馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 女らしいおじいちゃんと男らしいおばあちゃん- 2016/12/13 -

Category : BLOG

歩いて行けるところに老人ホームがある。

カフェがあるので、たまに行ってランチする。

当然だがホームのお年寄りもやってきて、スタッフとお年寄りの会話や、お年寄りの独り言など聞いてて、あーおじいちゃんやおばあちゃんこんな感じだったなーと懐かしくなる。

前にもブログにおじいちゃんおばあちゃんの事を書いたことがあったかな。

おじいちゃんは分かりやすかったなー。

この時代の人ってこんな感じなのかな。

マイペースは度をこして頑固。

夏はこの服。

冬はこの服。

礼服はこれ。

寝るときは浴衣。

コーヒーに白砂糖は7杯。

ティースプーンで70回かき回す。

トーストとお餅は黒くなるほど焦げないとだめ。

タバコはきついやつを1日1本。何度かに分けて吸う。

薬を何種類もカンペンの中に入れていて、ヤクルトで飲む。

飲んだ後の薬のパッケージはペンチで丁寧にたたんでヤクルトの空き瓶の中へ。

車はマニュアル。

後ろをどんなに待たせても、決して焦らずな運転。

家に戻ると今日走った走行距離をロール紙に細かく万年筆で書き留める。

それが終わってから車を降りる。

腕の脇には必ず折りたたんだ新聞。

テレビはNHK。

見てなくても大音量で一日中ついている。

夜中にはプロレスを見る。

ドリフターズ大好き。

私もこっそり二階のおじいちゃんの部屋に行って隣で見ていた。

タッパーの中に歌舞伎揚げが沢山入っていて、テレビ見ながら一緒にかじる。

テレビの音がしないなーと思っているとピアノ弾いてる。

トロイメライ。

ペチカ。

結婚行進曲。

それから幾つか歌う。

みんなのうたからのお気に入りが多い。

私も一緒に歌う。

カセットテープでそれを録音する。

ベルトには歩数計。

必ず散歩。

それもロール紙に歩数をかきつける。

たまに一緒にいく。

家の表の方は団地。

裏の方は畑や田んぼがひろがる。

裏の方の田んぼの道。

カエルの道。

と家族間で呼んでいる。

夏の時期にそこを通る時は必ず車をとめて、ライトを消して、窓をあけて、カエルの大合唱をきく。

散歩の途中、アザミやタンポポや沢山つんで、帰るとおじいちゃんがそれで甘い佃煮を作った。

おじいちゃんにお預かりが多かったので、幼い頃はよく紙粘土で遊んでもらった。

めちゃくちゃ手先が器用だったおじいちゃんは、紙粘土で何でも上手に作ってくれた。

幼稚園をしていたおじいちゃんの得意分野。

寝るときになるとお話をしてくれる。

ほとんど、創作物語。

怖いのからかわいいのまで。

内容は忘れちゃった。

新聞の四コマ漫画を切り取り、束ねてある冊子は何十年分。棚いっぱい。

おじいちゃんの部屋に入り込んで棚の下にしゃがみ込んで、よくサザエさんやいじわる婆さんを読んだ。

声を張り上げて怒ったことがなく、なんとなく女性らしいことが得意でもあり、そうかしらね。おほほほほって笑うような感じ。

青年の頃は美男子で、写真は必ずかっこよくポーズをきめている。

銀ぶら行ってくるといって、何してきたの?ときくと喫茶店でクロワッサンとコーヒーを飲んできたよ。

今はこんな飾り付けがどうのこうのできれいだったなー。

という感じ。

男らしい感じが子供の私にはしなかったのに、今でも不思議なのは、こんなおじいちゃんが、まだ羽田空港しかなくて、写真は白黒の時代に世界一周旅行を一人でしていることだ。

何が一番良かったかきいたら、パリのクロワッサンが本当に美味しかったと目を細める。笑

さてこんなおじいちゃんのパートナーのおばあちゃんはというと、

おじいちゃんが女らしかったら、おばあちゃんは男らしかった。

結婚して子供を産んでから勉強に出かけて資格を取り、おじいちゃんと幼稚園を作った。

山歩きが大好きで、生き物が大好き。

止まったら死んじゃうような人で、家では一日中掃除をしたり片付けたり、庭の草木をいじっていた。

外国にもよく出かけて、あちこちの旅のお土産を親戚中に配っていた。

家の中に入ってきた虫も、庭の蛇ももぐらもなんでも手でつかまえてケースにいれて飼う。

おじいちゃんは、おおヤダ。

こわいなー。と目を細めて笑ってる。

二人ともなくなって10年は経つ。

今だったら聞きたかった事が今はもう聞けない。

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