2018
寝ぼけながらも朝のうまれたての空気を吸いながら森に入っていく。
舐めるように草刈りがされて、神社の参道のように掃き清められている。
急に身が引き締まり、そろそろと、はいた跡が消されてしまわないように歩く。
石舞台の上に立ち、棚田の空間に耳をすまして溶けてゆく感覚を味わう。
それからまた山道を戻り、エントランスとなる野原に戻ると、里守人のおじさん達がおはよう!今日は大丈夫そうだね〜!
と笑顔。
去年は逆に会う人会う人、今日はどうかなー。大丈夫かなー。
と困った顔だったので、まだまだ雲がかかる早朝、一抹の不安は拭えなかったが、その笑顔に早くも一安心する。
実はもう一つちょっと心配していたのは衣装。
白い衣装を着ることはあってもいつもどこかに差し色をしていたのと、このあまりにも繊細なつくりは、遠目から果たして伝わるのか、動くと揺れる感じの衣装なので、ただ座って演奏している訳で、ちゃんと着こなす事ができるのかという不安。
自分では見る事が出来ないので、毎回どんな風に見えるかなというチャレンジなのだけれど、毎年棚田コンサートで初披露となる衣装を、いつのまにかあつらえるというのが恒例になっていて、紅白の小林幸子のようにそのうち空を飛ぶのかもしれないなどと言われると、そんな財力はないから安心してください。笑
それはどこの民族衣装ですか?と言われる衣装を台湾に行く前に見つけて、何度か着ていて、これは棚田で着てないから、今年はこれかなーと思いながらも、もう何度も着ているので、棚田で初披露じゃないなぁ。などと思いながら、風になびくような白い衣装があったらなーなんてもう1週間きっていたが、ぼんやり考えていた。
それこそ棚田の3日前とかにネットで見つけて、このスカートはとても棚田に合うんじゃないかと、逗子のアトリエまで取りに行く。
実は前田さんの最近話題の衣装を製作した方と同じ。
アトリエマーヴィーの野口多鶴子さん。
アリゾナに行って写真を撮るならそれに合う衣装がないかと探していたところ、彼女のネットでの写真に行き当たる。
これ。
日本で着ると、うらしまたろうさんですか?と聞かれる。
台湾では孫悟空。
結局、今回の棚田コンサートではピアノの竹井さんにも私の彼女製作のワンピースを着てもらい、オール多鶴子さん作品。
自然の染色なので自然の中で溶け込む色なんだろうな。
白の衣装は彼女曰く、インドの手織りの本当に目の細かい柔らかい、それこそ羽衣のような布で、これで衣装を作りたいとその布を手に取ったら、売主から、これはインドで見つけたものだけど、もう手に入らないし、そもそもハサミで切れないし、衣装なんて縫うのは無理だと。
ストールがせいぜいと言われたが
それを聞いて余計に作りたくなったらしい。
裁縫不得意の私でさえ、これはハサミでは柔らか過ぎて裁断するのは一苦労だろうし、どうやって端ミシンかけるんだ??
と思う。
のを、360度の円形スカートではなく、720度の円形スカートにした。
更に、7重にしてカーディガンを縫い、ストールも作り、布終了。
本当に一苦労だったが、もう一度この布に出会いたいから、探してるけど、見つからないらしい。
そんなものを売るというので一期一会だなと決めた。
着てるのか着てないのかわからない着心地。
おだやかだった。
毎年同じ日にちでも気温も湿度も紅葉の具合や、生き物たちの気配もなにもかも違う棚田の音楽ホール。
同じ晴れでも緊張するような冷たい空気が漂う日もあれば、暑い日差しに変わる日もあり、突風が吹いて譜面台ごと吹き飛んだこともあり。
こんなおだやかな日があったかなーというくらい、去年の雨を経てよりそう思うのだろうか。
ふと気づくと主催の廣田さんが普通にお客さんとしてのんびり聞いている。
虫が楽器に飛んできて楽器にとまった瞬間。
おだやかな風が後ろからふわりと吹いてきた時。
鳥のさえずり、小川のせせらぎ、木の葉が風で揺れる事もすべて、味わっていたいと思いながらの演奏だった。
本番というのは書きようがない。
そこに一緒にいてくれて、共有しながら音がどのように重なり合うか、のびていくか、感じ合う行為だから。
.
.
