2014
たしか3歳の時に七五三で着物を着させられて大泣きして嫌がったので早々に脱がせられて以来私は着物を着たことがない。
この仕事をするようになり、衣装を考えるようになって、始めは成り行きでモンゴルの民族服を着ていたのだけれど、似合わない。
そんな時にはじめて感動する日本の着物に出会う。
それが宮崎県の綾町に綾の手紬染織工房を構える秋山眞和先生。
綾というと宮崎県の天然照葉樹林で有名な町。
以前その工房に演奏で呼ばれて行きました。
秋山先生の紡いで織る着物の展示会で沖縄の久米島にもコンサートで関わらせてもらい、着物を見るたびに龍の鱗だったり、蛍の乱舞だったり、綾の大自然を垣間見て感動していました。
秋山先生の着物は日本古来から伝わる小石丸という宮中で保護され飼育されている蚕を譲り受け、桑畑からご自分で管理され、蚕を飼育し、上質でも細い大変な糸を紡いで天然素材で染色し、手機で織る。
文にするとそうでもないが、実際は大変な事だ。
工房を隅々まで見せてもらい、桑畑にも行き、桑を大釜で茹でて染めたり、桑の実を収穫してジャムをつくったり、細かい細かい設計図を描いてそれを元に織る工程をみたり、藍染をさせてもらったり、いろんな経験をさせてもらいました。
で、その秋山先生が昨日伝統文化ポーラ賞の受賞式で上京されるということで、親しい方々とお祝いの会があり、そこへ出席して演奏もさせてもらいました。
なんかおかしいなー。
どうしても途中から丁寧な言葉遣いが似合わないような気になってしまいます。笑
いや。秋山先生はすごい人だし、作品は本当に感動するんだけど、あまりに気さくな沖縄のおじちゃんにしか思えないのであります。
気さくな人の所にはまた風変わりな気さくな人達が集まるな。というのが昨日のお祝い会の感想。
工房で作務衣を着ている姿しか印象にないので、受賞式の写真をみてやっぱり着物姿はかっこいいんだなー。奥様もかっこいい。秋山先生に織物の事を聞いても、こんなの誰でも出来ますよ。しか言わないけれど、奥様は本当に詳しくわかりやすく解説してくれます。
あーまた綾に行きたくなりました。
今度は山にもう少しゆっくり入りたいな。
秋山先生の作品を見ていると、先生の子供のような目が綾の大自然の何を捉えているのか、その目の奥に宿る先生の魂と綾の大自然の魂がどんな風に巡りあって、どんな風な反応をしたのだろうか、垣間見るような想像するような、そんな気になります。
馬頭琴は両脚を開いて挟むので着物は着れない。
その前にこれだけ手のかかった高価なものは買えない。というのもありますが。
でも素敵なショールや、藍染の手紡ぎの小物もあります。
日本橋MITSUKOSHIでもよく展示会していますので、興味ある方はぜひ。
この記事へのコメント
この度は有り難うございました。 お陰様で又とない贅沢なパーティーになりました。
サプライズ処のものではありませんでした。私の招待した方々も大変感銘を受けました。 お礼の申しようもありません。
人の繋がりを有りがたく感謝します。 取り急ぎお礼にて、又お会いしましょう。