目の朝。

白い空は寒そうだ。

雨が降っている。

明日はダブリンに戻る。

だから今日スライゴーに南下して、着いたら女王の山に登りたい。

残念な気持ちにならない。なぜかまたちょうど良く晴れるんだろうくらいにどこか思ってる。

朝ごはんをたっぷり食べて出発。

レンタカーの旅はスケジュールを本当にその日その時の流れで自由にできるのが魅力だ。

ユキさんは車の教官をしていたことがある。

オートマなのに、ゆるゆると坂道の多いアイルランドの田舎道で巧みにレバーシフトしていた。

アイルランドはイギリス同様、日本と同じ左車線でキロメートルの標識なので運転しやすい。

そして交差点はほぼラウンドアバウト。

渦巻きのように十字路がまわっていて、そこに左から合流して流れに乗り、出たい道で出る。

三時間の行程で運転中ほぼノンストップ。

ストレスがほんと少ない。

田舎道はどこも100キロで飛ばせる。

町に入ってくると50キロ制限になり、途端に前の車がスピードを落としたなと思うと、50キロ制限エリアに入ったということだ。

町を抜けるとまた途端に100キロで飛ばす。

不思議だったのは、日本の田舎だと現地の年配の方の運転でゆっくりした車がいて列になったりするのが一度もなかった。

みんなきっちり100キロで飛ばす。

1時間も走ると晴れてきた。

思わず二人で笑う。

南下しながら、ベンブルベンの山が見えてくる。

男山。

対して今日登るのが女山の女王の山と呼ばれているノックナリー山。

夕方にはやはり天気が崩れるらしいので、とりあえず雨に降られずに女王の山には登れそうだ。

まずは宿のあるストランドヒル海岸へ。

ナオコさんオススメのカフェへ。

アイルランドの伝統パン、ソーダブレッドがある。

私は今日のスープ(ソーダブレッド付き)と自家製レモネードソーダ。

ユキさんはフィッシュ&チップス。

今日のスープは濃くのある優しい味のオニオンスープ。

フィッシュ&チップスはイギリスで食べたのよりかなり美味しかった。

毎度ケーキが美味しそうなのに、食事でお腹いっぱいになるので、この旅を通してケーキまで辿り着けなかった。

女王の山は海辺にあり、このストランドヒルから見上げればある。

登山道はちょうど裏手のようだ。

ダブリンの夜、パブで飲んだピーターはこの女王の山のマラソン大会で上まで走ったと言っていた。

山の中腹まで車で行けるらしい。

エリガル山が思いのほかきつかったので、今日は全くのハイキング気分。

ただ、聞いていたように中腹まで行けるのではなく、裾野の中腹といったほうがいいかな。

やっぱり、最後は汗だく。

山頂には先史時代の古墳がある。

伝説では甲冑を着たままのメイヴ女王が眠っているという。

できることならこの山頂で小一時間くらいぼーっとしていたかったのだが、少し雲が多くなってきて、汗が引いて風が冷たく感じる。

この後は妖精の谷にいって写真撮ろうと思っていたので、雨が降らないようにと思いながら山を降りる。

地元の人もあまり知らない知る人ぞ知る妖精の谷。

白い井戸が目印。

もちろん看板もなく、駐車場もなく、道は細く、行き過ぎてから、今白い井戸があった!

バックしてなんとか車を停め、えー!

ここ?

ここから入って谷があるの??

女王の山の裾野部分ですぐ先には海がある。

たしかに小さな森のようなものは見えるが、とても大きな谷があるようには見えない。

まさにトトロの小道。

その小道を行くと、明るくかわいい森の小さなトンネルが続き、充分素敵なので、ユキさんがしきりに、ここもいいよ!

ここも素敵な写真が撮れそう!

と目を輝かせる。

私はこのもっと先にきっともっと谷らしいのがあるんだろうと、ずんずん進む。

トンネルの小道から少し雑木林になって、道がなくなり、それでも木の下をくぐって抜けると、本当に谷のホールがあった。

15メートルほどの高さの岩壁が両側にそそりたち、長い長い蔦がカーテンのように垂れ下がっている。

そのホールの合間には大きな木が高く並んでいて、よく見ると岩壁は石積みのようにブロックになっているので、城の城壁か?と思ってしまう。

逆にこれをこのように積み上げるのは無理だろうと思う。

空は晴れている。

でも深い森のようにここは岩壁と大きな木陰で覆われている。

更にホールの奥まで行くと、大きな木が倒れていた。

裸足になって着替えて木に登る。

ユキさんと二人でここは?ここは?といいながら撮った写真。

その中から景色が分かるものをいくつかご紹介。

それできっとこの谷の全体像がおぼろげながら分かるかもしれない。

写真をる撮り終えた頃に背の高いリュックを背負った男性が二人やってきた。

地質学者らしく、この岩壁の谷は本当にすごく貴重な場所なんだと説明して、更に谷の奥に入っていった。

地元の人も知らないというのがすごいな。

そのくらい隠れた場所にあるのは間違いない。

ここのあたりにあるだろうと、知っていても上から見て、全く想像つかなかったのだから。

大満足で妖精の谷を出る。

そこからノックナリー山をぐるりと一回りする形で宿へ。

宿の隣にシーフードレストランがあるではないか!

オイスターって書いてある!

私の希望の生牡蠣とユキさん希望のムール貝にありつけるかも!

部屋で荷物を解いてからゆっくりと出向くと店は満杯。

ギリギリ入れて席に着く。

生牡蠣が六つで11ユーロ。

ムール貝は幾らか忘れたが山盛り。

ピーターのアドバイスに従ってギネスのハーフパイントを。

それをバケットと共に食べ尽くし、生牡蠣もう一皿。

もう幸せ。

お店のお姉さんが、え?それだけ?というリアクションだった。笑

鮭のムニエルも迷いに迷ったが、もう腹いっぱいでした。

旅に出ると胃袋もう一つ欲しいと毎度思う。

隣の宿にそのまま帰る気にならず、夕陽散歩。

宿はキッチンがついており、ここに後2泊ぐらいできたら最高だったなと思う。

いや、すぐ隣の生牡蠣を食べに通ってしまうだろうな。

ユキさんがシャワーを浴びてる間に、この窓辺に座り込み、馬が草を食んでいるシルエットを眺めていた。

この旅を思い出しているとメロディーが浮かんできた。

虹と共にいた崖の上、エリガル山のてっぺんから見た谷の風景。

つい昨日、一昨日の事なのにもうだいぶ前のような気がする。

歌いながらそんな風景を思い浮かべていた。

続く

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