馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 馬を巡る物語。in札幌!!- 2015/09/08 -

Category : BLOG

飛行機が空港に着く前に、「まもなく新千歳空港へ到着します」というアナウンスに驚く。

隣にいたピアニスト竹井さんに、え?何?札幌空港に着くんじゃないの?と聞くと、え?美炎さん札幌へ行くなら新千歳空港空港だよ。知らなかったの?

札幌初めて?といわれ、そんなはずないな。

だけど考えてみたら北海道は7回目だけと、飛行機で来るの初めてかもしれない。。。。

それもすごいな我ながら。

船だったり、車だったり、鉄道だったり。

もしかしたら、記憶にない幼い頃には飛行機で来てるのかしらね。

上野から津軽経由で夜行列車で札幌行ってる気がするんだよね。幼い頃の記憶。

夜の雪のホーム。

北海道ってすごいね。線路一直線だし。道路も一直線だ。

札幌は大きな都市で観光客や仕事して歩いてる人も沢山いるのに、ざわざわしない。

なんかこの都市の向こうに広がる広大な大地や空のすんだ空気が否応なく流れてきて淀まない。

だからなの?飲屋街で有名なすすきのでさえ、歩いていてなんだか爽やかに感じる。笑

ちなみにすすきのは初。

同じビルに高級料理店や、ソープランドやキャバレーがごっちゃに同居してる。笑

嫌いじゃないなこういうの。

  
まだ本番も終えてないのに、とりあえずお疲れ様会。車人形の古柳さんとピアニスト竹井さんと。

先に着いていた車人形の古柳さんと白馬。

白馬が組み立てられて札幌にある今回の公演場所、「子どもの劇場やまびこ座」舞台裏に白馬がきちんと待ってる写真は拝見していたので、まずはやまびこ座へ。

本番は土日の2日公演。

一部二部と伝統的な人形浄瑠璃の演目が、今回の主催者あしり座さんや九州中津でお会いした北原人形さん、車人形古柳さんと面白い企画で次々に展開され、まさに公演のタイトル通りの「座・競演」そして

三部に馬頭琴と車人形と映像のコラボ「スーホの白い馬」

舞台袖で出番を待つ間にちらっと舞台を挟んだ向こう側を見ると、白馬が舞台袖で出番待ってる。。

キュン!

ジーン(;_;)

とする私。

そして念願の白馬製作者にお会いする。

若いお母さん。だからあんなに優しくてあったかい白馬なのかなあ。

リハーサルを終えて、北海道開拓村に連れて行っていただきました。

本当は馬に乗りに行きたかったけど、本番前に何かあったらいけないので、妄想の域に留めておく。

お馬さんに会えないかなぁなどと考えていると、一同、馬の匂いがする!

すると、鉄道の所に白馬が引かれてくるではありませんか!

鉄道馬車の再現だそうですよ。

   
   
開拓村。

開拓時代の再現のむら。

移築した古い建物も沢山。なんだろうな、予定してなかった何処かへ連れて行かれるとか、誰かに何かをふと教えてもらうとか、私はそういう時、これは一体何だろう?と考えてしまう。

偶然ではない何かの気がするのは、私のくせ。笑

その方が面白い。

物語は沢山作った方が楽しい。

自分に起こる様々なストーリー。

そしてそれを創作に生かす。

ある農機具の倉庫へ入った時にあった写真。

   
 
開拓村で、亡くなった沢山の人達の話も聞いたけど、そうよね。お馬さんも沢山働いて、過酷な中に死んでいった馬も沢山いたんだろうな。というところに初めて気づく。

  
その後で開発されたトラクターに〜馬力とあると、トラクターが開発されて良かったなーと思う。

私が行っていた山形の独立学園では、創始者の鈴木校長が内村鑑三に、開拓者精神というのを教わり、そしてそれは私達学園生に伝えられ、長い学園の歴史の中で卒業生が北海道の瀬棚の地に開拓して牧場を作っている。

そこへ三年生は修学旅行で各牧場に分かれて一週間ほど牧場実習するのが伝統。

だから、なんとなく北海道を開拓した人達の苦労は耳にする機会が多かったし、同時に先住民であるアイヌの方々の文化や開拓でアイヌの方々におこった事に関心を寄せることは多かったけど、写真を見て、あーそうだよね。

北海道のお馬さんに感謝して今回のスーホの白い馬の演奏ができたらいいなと思いました。
馬は美しく素晴らしく、同時におこる悲しい現実。戦いで死んだ馬も世界中で計り知れない。でも、馬はこんなに人間を慕い、愛し、救ってくれているということをスーホの白い馬の舞台を通して、少しでも伝わればいいなと改めて思いました。

人形浄瑠璃で演じるスーホと、映像で出てくる白馬。そしてセリフや解説のほぼない中でストーリーを表現する馬頭琴の音楽。

かなりシンプルでかなり珍しい組み合わせですが、きっかけは、私が古柳さんの芝居に音をのせたいと思ったから。

そして米本久美子さんが描く世界に惚れたから。

美しく、悲しいこのお話。

白馬の美しさ。

白馬とスーホの絆。

お互いを一心に想う心。

死んだ白馬がそれで本当にいなくなってしまったのではなく、いつまでもスーホのそばにいて、見守り、導いてくれている。

楽器という姿に生まれ変わり、音楽という風や光になって包むことができる。

それは悲しいことや報われないことが沢山ある世の中で出来ることは、必ずあるということ。

スーホの白い馬のお話は、それを教えてくれている気がします。

音楽や芝居や、そんなものがこの世の中に存在するのは、希望であると思います。

突然に奪われたとしても、心はその奪われたものを別の形で生かすことができる。

それが創作していくことの一つの在り方。

民話として語り継がれたものには、消えてなくならなかった尊い意味があるとまた教えられます。

それにしても、あしり座の皆さんの芝居や人形浄瑠璃に対する情熱とユーモアが暖かさになって舞台に溢れているなと思いました。

こんなに子供達がかかわっている人形浄瑠璃の世界も珍しい。

子供が芝居にかかわるという環境は、教育。という硬い言葉で表現したくはないですが、どんな教育にも勝る大切なものをダイレクトに経験させる最も適したもののような気がします。

物語やストーリーの力。

人間にとってとても大切なもの。

何かがあった時に、いかに柔軟に物事を捉え、相手の立場に立つことができるか。

それはたくさんの物語と出会ってる人が知らず知らずに物語から教えられ、培われている。

だから、「子どもの劇場やまびこ座」のような場所が全国津々浦々にあると、もっと生きやすい世の中になるだろうなと思います。

で、

   
    
    
    
    
    
   
最後は本番後の打ち上げ。二次会のラーメン横丁と、カラオケボックスでのやまびこ座館長の人形を遣う写真と、古柳師匠の吉幾三的な写真で締めくくりたいと思います。

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