馬頭琴奏者 / 美炎 miho 公式サイト
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 炎・父との再会- 2018/12/06 -

Category : BLOG

炎という字は私にとってもっとも身近でありながら、つかみどころなくかえって遠かった。

なにせ自分の名前に炎という字がある。

子供の頃は大人からはいたく感心され、子供からは燃え尽きた子、燃え上がる子、などとからかい半分に言われる、なんか変わった名前だしなんなら自分も親も変わっているのだろうと変な納得。

本名の美炎子(みほこ)を音楽活動をするようになって美炎(みほ)と名乗るようになってから、やっとこ自分の名前の意味を感じるようになった。

青い炎というオリジナル曲がある。

滅多にライブで弾かないのだが、名前の炎にもかけている。

炎というのは物凄い力だ。

生かしもするし殺しもする。

美しい炎だから、殺しもする炎ではない方の炎だと、そう今までは思うようにしていたが、美しかろうが炎は炎だ。

やっとその殺しもする炎の方に着目する気になった。

名を付けた父もきっとその両面があるゆえに惹かれた言葉なのだろうと思う。

父は幼い頃両親を亡くして鹿児島から東京に出てきて戦地へ。

ロシアの捕虜になり帰国。

父には兄弟も親戚もなく、父から辿れる人に私も会ったことはない。

母方の親戚は割と近場に沢山いて、私はその中で育ってきたが、父は父だけだった。

文学の研究が仕事で生きてる全てだった父は仕事の仲間は沢山いたけれど、多くの人に慕われ愛されていたけれど、ただ一人。

そんな風に見える。

悲しいことでも寂しいことでもなく、心の奥深くに消えない炎があって、それ故に一人であり、最後までブレずに生ききった。

なんなら、「俺は死んで終わりじゃない。

次の世でもそのまた次の世でも永遠にあるんだ。」と亡くなるひと月前に私に言った。

この世で会えなくなって一年以上経つが、悲しくも寂しくもない。

ただ父がくれたこの名前に度々向き合わされるというのが、なんとも不思議なことだと思う。

きっとそれは父がそのように名付けたからに違いない。

悲しくも寂しくもないのは別の世で再会できるのが楽しみだからだ。

父は言った。

待ってるよ。と笑顔で。

近頃私の中の炎は一つの方向を示してくれている気がする。

行ってみよう。

そこへ。

12月25日火曜日

19:40〜

大久保boozy muse

お待ちしています。

馬頭琴 美炎

ピアノ 工藤拓人

ベース 山田章典

ドラム 前田仁

12月14日金曜日

倉敷 美観地区

絵と陶芸西美紀展示会にて

12月8日土曜日

千葉市花見川区横戸町

オリーブハウス

13時半

1月13日日曜日

千葉市科学館

プラネタリウムコンサート

チケット販売開始12月10日

千葉市科学館のミュージアムショップにて購入のみ。

1月26日土曜日14時〜

3つの琴コンサート

川口リリアホール

 まっくらやみ- 2018/11/20 -

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誘われるように山の上へ行き、馬がいてススキの原で雲間から光がさして。

夢なのかなと思いつつ、ここは岩手だ。

と思い知る。

会場となる中学校へ。

やり取りしていた千葉さんとおぼしき岩手弁の元気なおじさん。

早速今回のコンサートの流れを色々と説明してくれる。

コンサートでは

イーハトーヴォ天文館の館長さんが作った映像を後ろの大きなスクリーンに投影する。

スクリーンも今回のために巨大なものをネットで取り寄せたのだそうだ。

馬の曲の時に映った馬の映像はつい先ほど行ってきたあの場所のあのお馬さんたちでした。

リハーサルを終えて宿泊場所へ。

お城の隣にある小高い場所の国民宿舎。

地の物を頂き、軽く一杯。

ゆっくり食べたもののこの時点で夜7時。

なんかこのまま、じゃあお休みなさいという気持ちにもなれなくて、とはいえ、小高いこの丘から眺めて周りは真っ暗だしとりあえず部屋に行って、今日みちみち買った美味しそうなものでも部屋で皆でつまもうかなんて言いながら6階へ。

すると宿泊エリアの中になぜかバーらしきもの。

ん?

やってる?

すみませーんとドアを開けると客席の奥からマスターらしき人がコーヒー片手に、驚いている。

やってますか?

はい!大丈夫です!

ということで、もう軽く一杯ずつ飲むことに。

私と竹井さんは梅酒。

前田さんはマスターにすすめられてジャックダニエルの飲み比べ。

たぶんこの3人の中で1番お酒強いのは竹井さんだと思うのだけど、今日は控えめ。

酔っ払ったところを見た事がない。

私は一口で酔うタイプなので、どんなお酒も美味しいと思うのに全然あれこれ飲めない自分ではとても残念。

けれど強い人には経済的でいいね!

と言われる。

どうやら強い人というのは酔っ払うために飲むらしい。

私は美味しいから飲むのだと思っていた。

美味しいからもっと飲みたいし他のも飲みたいのにすぐ酔っ払うので叶わない。

損じゃないかと思ってるのに、得だね!と言われても嬉しくない。

父は鹿児島生まれなので強かった。

母方が皆そう。お酒大好きなのにすぐ赤くなる。

脱線。

次の朝。

普段朝ごはん食べないのだが、旅に出ると食べる。

会場に行く。

衣川中学校卒業のジャズピアニストの菅原敏さんデュオの方と控え室で楽しく話。

音のバランスなど聞いていただいて一安心。

色んなジャルのサポートをしてきた前田さんはやはり共通の知り合いなどいて盛り上がってました。

衣川地区の会長さん。

雑誌、現代農業の今年の1月号に載っていた棚田コンサートの記事を読んだ時に、私は上に立っているような人は呼びたいと全然思わないんだけど、雨の中演奏している姿をみて、この人達ならって思ったんです。

とかなり、熱意を込めて話してくださった。

そうだ。

棚田の取材はよりによって雨だったし、あー晴れだったらもっといい画が撮れたのになーなんて思っていたものだから、そんな風に捉えてくれる人がいたんだなと気づきました。

実際、雨に打たれながら演奏したのは前田さんでしたが。

メールでやり取りした会長の娘さんにも会場でお会いできて、お土産とステキなメッセージも頂きました。

今日はこれから打ち上げ参加できないの?

田野畑村へ行くんです!

というと、あらー大変だ4時間はかかるよ。

田野畑村の人達はね、みんなあったかい人達だよ。

って会長さん。

ジャズピアニストの菅原敏サンデュオと。

すごく素敵な演奏でした。

聞いていた人達もどちらもとても良かった!今度は一緒にやってるのも聴きたいという声がありました。

片付けている途中で、映像を製作して投影してくれたイーハトーヴォ天文館の館長さんが、美炎さんは独立学園の卒業じゃないですか?

と聞かれてびっくり。

度々こちらでも書いてますが、高校は山形の小国町の山奥にある基督教独立学園というところで3年間寮生活をしていました。

創立者の鈴木校長と親交が深かったということで、我が家に泊まりにきたり、まだ山小屋だった頃の学園にもよく行っていたという方でした。

たまにコンサートのMCで、山形の小国町というところに住んでいた事があり、なんていうくらいの紹介でちらっと話す事があるのですが、話した時に必ず、学園関係者がお客様の中にいてというサプライズがあります。

不思議。

さてこれから山越えです。

東北道の縦の線。

三陸海沿いの縦の線

その二つの線を繋ぐ横の線。

これがいくつか梯子のような形態であるわけですが、全部山越えです。

だから震災の時に、この山越えをしながらだったんだなーと想います。

そしてこの横の線を行くのにも数時間。

岩手は四国と同じくらい広い。(復唱)

さて、田野畑村でお世話になる今橋さんに今から出ます!とメッセージ。

お待ちしてまーすと返信。

途中でご飯食べていったほうがいいよね?と打ち合わせ、本番でお腹すいた事もあり、しっかりと食べる。

頂いた南部せんべいもかじりつつ。

いよいよ東北道で縦の線を盛岡まで北上。

そこから横の線を三陸の海に向かっておそらく山の中へ。

あれ?ここ前も通った道じゃない?

というと、違うよ。と前田さん。

だいたいこのパターンで合ってるのは私です。

なぜ違うよと言うのか。

それはさておき、真っ暗闇の中を峠らしき道を奥へ奥へ。

峠とか、山奥とか、本当に好き。

ワクワクします。

夜に一人じゃやっぱり不安にもなるけど。

大きな鹿が道を横切る。

ふと、ちょっととめて!

星が綺麗な気がする!

車をとめてエンジンを切り、ガラス窓を全開。

冷たい空気がさしてくる。

満天の星。

ふと生き物の気配がする。

しっ!静かに。と言ってその気配がなんとなく近くに来てるような気がしてあたりを伺う。

しかし後ろから車が来て、その気配もどこかに行ってしまった。

そのままどんどん上へ。

山の上は湖。

やっぱりここは前に来たところだと前田さんもようやく思い出したようだ。

同じところで車をとめて降りる。

天の川。

星が音をたてているくらい。

思わず銀河夜行を歌う。

吸い込む空気が冷たい。

車に戻って山を降りる。

ようやくついた田野畑村には夜10時過ぎ。

ちょうど公民館から人がバラバラでてきて。

あー!今まで待っていたんだよ!

ごめんねー!

明日は年に5回しかないアワビの解禁日なんだ。

朝5時から漁に出るんだよ。

これで稼がなきゃなんないからね!

じゃあ明後日のコンサートよろしくお願いします!

と皆さん。

待っていてくれたとは知らず、そんな事ならご飯食べないで走ったのになと思いつつ。

明日俺は漁に出ないというご夫妻があれやこれや出してくれる。

めかぶにアワビに鮭汁やらキノコの和え物、ジャガイモの団子が入った小豆の芋団子(いもだんす)

お腹いっぱいだったはずなのに、再度夕ご飯を食べるごとく沢山頂きました。

美味しいから入ってしまう不思議。

明日は年に5回しかないアワビ漁の様子を浜に行って見てみようとなり、少し飲んで寝ましたとさ。

続く。

今年のクリスマスは

大久保でライブです。

12月25日夜

今週末は千葉県君津市久留里にて

里見一族のイベントで演奏します。

小説家の夢酔藤山さんが房日新聞の連載小説で里見の小説を書き、挿絵を描いたギャラリーsfkの山鹿先生の展示会で何度か演奏したご縁で、里見の曲を作って欲しいという依頼があり、「風の国〜仁〜」

という曲をかきました。

コンサートではその曲も演奏します。

里見のことを知ってもらうために夢酔さんが製作を依頼したこの曲含めて新曲が三つ入ったCDは非売品ですが、こちらです。

その夢酔さんも講演する会はこちらです。

12月8日は千葉市稲毛区こてはし台のオリーブハウスの地域まつりで演奏します。

12月14日は倉敷の美観地区にて絵と陶芸の西美紀さんと♪

倉敷での展示会ではまたどんな世界がひろがり、どんな方々に会えるか楽しみです。

 恋するおんがく- 2018/11/15 -

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ボヘミアン・ラプソディーもう二回観た。

一回目は後半から泣きっぱなしで2回目は初っ端から泣いた。

学生時代に初めて付き合った男の子がこの曲を教えてくれた。

こんなワクワクする素敵な音楽があるなんて!

となった。

当時所属していた探検部の先輩達が皆、クイーンと忌野清志郎を聞いてたな。

そんな事を思い出すうちに、自分の今までの音楽遍歴を辿ってみた。

子供時代はほぼクラシック。

なぜならバイオリンを習っていたから。

テレビはあまり見せてもらえなかったけど、NHKスペシャルのシルクロードのテーマ曲は大好きで、たまに今でも馬頭琴で弾く。

原曲より馬頭琴で弾く方が良いのではないかとか思ったりするくらい。

家にあった津軽三味線の高橋竹山のレコードと、ピンクレディーのレコードが大好きで、小さい頃はそれかけて踊ってた気がする。

高橋竹山のレコードをどれくらい聞いてたか覚えがないけど、それで三味線を習いたくて習いたくてという瞬間があったな。

そしてバイオリンの先生が当時出始めたばかりのCDを購入して、名曲集を持っていて、真似して母がクラシック名曲集のCDを購入。

ざっと聞いてるうちに、1番好きだったのが、ドヴォルザークの新世界。

あれは大音量で何度も聞いてた。

わかりやすい、心を掴む、つまりはキャッチーなメロディーが好きなんだな。

多分飽きっぽいから。

そして難しい世界は分からない。

でもそのキャッチャーなメロディーを作れるっていうのが、天才だと思う。

フレーズはものすごく力のある言葉と同じで、ものすごく物語があるし、力があると思う。

チャイコフスキーの弦楽セレナーデも好きだった。

それは当時の弦楽アンサンブルで弾いたりしてたこともある。

高校生で山形の寮生活を始めたときに、同室の先輩が部屋でエンヤをかけていて、こんな音楽あるんだと衝撃を受けた。

すごい好き。この音楽世界と思った。

そして大学でクイーンを知る。

どの曲もどの曲もあんなにメロディーがたっていて、心掴まれるし、アレンジも良いのは天才なんだな。映画見てそれしか頭に浮かばない。

で、

その頃にエンヤの姉のモイヤブレナンを聞いたり、ネイティブアメリカンの民族音楽を現代風にアレンジしたセイクリッドスピリットというアルバムなど、民族音楽を現代風にアレンジした曲が流行っていて、よく聞いてた。

そうこうしてるうちに、馬が好きという理由で行ったモンゴル。

馬がついてるってだけでやりたい!となった馬頭琴。

内モンゴルの野馬アンサンブル、は当時まだ1番古いメンバーで、弾いてる姿を見てると、会話してるみたいに楽しげで、ボラグさんの万馬の轟は馬が走る曲の中では1番に好きだった。

後から色々な馬の曲を色んな人が作ったのを聞いたが、未だにあれを超える曲は知らないというか、全部真似に聴こえてしまうよね。

モンゴル音楽に傾倒したわけではなく、馬が楽器についていて、野馬アンサンブルの演奏が楽しそうで、ボラグさんの万馬の轟が弾きたくて馬頭琴をはじめたわけで、

モンゴル民謡は沢山勉強したが、結局のところ、気づいたら私は馬頭琴でオリジナル曲を演奏するようになっていた。

一頃きいていた、民族音楽を現代風にアレンジしたという流れにはいかずに、つまりモンゴル民謡を現代風にアレンジしたものとしてのオリジナルはやらずに、なんで馬頭琴弾いてるの?ってくらいのジャンルが分からないものを弾いてると思う。

オリジナル曲もたくさんになってきたが、作風があれこれで、自分でもジャンルが分からない。

今まで、オリジナル曲を弾くせいか、もっと色んな曲を聞いた方がいいよ。

と言われた事もあったけれど、わたしには今まで聞いてきて好きになった音楽で充分だと思っていた。

自分が音楽の道で食べていくなんて道を歩む前は、その好きな曲を聞いていたけど、今となっては音楽もほとんど普段聞かない。

この先出会うべくして出会う音楽もあると思うが、わたしはこれでいいと思っている。

というと傲慢に思われそうだから言わなかったんだけど、先日聞いた話で、作品を作るのに、他の人の作品は見ないという人がいて、影響を受けたくない、自分から湧き出てくるものを形にしたい。

とその人となりをある程度知ってるからわかるけど、それは純粋な気持ちでそう言っていると思う。

そしてその人にはそれが真実だったのだと思う。

もう亡くなった人だけど。

わたしはむしろ、沢山の人や場所や物語に出会いたい。

そしてまだまだ沢山のオリジナル曲を作りたい。

ここ二年ほど自主企画ライブは夏と冬の年二回のみで、その度に参加してもらっているベースの山田章典さんと、今回は初の若手のジャズピアニストとして活躍中の工藤拓人さん。

そしてお馴染みドラムの前田仁さんとの四人編成。

おそらくアレンジと雰囲気がまた変わる新しい瞬間をぜひ目撃、体感しに来てください。

予約はお店か、直接メンバーまで。

 山の上のてんのかわ- 2018/11/15 -

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ぐんぐん山の上へ真っ暗な夜道を行く。

最近のツアーではよくある事。

ここは前にも来た気がする。

ライトに照らされる白樺の白い幹。

大きな鹿が横切る。

車を停めて!

星がすごく綺麗な気がする。

ライトも消して外に出る。

なんじゃこりゃ。

音が聞こえてきそうな気がするほどの星空。

太い天の川。

思わず銀河夜行を歌う。

息を吸うのが苦しいくらいの冷えた夜の空気。

それは岩手一関から三陸へ向かう夜の山の中の出来事。

一関は衣川という地区から依頼のメールが来たのは春になる頃の事。

そのすぐ後に岩手訛りの元気なおじさんから電話が来る。

どうやら衣川地区の会長さんが雑誌、現代農業の1月号の栃木県那珂川町での棚田コンサートの記事を見て、この人達を呼ぶ!と言い出したらしい。

その後で会長さんの娘さんからCDの申し込みがあったりして、なんだかとても熱心に呼ぶと思ってくれているのが伝わってくる。

岩手の衣川。

どんなところだろ。

どんな人達だろうかと想像を膨らませながら、いよいよやっとその日がくる。

現代農業の棚田コンサートの記事には私が歌っている写真が載っていたようで、一見歌ってるのか、話してるのか分からないと思うのだが、どうしてもコンサートでは歌を歌ってくださいということと、写真の通りにピアノではなくてキーボードだけで伴奏してほしいという事だった。

とにかく、あの棚田コンサートの通りに。

すみません。会長は頑固で言い出したら聞かないので、キーボードでお願いできますでしょうか?と間に入っている岩手訛りの元気なおじさん(千葉さん)から。

わかりました。

歌います!

そしてキーボードは、ピアノが無いところではキーボードを使っています。

ピアニストなので、ピアノが映える曲はピアノで、シンセ音がいい曲はキーボードでやるのはいかがでしょうか?

と尋ねると、あの頑固な会長がそれでいいです!といってます!

いやー良かった!と。なんとなく向こうの様子が垣間見えて、微笑ましく思ったのでした。

岩手に行くのだから、この夏にまたお世話になった三陸田野畑村の今橋さんに、そういえば夏に言っていた宮古のレストランでやってほしいという話がその折に実現したら良いなということで、結局のところ、どこで何をやるのかは、行く一週間前に分かったのですが(!)田野畑村の今橋さん念願のブータンの吉祥絵図をバックにコンサートというなかなか面白い事になってました。

ピアノの竹井さんが、帰りがわりと強行軍だったので、最終日の田野畑村から千葉までの時間をナビで調べて、8時間!

ということで、なんとなくその8時間!

が頭の中にあり、

初日の衣川地区の前日入りのリハーサルが四時からということで逆算して、首都高を通勤ラッシュが始まる前に出ましょう!ということで5時半に千葉を出たのです。

その時になって、ようやく衣川ってどこなの?

って調べた私が悪いのですが、

運転していた前田さんが!

衣川に着くのが午前中の11:30になってるよ。

って、だいぶ運転してからの一言。

え???

え?????

まさかの昼前?

そうか!岩手は四国より広いんだったぜ。

去年の夏に痛感したってのに、早速忘れてたよ。

3人ともおかしくなっちゃって車の中で笑いが止まらず。

眠くて頭が半分動いてない。

じゃあ観光すっぺ!

と厳美渓に寄ることに。

高校時代に来たぶりだ〜

それから大好きな山葡萄ジュースを買って飲み(母が幼い頃から私に毎日おちょこ一杯ずつ飲ませていた。なぜかしら?)

りんごの匂いにいちいち安い!いい香り!買いたいね!と迷う3人。

それから衣川のあたりを地図でみると、どうやら牧場がありそう。

そして馬がいそう!

という事で少し早いが衣川へ。

山を上がり(もうワクワクが止まらない)

牧場が見える。

想像以上の山の中だ。

そんな山間にふいに衣川の町があり、明日の会場である中学校が目に入る。

そこをさらに山の上へ少し行くと、あ!なんか牧場があると思ったら、車の脇の牧場を馬が5頭ほど走ってすり抜けて行く。

あまりのタイミングに涙が出そうなほど。

サラブレッドじゃないし寒立馬でもないし、木曽馬でもないし、なんかとても可愛い。

色んな馬がいる。

秋の紅葉の山の上の牧場。

少し曇っているこのグレーな空が栗色の馬たちの毛並みにとても似会う。

ヨウシュヤマゴボウ?だっけ?

の草がまた似合うんだ。

それから少し発声練習をする。

馬が驚いて近寄ってくる。

寒さが身にしみて心地よい。

遠く山の向こうが晴れてきた。

続く。

厳美渓

衣川のおうまさん達。

 寝ぼけていても〜棚田コンサート⓶- 2018/10/30 -

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寝ぼけながらも朝のうまれたての空気を吸いながら森に入っていく。

舐めるように草刈りがされて、神社の参道のように掃き清められている。

急に身が引き締まり、そろそろと、はいた跡が消されてしまわないように歩く。

石舞台の上に立ち、棚田の空間に耳をすまして溶けてゆく感覚を味わう。

それからまた山道を戻り、エントランスとなる野原に戻ると、里守人のおじさん達がおはよう!今日は大丈夫そうだね〜!

と笑顔。

去年は逆に会う人会う人、今日はどうかなー。大丈夫かなー。

と困った顔だったので、まだまだ雲がかかる早朝、一抹の不安は拭えなかったが、その笑顔に早くも一安心する。

実はもう一つちょっと心配していたのは衣装。

白い衣装を着ることはあってもいつもどこかに差し色をしていたのと、このあまりにも繊細なつくりは、遠目から果たして伝わるのか、動くと揺れる感じの衣装なので、ただ座って演奏している訳で、ちゃんと着こなす事ができるのかという不安。

自分では見る事が出来ないので、毎回どんな風に見えるかなというチャレンジなのだけれど、毎年棚田コンサートで初披露となる衣装を、いつのまにかあつらえるというのが恒例になっていて、紅白の小林幸子のようにそのうち空を飛ぶのかもしれないなどと言われると、そんな財力はないから安心してください。笑

それはどこの民族衣装ですか?と言われる衣装を台湾に行く前に見つけて、何度か着ていて、これは棚田で着てないから、今年はこれかなーと思いながらも、もう何度も着ているので、棚田で初披露じゃないなぁ。などと思いながら、風になびくような白い衣装があったらなーなんてもう1週間きっていたが、ぼんやり考えていた。

それこそ棚田の3日前とかにネットで見つけて、このスカートはとても棚田に合うんじゃないかと、逗子のアトリエまで取りに行く。

実は前田さんの最近話題の衣装を製作した方と同じ。

アトリエマーヴィーの野口多鶴子さん。

アリゾナに行って写真を撮るならそれに合う衣装がないかと探していたところ、彼女のネットでの写真に行き当たる。

これ。

日本で着ると、うらしまたろうさんですか?と聞かれる。

台湾では孫悟空。

結局、今回の棚田コンサートではピアノの竹井さんにも私の彼女製作のワンピースを着てもらい、オール多鶴子さん作品。

自然の染色なので自然の中で溶け込む色なんだろうな。

白の衣装は彼女曰く、インドの手織りの本当に目の細かい柔らかい、それこそ羽衣のような布で、これで衣装を作りたいとその布を手に取ったら、売主から、これはインドで見つけたものだけど、もう手に入らないし、そもそもハサミで切れないし、衣装なんて縫うのは無理だと。

ストールがせいぜいと言われたが

それを聞いて余計に作りたくなったらしい。

裁縫不得意の私でさえ、これはハサミでは柔らか過ぎて裁断するのは一苦労だろうし、どうやって端ミシンかけるんだ??

と思う。

のを、360度の円形スカートではなく、720度の円形スカートにした。

更に、7重にしてカーディガンを縫い、ストールも作り、布終了。

本当に一苦労だったが、もう一度この布に出会いたいから、探してるけど、見つからないらしい。

そんなものを売るというので一期一会だなと決めた。

着てるのか着てないのかわからない着心地。

おだやかだった。

毎年同じ日にちでも気温も湿度も紅葉の具合や、生き物たちの気配もなにもかも違う棚田の音楽ホール。

同じ晴れでも緊張するような冷たい空気が漂う日もあれば、暑い日差しに変わる日もあり、突風が吹いて譜面台ごと吹き飛んだこともあり。

こんなおだやかな日があったかなーというくらい、去年の雨を経てよりそう思うのだろうか。

ふと気づくと主催の廣田さんが普通にお客さんとしてのんびり聞いている。

虫が楽器に飛んできて楽器にとまった瞬間。

おだやかな風が後ろからふわりと吹いてきた時。

鳥のさえずり、小川のせせらぎ、木の葉が風で揺れる事もすべて、味わっていたいと思いながらの演奏だった。

本番というのは書きようがない。

そこに一緒にいてくれて、共有しながら音がどのように重なり合うか、のびていくか、感じ合う行為だから。

.

.

小さな子供連れやワンちゃん連れに最適な奥まったところのプライベートスペースみたいな所があって、ここの音もなかなか良い。

冗談で特別料金頂いてお弁当つけましょう!とか言ってしまうようなスペース。

つづら折れになっている下の木のたっているポイントも眺め良し、音良しで毎度2.3人座っている。

もう1つは坂を下る手前にある梅平のおばあちゃん優先席。

お客さんはエントランスの野原で開演30分前までの時間を過ごして、棚田へ向かう。

馬頭琴は生音です。

小さなスペースの部屋での演奏も、ほぼパーカッションやドラムが入るので、マイクを使う事が多い。

野外の場合はソロであっても、マイクがないときつい。

音が散ってしまう。

ここの棚田は馬頭琴の音は聞こえマイクなしでどこまでものびる。

山の上のおばあちゃん優先席でもよく聞こえる。

らしい。

コンサートの後は、、

衣装の写真撮ったり、

CDにサインしたり、

写真撮ったり、

そうそう、柔道着に身を包んだマッチョなお三方が花束をくれたのは、棚田の持ち主シゲルさんの娘さんのお婿さんの後輩。

ふふふという笑いと驚きの声が上がってました。

名残惜しくサヨナラの時。もう一つ皆さんの目には触れないけれど、口にも入らないけど、演奏者とスタッフにはご褒美として頂けるもう一つの棚田の幸。

それは

栗ご飯の栗にいたっては数日前からむきむきとして手前のかかる美味しい美味しい打ち上げ料理。

里守人の女性陣が朝早くから炊き出し。

その香りと湯気につられそうになりながら、混じりたくなるので、すっかりお任せしてただだだ、いただきます!

します。

食べきれなかった分はお土産に。

棚田の花束と大きな梨とかなんだか車が満杯になって帰ります。

美味しい棚田の幸を食べる若い東京からのスタッフの方々。

を引き連れてきた毎年プロの機材で録音してくれる大学先生まっちゃん先生と、そもそもこの棚田と馬頭琴美炎を繋いでくれたきっかけとなった寅さん。

1回目かりというより0回目からの参加です。

きっかけは馬頭町で馬頭琴。

というまさかの親父ギャグ。

そんなこんなで8回目を迎えられた棚田コンサートスタッフ。

恒例の集合写真。

コンサートの前後が盛りだくさんすぎて、あっちいったりこっち戻ったりの報告でしたが、やっぱり字と写真だけじゃ、半分も伝わってません!

なぜなら毎年このようにお伝えして、動画もライブで流したりしても、来た人が、来ないと分からなかった!

という感動がある。

駐車場に限りがあって、だいたい前売り券は売り切れてしまうのですが、一人一人の人に体験してもらいたくなってしまう。

その体験を逃さないでください。

と言いたくなってしまう。

次は来てくださいね。

そう。

これを読んでいるあなたです。

11月8日

三鷹の素敵な洋館で絵と陶芸の西美紀さんとのコラボライブ♪

素敵な作品、色んなテイストのものが沢山あります。

ぜひ手にとってみてください。

お待ちしてます。

以下美紀さんより

新月の日に、三鷹で、馬頭琴の美炎ワールドの音楽と

西美紀の陶芸、

カフェ Rose & Mのティーセットやオードブルで

五感で一緒に楽しみましょう!

11月8日(木)

うつわと音楽とおいしいもので旅する

【幻想紀行】

美紀Miki✕美炎Miho✕Rose&M

絵と陶芸、音楽、食のコラボ会

(西美紀個展イベント)

カフェ Rose & M(旧Rose Room)にて

西美紀の器と美炎LiveとCafe時間

陶器 西 美紀 (絵と陶芸)

演奏 馬頭琴 美炎 、打楽器 前田 仁

▶︎ティータイムの部【15時から】ティーセット付

or

▶︎宵の部【17時30分から】オードブルセット付

☆お時間、どちらかお選びください。

ご予約 会費2,000円(当日2,500円)

演奏会コラボイベントのご予約はこちら→ ミキクオーレ

info.mikicuore@gmail.com

0956-59-4032

(メッセージなどでも受付中。

カパリスンギャラリーさん、カフェRose&Mさんでも♬)

お名前、ご連絡先、参加時間などをご記入し、ご連絡ください。

※お支払いは当日会場で構いません。

一緒にステキな心の旅へ出かけましょう💫

場所

東京都三鷹市下連雀2-12-29 カパリスンビル1F Cafe Rose&M

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西美紀 個展 〜響く HIBIKU〜

時期*11月7日(水)→11月11日(日)

時間*11:00-18:00 (最終日16:00)

場所*caparison カパリスンギャラリー:

東京都三鷹市下連雀2-12-29 カパリスンビル1F

TEL0422-48-2677

山本有三記念館隣、ジブリ美術館に続く風の散歩道沿い

近くには井之頭公園

近辺の駅は三鷹駅、吉祥寺駅

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