馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 アイルランドの旅2- 2019/05/11 -

Category : BLOG

時刻は6時過ぎていたと思うから、もう日が暮れるかなと思いながら山の上へ。

スリーブリーグ。

6百メートルほどの断崖絶壁は欧州一と言われている。

その名所に一番近い宿を目指す。

グーグルマップはまだ先、まだ先を案内する。

ゲートがあった。

アイルランドのガイドブックを書いたナオコさんから直接このゲートを更に進んでいくと信じられない景色に出会えると聞いていた。

ゲートの前には駐車場があり、数台の車がとまっていて、そこから歩いて行く人達が更に上に行くのであろう。

果たしてこの先に本当に宿があるのか?

何度か確かめたが、ナビは更に上に行けと言うとる。

このゲートの中に車で行ってもいいのか?

帰ってきた車が一台ゲートを開けて出てきた。

とりあえず行っても良さそうだ。

ゲートの先はナオコさんが言ったように確かに別世界だ。

ここを車で行けるの?というような道をいく。

もうおそらくこの先には宿なんて絶対無いだろうとはわかっているが、この先のどこかにたどり着くまでは行かなきゃ。

小さな駐車場があり、車をとめる。

すごいね。

この景色。

写真撮ろうよ。

うん。

遊歩道と柵のある方は人もちらほらいるから、そこより山側の小高い丘の方で撮ろうか。

ミラクルには続きがあったんだなーとぼんやり思いながら。

ドイツ人のおじいさんが一眼レフのカメラを構えながら私たちに気がついて遠巻きに私の写真を撮りにきた。

そしてそのまま後ろの小さな茂みの中にスローモーションでひっくり返った。

スローモーションだったので、怪我はなさそうだったが、おじいさんだし、ゆきさんが駆けつける。

腰が抜けたのか、なかなか立ち上がれなくて、ユキさんが苦労して起こすと、ドイツ訛りだったらしく、大きな声でユキさんがドイツ語でシューベルトの野ばらを歌いだすと、おじいさんも喜んで大きな声で歌い出した。

転んだ後にこんな絶景で大きな声で野ばらを歌ってる二人がなんだかおかしく、かわいかった。

流石にそろそろ陽が暮れるかなと思っていると、ビューポイントと反対の方にうっすらと虹の端が出た。

ビューポイント、つまり海の方を眺めている人達は全く気づいてなかったが、ユキさんに虹と撮ってもらった。

羊の親子が虹の方にのそのそ歩いて行って、写真に写りこむのが面白かった。

すぐに消えてしまうだろうからと、二人で夢中で撮影した。

そのうち虹が大きなアーチになって、ずっとそこにあった。

ありとあらゆる構図で撮ってみたが、何を撮っても素敵だったし、何を撮っても撮りきれなかった。

それでもまだなかなか陽は沈まない。

もう充分だね。

真っ暗になったら道が怖くなるから戻ることにする。

宿はゲートに戻ってしばらく下ったところにあった。そういえばここ通ったし、私はこのゲストハウスの看板を何気なく見ていたのに。

新しくきれいな宿でオーナーが二階の部屋を案内してくれる。

この天窓からは星が見えるよ。

ここには2泊の予定だったから、明日はどこへ行くんだい?と聞かれた。

えーと、山登り!

山の名前が思い出せなくて、ドネゴールの山。

としか言えないでいると、この山かい?

とベットの上に飾ってある写真を指差した。

あ!

これです!

エリガル山。

同じドネゴールにあるとはいえ、結構この宿からは離れているのだが、一目見て気に入ったこの山の形ははっきり分かる。

素晴らしいね。

楽しんで。

夜はベットで買ってきたチーズやパンやサラミや果物をワインとつまみながらもう何が一体ミラクルなのか分からんというようなお腹いっぱい感があったが幸せだった。

ユキさんがシャワーを浴びている間に写真を見返していて眠くなったので小さなあかりにして横になる。

ユキさんが出てきて寝る支度をするとベットに横になってあかりを消した。

ほどなく、ミホさん!!!

星!星がやばい!!

ユキさんの真上にあった天窓から満天の星だった。

窓を開けて冷たい空気に顔をうずめながらしばし星空を眺める。

明日も素晴らしい1日になるに違いない。

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