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
小さな子供連れやワンちゃん連れに最適な奥まったところのプライベートスペースみたいな所があって、ここの音もなかなか良い。
冗談で特別料金頂いてお弁当つけましょう!とか言ってしまうようなスペース。
つづら折れになっている下の木のたっているポイントも眺め良し、音良しで毎度2.3人座っている。
もう1つは坂を下る手前にある梅平のおばあちゃん優先席。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お客さんはエントランスの野原で開演30分前までの時間を過ごして、棚田へ向かう。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
馬頭琴は生音です。
小さなスペースの部屋での演奏も、ほぼパーカッションやドラムが入るので、マイクを使う事が多い。
野外の場合はソロであっても、マイクがないときつい。
音が散ってしまう。
ここの棚田は馬頭琴の音は聞こえマイクなしでどこまでものびる。
山の上のおばあちゃん優先席でもよく聞こえる。
らしい。
コンサートの後は、、
衣装の写真撮ったり、
CDにサインしたり、
写真撮ったり、
そうそう、柔道着に身を包んだマッチョなお三方が花束をくれたのは、棚田の持ち主シゲルさんの娘さんのお婿さんの後輩。
ふふふという笑いと驚きの声が上がってました。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
名残惜しくサヨナラの時。もう一つ皆さんの目には触れないけれど、口にも入らないけど、演奏者とスタッフにはご褒美として頂けるもう一つの棚田の幸。
それは
栗ご飯の栗にいたっては数日前からむきむきとして手前のかかる美味しい美味しい打ち上げ料理。
里守人の女性陣が朝早くから炊き出し。
その香りと湯気につられそうになりながら、混じりたくなるので、すっかりお任せしてただだだ、いただきます!
します。
食べきれなかった分はお土産に。
棚田の花束と大きな梨とかなんだか車が満杯になって帰ります。
美味しい棚田の幸を食べる若い東京からのスタッフの方々。
を引き連れてきた毎年プロの機材で録音してくれる大学先生まっちゃん先生と、そもそもこの棚田と馬頭琴美炎を繋いでくれたきっかけとなった寅さん。
1回目かりというより0回目からの参加です。
きっかけは馬頭町で馬頭琴。
というまさかの親父ギャグ。
そんなこんなで8回目を迎えられた棚田コンサートスタッフ。
恒例の集合写真。
コンサートの前後が盛りだくさんすぎて、あっちいったりこっち戻ったりの報告でしたが、やっぱり字と写真だけじゃ、半分も伝わってません!
なぜなら毎年このようにお伝えして、動画もライブで流したりしても、来た人が、来ないと分からなかった!
という感動がある。
駐車場に限りがあって、だいたい前売り券は売り切れてしまうのですが、一人一人の人に体験してもらいたくなってしまう。
その体験を逃さないでください。
と言いたくなってしまう。
次は来てくださいね。
そう。
これを読んでいるあなたです。
・
・
・
11月8日
三鷹の素敵な洋館で絵と陶芸の西美紀さんとのコラボライブ♪
素敵な作品、色んなテイストのものが沢山あります。
ぜひ手にとってみてください。
お待ちしてます。
以下美紀さんより
新月の日に、三鷹で、馬頭琴の美炎ワールドの音楽と
西美紀の陶芸、
カフェ Rose & Mのティーセットやオードブルで
五感で一緒に楽しみましょう!
11月8日(木)
うつわと音楽とおいしいもので旅する
【幻想紀行】
美紀Miki✕美炎Miho✕Rose&M
絵と陶芸、音楽、食のコラボ会
(西美紀個展イベント)
カフェ Rose & M(旧Rose Room)にて
西美紀の器と美炎LiveとCafe時間
陶器 西 美紀 (絵と陶芸)
演奏 馬頭琴 美炎 、打楽器 前田 仁
▶︎ティータイムの部【15時から】ティーセット付
or
▶︎宵の部【17時30分から】オードブルセット付
☆お時間、どちらかお選びください。
ご予約 会費2,000円(当日2,500円)
演奏会コラボイベントのご予約はこちら→ ミキクオーレ
info.mikicuore@gmail.com
0956-59-4032
(メッセージなどでも受付中。
カパリスンギャラリーさん、カフェRose&Mさんでも♬)
お名前、ご連絡先、参加時間などをご記入し、ご連絡ください。
※お支払いは当日会場で構いません。
一緒にステキな心の旅へ出かけましょう💫
場所
東京都三鷹市下連雀2-12-29 カパリスンビル1F Cafe Rose&M
——————————-
西美紀 個展 〜響く HIBIKU〜
時期*11月7日(水)→11月11日(日)
時間*11:00-18:00 (最終日16:00)
場所*caparison カパリスンギャラリー:
東京都三鷹市下連雀2-12-29 カパリスンビル1F
TEL0422-48-2677
山本有三記念館隣、ジブリ美術館に続く風の散歩道沿い
近くには井之頭公園
近辺の駅は三鷹駅、吉祥寺駅
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー